アウトプットを頑張る

初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

【読書メモ】限りある時間の使い方 オリバー・バークマン (著), 高橋璃子 (翻訳) Part5

Part2 幻想を手放す

第7章 時間と戦っても勝ち目は無い

  • ホフスタッターの法則 「どんな仕事であれ、つねに時間は予想以上にかかるものであるーたとえホフスタッターの法則を計算にいれてもだ」と表現される
  • たとえば、買い物を考え場合。予定している時間が1時間と見積もり、余裕をもって2時間を割り当てたとしても、結果2時間半かかってしまう

何が起こってもおかしくはなかった

  • 時間は自分のものではないし、自由に使うこともできない

    計画を立てるのが悪いことだといっているわけではない。老後のためにお金を貯めたり、期日までに投票に行くのは良いことだ。未来を良くしようという努力には何の問題もない。本当の問題は、その努力が成功するかどうかを、今この時点で確実に知りたいと思う心理にある。それが不安を生むのだ。
    オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.120). Kindle 版.

  • 過去を振り返ると未来を思い通りにしようとして、完璧に思い通りになったことはあるだろうか?

  • 人生の重要な出来事には、いつだって偶然の力が働いている

1日の困難は1日分でいい

  • 過去は変えられず、未来はどうなるかわからない⇒ 「今ここにある現在」に注意をむける大切さ。

  • ジッドゥ・クリシュナムルティ「私は何が起ころうと気にしないのです。」

    未来をコントロールしたいという執着を手放そうということだ。そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられる。つまり、今を生きることが可能になる。
    オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.124). Kindle 版.

  • アメリカの瞑想家 ジョセフ・ゴールドスタイン「計画とはただの考えにすぎない」

【読書メモ】限りある時間の使い方 オリバー・バークマン (著), 高橋璃子 (翻訳) Part4

Part1 時間を直視する

第5章 注意力を自分の手に取り戻す

現実は注意力によってつくられる

  • 心理学者のティモシー・ウィルソンによると、人間が意識的に注意を向けることができるのは、脳内に氾濫している情報のうちわずか0.0004%程度

  • 人生とはすなわち、注意をむけたあらゆる物事の総体である

ユーザーの意識を乗っとる機会

スマホなどのデバイスは単に、気を散らして重要なことを見えにくくするだけではない。そもそも「何が重要か」の定義さえ、簡単に書き換えられる。哲学者ハリー・フランクファートの言葉を借りるなら、それは「自分の欲しいものを欲しがる能力」を壊してしまうのだ。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.101). Kindle 版.

第6章 本当の敵は自分の内側にいる

なぜやりたいことをやりたくないのか

  • 人が注意力散漫になるとき、本当は何が起こっているのか
  • 目の前の苦痛から逃れるために、気をまぎらせてくれる何かを探す
  • この理由は、時間が限られているという現実や、限られた時間をコントロールできないという不安をできるだけ見ないようにしている
  • 重要なことに取り組むときに、自分の限界を痛感する。思い入れが強いからこそ、完璧にできないことがもどかしい
  • すべてをコントロールしたいという欲求を捨てて、とにかく進んでみるしかない

禅の教えによると、人の苦しみはすべて、現実を認めたくないという気持ちから生じるのだという7。「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持ちこそが、苦しみの根源なのだ。自分は万能ではない。ただの無力な人間で、それはどうしようもない。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.112). Kindle 版.

【読書メモ】限りある時間の使い方 オリバー・バークマン (著), 高橋璃子 (翻訳) Part3

Part1 時間を直視する

第3章 「時間がある」という前提を疑う

死へと向かっていく存在

ハイデガー風にいうなら「世界が世界化している4」という事実、つまり物事がそもそも存在することへの驚きを忘れている。何かが存在するという事実は、作家サラ・ベイクウェルのすばらしい言葉を借りるなら、「誰もがつねに爪先をぶつけているべき残酷な現実5」なのだ
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (pp.62-63). Kindle 版.

  • 「今日が人生最後の日のつもりで過ごす」ではなく、実際に今この瞬間が人生最後であるかもしれない。未来が一瞬でも残されていると確信することはできない。
  • 自分の有限性を直視して初めて、本当の意味で人生を生き始めることができる

⇒ ここまで自分の人生が常に終わりを意識出来るか。目を背けたくなりそう。

メニューから何かひとつしか選べないことは、けっして敗北なんかじゃない。決められた時間のなかで「あれ」ではなく「これ」をする、という前向きなコミットメントだ。自分にとって大事なことを、主体的に選びとる行為だ。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.73). Kindle 版.

