アウトプットを頑張る

初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

【読書メモ】知覚力を磨く―絵画を観察するように世界を見る技法 | 神田 房枝 (著)

感想

あらゆる知識のはじまりは知覚である レオナルド・ダ・ヴィンチ

  • 本書の冒頭に書いてあるこの言葉がすべてを表していると思います。
    人間は思考の前に知覚をしていて、その知覚力を鍛えるために
    本書では絵画の鑑賞法を通じて、日頃からの知覚「どこに眼を向けて、何を感じ取るのか」
    について学びました。

イェール大発 科学的に実証された「知覚力トレーニング」

  • 絵画観察トレーニン
    • 現実の世界はひろすぎるため、観察対象・トレーニングとしてはハードルが高すぎるため、
      まず「絵画」というフレームで区切られた小宇宙空間のなかで観察技法を身につける。

知覚のトップダウンプロセスとボトムアッププロセス

  • 知覚プロセスは「受容」⇒「解釈」トップダウンと「解釈」⇒「受容」ボトムアップ
    • 受容は感覚器を通じて知覚情報を受容
    • 解釈は脳が既存の知識を組み込み意味付けをする。
  • 創造的な解釈に貢献はトップダウン

知覚と思考の違いはコントロールできるかどうか

  • 思考のための活動は、考え直したり、思考法を学ぶことでコントロールが可能
  • 知覚はインプットされた情報を既存の知識と結合し、意味を付与する。これは半自動的に進んでいくため、本人で制御が難しい

知覚力を磨く方法

「知識」を増やす

  • 知識を増やすには、「何を学習するか」「何を経験するか」が悩ましい
  • 手始めには自分が携わっている仕事ゆるく関連する分野を意識するこが大事
  • ただ、高い創造性には「関連性がより希薄なものをあえて結びつけること」で実現される

    「他者」の知覚を取り入れる

  • 他者の知覚を取り入れるには、読書が重要
  • 自分の好みに偏って読書してしまいがちのため、幅を広げることを考える

    知覚の「根拠」を問う

  • 知覚の根拠を問う方法としては自問をしてみる
    • 「なぜ自分はそう解釈したのか」
    • 「どこでその事実を知ったのか」
    • 「なぜなぜそれが正しい事実だと言えるのか」
    • 「もしもその事実が正しくないとすれば、自分の解釈はどう変わるのか」

      「(創造性を育むために)私なら、自分の持つすべてのテクノロジーを、ソクラテスと一緒に午後を過ごすことと交換するだろうね」 スティーブ・ジョブズ

見る/観る方法を変える

  • ここまでの3つは「脳に」働きかけることで、間接的に知覚を変えようとする試み
  • 自分の眼が「何を/いかに観るのか」をコントロールしていく

観察力の低下

  • マルチタスクやテクノロジーの影響で、ルーティン化した仕事、生活スタイルが続いて先入観が強化されると注意力低下している
  • 知覚的盲目はマルチタスクによって起きている。
  • 2つ以上のことを遜色なく処理できる脳を持っているのは、わずか2.5%の人でしかない -「純粋」によくみるということができていない

絵画観察トレーニングのメリット

  • バイアスが介在しづらい
  • フレームで区切られている
  • 全体を見渡す力がつく

絵画観察のポイント

  • 十分な観察時間
  • 多くの解釈を生む眼のつけどころ
  • 知覚を歪める要素の排除

知覚力を奪う「敵」

カテゴリ 説明
カテゴリバイアス 人・物・ブランドなどを、それらに対する偏見や
自動的なラベル付けをして判断
確証バイアス 既存の知識を確証してくれる情報を好み、
新しい可能性へのドアを閉じる
同調バイアス 持論に反したとしても大勢の意見を支持する
自信過剰バイアス 自分の実力に過度の自信を持つ
ネガティブバイアス ポジティブよりネガティブなことに影響される
曖昧性バイアス 効果が不透明な選択肢を選ばない
バイアスの盲点 自分は他人よりもバイアスに影響されにくいと信じる
  • 本書の中には他にも絵画鑑賞のステップの細かいことが、実際の絵画をもとに説明があり、とても参考になりました。
  • アートは人類の叡智を育てるための無比の手段。可能であれば美術館にいき、難しければインターネットでも美術作品を「鑑賞する」ことを意識していきたいと思います。