第4章 可能性を狭めると自由になれる

タスクを上手に減らす3つの原則

  • まず自分の取り分をとっておく
  • 「進行中」の仕事を制限する
    • 「進行中」の仕事を3つまで制限
  • 優先度「中」を捨てる

完璧主義者は身動きできない

  • 僕たちのつくるものはけっして完璧ではない。
  • 肩の力を抜いて、まず始めてみたほうがいい。

選択肢は少ないほうがいい

  • 人は後戻りできない状況に置かれたほうが、選択肢があるときよりも幸せになれるというデータがある。「これしかない」という状況のほうが満足度が高まる

ハーバード大学社会心理学者ダニエル・ギルバートらは、数百人の被験者にポスターを選んでもらう実験をおこなった13。いくつかのアート柄のなかから、好きなポスターを選んで持ち帰ってもらう。参加者は2つのグループに分けられ、一方のグループには「1カ月以内に他のポスターと交換可能である」と伝えた。もう一方のグループには「これが最終決定であり、一度選んだポスターはけっして交換できない」と伝えた。その後の両者の満足度を調べたところ、後者のグループのほうがはるかにポスターを気に入っていることがわかった。もっといい選択ができるかもしれないという可能性を残されたグループよりも、後戻りできない選択をしたグループのほうが、自分の選択に満足できたというわけだ。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (pp.91-92). Kindle 版.

【読書メモ】限りある時間の使い方 オリバー・バークマン (著), 高橋璃子 (翻訳) Part2

Part1 時間を直視する

なぜ、いつも時間に追われるのか

  • 限られた時間をどう使うか、わたし達は厄介な先入観を刷り込まれている。

  • それを認知するために、時計のなかった時代をまず知る。

    • 中世初期のイギリスの農民に生まれていたら
    • 領主の土地の一角で、きつい農作業をし、収入のほとんどを領主や協会の寄付にもっていかれ、夜には、一部屋しかない小屋で家族ではなく、家畜と一緒に眠る。風呂にも入れず、歯も磨かない。
  • 1790年代 イギリスの実業家 アンブローズ・クロウリーは「仕事に関係ないこと(タバコ・歌を歌ったり、新聞を読んだり)をした時間分をすべての給料から差し引く」という方針を発表
  • ここから人間と時間との現代的な格闘が始まる
  • 時間を「使う」となった結果、時間を「うまく使わなければ」というプレッシャーが生まれた。
  • 「今」という時間を未来のゴールにたどり着くための手段に変えてしまった。
  • 「今」を犠牲にしつづけると、僕たちは大事なものを失ってしまう。
  • 「今」を生きることができず、未来のことしか考えられなくなる。

効率化ツールが逆効果になる理由

  • 忙しさは今に始まった問題ではない。

イェール大学のダニエル・マルコヴィッツが言うように、成果主義の世の中では、たとえ勝ち組であっても(つまり、エリート大学を卒業して超高給で働いている人も)、終わることのない強烈なプレッシャーにさらされつづける。誰もがうらやむ地位を手に入れても、そのポジションを維持するために、さらに死ぬほど努力しなくてはならない。 オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.547-551). Kindle 版.

  • 自分の限界という、みじめな現実を直面する。

シーシュポスの受信箱

  • 問題は、正しい時間管理術を見つけていないとか、努力が足りないとか、もっと早起きすべきなどの根本的な前提がまちがっている。

  • 1日に詰め込めるタスクの量を増やしたからといって、すべてをコントロール出来ている感覚なんか得られないし、重要なことを全部やるだけの時間も生まれない。何が重要家というのは主観にすぎない。自分や上司によって、重要なことが、時間内に実行可能と考える根拠はどこにもない。

  • さらに厄介な問題は、多くのタスクをこなせばこなすほど、期待値がどんどん上がっていく問題だ。

  • もっと効率的にやれば忙しさから逃れられるという希望をあえて捨てれば良いのだ。

タスク処理能力には意味がない

反射的にタスクをこなすかわりに、すべてをやりきれないという不安を抱えること。やりたい誘惑を振りきり、あえて「やらない」と決めること

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.716-717). Kindle 版.

【読書メモ】限りある時間の使い方 オリバー・バークマン (著), 高橋璃子 (翻訳) Part1

イントロダクション

長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる

  • 80歳まで生きるとして、人生はたった4000週間
  • 運良く90歳まで生きて、4700週間くらい
  • 世の中のタイムマネジメント本は人生がものすごく短いという事実を認めようとしない、タイムマネジメントをすれば何でもこなせるという幻想を振りまいている

人生のベルトコンベア

  • 忙しさは、問題の入り口にすぎない。問題の根っこにあるのは「時間が限られている」という事実

アメリカの文化人類学エドワード・T・ホールはかつて、現代社会の生活をベルトコンベアにたとえた。古い仕事を片付ければ、同じ速さで新しい仕事が運ばれてくる。「より生産的に」行動すると、ベルトの速度がどんどん上がる。あるいは加速しすぎて、壊れてしまう。

タイムマネジメントライフハックの技術は、大事な真実を見落としている。
「時間を思い通りにコントロールしようとすれば、時間のコントロールが利かなくなる」という真実だ。

やり遂げよう。でも何を?

  • 「私たちの時代を支配するのは、喜びを欠いた切迫感である」とエッセイストのマリリン・ロビンソンはいう。

本書は、時間をできるだけ有効に使うための本だ。
〜中略〜 生産性とは、罠なのだ。

  • 効率を上げれば上げるほど、忙しくなり、タスクを早く片付ければ片付けるほど、多くのタスクが積み上がる

【読書メモ】ファンカルチャーのデザイン:彼女らはいかに学び、創り、「推す」のか Part2

第3章 学びと遊び ー生活の濃度を高める

知覚の文化性

都市空間のハッキング

コスプレイヤーが都市空間に対して行う意味づけや、スケートーボーダーの行う意味付けは、異なる知覚を促している。

網膜では同じものを知覚しているのに、認識される意味は異なる

コスプレイヤーの環世界

環世界(Umwelt)とは、この世界がひとつではなく、いろいろな動物において多層的であるというアイディアだ。
ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(2005)『生物から見た世界』

例:マダニは目と耳の機能がない。その代わりに嗅覚・触覚・温度に対する感覚が優れている。人間の酪酸の匂いを感知し、吸血の合図となる。 マダニの環世界と人間の環世界では、同じ「酪酸」であっても役割や知覚のされ方は異なっている。

環世界は、知覚器官の違いだけで起こるわけではなく、わたしたちの社会的なコミュニティにも当てはめている。 情報工学者、ライダー、教育者、それぞれの環世界があり、同じ空間にいて、言葉、概念を耳にしてもそれぞれが異なる知覚をする。

頭ひとつ分背伸び

一緒だとできること

共同のなか、指導のもとでは、助けがあれば子供はつねに自分一人でするときよりも多くの問題を、困難な問題を解くことができる
ロシアの心理学者 レフ・ヴィゴツキー「発達の最近接領域」

発達の最近接領域とは、(今日一般的に理解されている)単に「出来なかったことが出来るようになる」という学習や教育の話というよりも、なりたい自分を見出す全人格的な発達や変容を示す概念である。ちょっと先の自分のアイデンティティ変容に触れること、アイデンティティ変容の手触り感ある軌跡を愉しむことであり、発達の最近接領域の肝はここにある。

プレイフルラーニング

「憧れの最近接領域」⇒「プレイフル」

プレイフルとは、物事対してワクワクドキドキする心の状態で「自分とその場にいる人やモノやコトを最大限活かして、新しい価値(意味)を 創り出そうとする姿勢」

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学習とは舞台という場をつくって未来を生成することで、テストや課題に対応することだけではない。
~中略~
「自らが能動的に他者やモノやコトと関わっていくプロセスを通して、生み出される愉しさ」を学びとしている

コスプレの舞台

遊びだとやり方が知らないことや、初めてやること、習熟していないことの領域でもやってみることがある。

線形的な時間から円環的な時間へ

何になるかはわからないことを、わからないままやる。行為することが「何をもたらすのか」を問題にする前に動いている。特定のゴールのためにスキルが適用されているわけではない。ゴールは、やっているなかで生成されている。 結果として大きな成長や変化を感じられなくとも、円環的な時間で愉しんでいる。

わたし達のあらかじめ設定されたゴールに向かう線形的な学び方や実践の「線型的」な現実から、遊びを介した円環的な現実へのジャンプは大変。

作品やキャラクター解釈とも方という表現活動には、批評が含まれている。批判的な活動は鑑賞学習などでみ重視される。

【読書メモ】ファンカルチャーのデザイン:彼女らはいかに学び、創り、「推す」のか

はじめに

著者の岡部さんが腐女子コスプレイヤーが創るファンカルチャーに大小さまざまなイベントに集う人々にインタビューを20年くらいの内容をまとめた内容。

インタビューを通して、わたし達がよく知る世界とは仕組みそのものが違う生活世界なのかもしれないと思えてきた。 ファンカルチャーを通して、わたし達のよく知る日常とその異なる日常を支える知恵や仕組み、生き方や人間関係を明らかにする。

運動体としての知

ファンカルチャーの愉しみかた

自律的に「はまりまくって(geeking out)」愉しむ人たちの学びである。 自分の愉しみや歓びを「他人まかせにしない」人たちの学びとも言える。

わたし達の世界 ⇒ 有用性や役に立つことが求められ、結果のための道具に支配されすぎた世界

ファンカルチャーの世界 ⇒出来るかどうか、何になるかわからないけどやってみる学習

ファンカルチャーの学習

実用的で換算可能な価値とは少し離れた、無用の用を伴った熱中のもとにある。さらに言えば、右肩上がりの熟達や成長を志向していないものの、~中略~結果として、継続や愉しさや歓びと結びつく学習

わたし達の学習

生産性や将来性を過度に重視することも少なくない。生産性や将来性は、より速く、より大きく、より強いものに向かうための知と学習を求める。

活動の主語が剥奪されている感覚

もう一つ注目する学習

人びとの「共愉的(convivial)」関係の中にあらわれる。

純粋な非産業主義的活動

予測不能で不確実な社会を生き抜くためにはこれまで以上に遊びが重要だ。 ただし人びとは、遊びの方法を知らない。遊びの環境も整えられていない。

ファンカルチャーの人は、遊びに明確な目的や意思を持って望んでいるわけではなく、愉しみを味わい、さらにその愉しみの先を追求しようとする欲求によって動機づけられた「民衆による学習」である。

消費対象としてとらえられがちな客観的な世界を、主観的な世界として捉え返す生成的な実践