アウトプットを頑張る

初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

【読書メモ】視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話 深井 龍之介 (著), 野村 高文 (著)【3/3】

思考OSをアップデートをするためのヒント

本書は第3回 JAPAN PODCAST AWARDS ベストナレッジ賞受賞
「ascope〜リベラルアーツで世界を見る目が変わる〜」の書籍化です。 ラストは宗教学と教育学と脳科学のところをまとめていきます。

本書の構成(🌟今回ご紹介する所)

Chapter06 宗教学🌟

キリスト教が、世界を変えた理由 橋爪 大三郎 大学院大学至善館 教授

  • この賞ではキリスト教を中心に西洋哲学をどうとらえているか、キリスト教がいかに理性を大切にしているか 「追求すれば真理に到達できる」という強い確信。

僕たちが生きる現代社会は「西洋哲学OS」

哲学は理性と言葉を使って思考を戦わせるスポーツみたいなものです。

  • 啓蒙思想は、ものを考える時「自分で考える(自我)」ではなく、「理性が考える」という感覚。
  • 日本はフルパッケージで近代化を進めていったため、チューンナップが必要。 「近代とは何か」「民主主義とは何か」と日本国憲法、民主主義、市場経済、科学技術、文化芸術の理解が必要。
  • 日本に足りないのは、社会の仕組みそのものへの理解である。自分の頭で社会を作る力が足りない。

理性というのは、人種や文化や時代によって変わることのない普遍的なものです。 そして過去も現在も未来も同じ理性。だから理性でわかったことは、将来実現する可能性がとても高い

  • 宗教に関心を持つ、精神的な豊かさを取り逃がして貧しくなってしまう可能性がある。 キリスト教は、哲学を理解していくための鍵、文化芸術の扉を開けるカギでもある。

Chapter07 教育学🌟

現代に再び現れた「松下村塾」の実践 鈴木 寛 東京大学 公共政策大学院 教授

普遍的かつ社会の根幹となる、教育学

  • 教育学は具体的な取り組み、どういう教育をするとどんな成果があがるかとHowを追求する学問
  • 入試改革や「卒近代」の概念、そして未来型のコミュニティの話などの事例の内容
  • コミュニティ・スクールの取り組み、保護者や地域住民、学生ボランティアなどが参画して、学校に協議会を作り、教師と一体になって、 効率学校を運営するスタイル
  • 学校という閉じられた空間を社会にはいろんな大人がいるんだという「斜めの関係」をつくることを意識した。
  • 「卒近代」とは、近代社会の限界が見えてきた(大量消費、大量廃棄、エネルギー消費など)サステナブルな社会ではない。 どうあれば幸せなのかをもう一度考え、一人ひとりが「生まれてきてよかった」「生きていてよかった」と実感できる社会を作ろうという動き。
  • 「脱」ではなく「卒」に込めた思いは、感謝と郷愁を持って、大学を卒業したのと同じように「近代」を卒業する
  • 時代が変わっても価値観がずっと変わっていない。

経済学者のソースタイン・ヴェブレンは「近代社会は人間の本能のうち、競争と略奪(所有)の2つにしか着目していない。 他にも人間の本能には、好奇心やクラフトマンシップ(製作本能)、他者に対する親愛の情などがあるはずだ」

  • 「弱いものを見るとほっとけない」ことは儲からないと二の次にされてきたが、等しく重要であると認められた社会にしたい。
  • 入試のルールもマークシート式から、論述への変化
  • 都会と地方をつなぐ未来型の「結」という考え、都会と地方がつながり、人が行き来するイメージです。
  • ベーシックインカムではなく「サービス」を届ける
  • お互いが労働力を出し合い、困窮してもそこに行き、最低限の生活インフラを確保する。
  • 「祖庸調」 「祖」・・お金。お金を持っている人がお金を出す。「庸」・・時間、つまりボランティアの労働 「調」・・技術や人脈。これら3つの社会資源をがあればものごとが成立する。

最も少ないコストで幸せに暮らせる生き方「も」、社会システムに組み込んでいくこと

Chapter08 脳科学🌟

感情の仕組みを脳から読み解く 乾 敏郎 京都大学 名誉教授

僕たちの行動は、脳に大きく規定されている〜中略〜 現在進行系でどんどん研究が進んでいる学問

  • 脳は受け取った情報を「推論」する。VRなどの映像は錯覚でそう見えている。

研究では「感情」と「情動」に分けている。 情動(emotion)とは外の刺激や、何らかの記憶を思い出すことで生理的な反応が起こること 感情(feeling)とは情動の発生に伴って生じる、主観的な意識体験だとされている

  • 生理的な反応の情動が元になって、感情が起こる。つまり、感情の大部分は、自分の体の状態が関わってくる。
  • 感情には大きく2つの特性がある
    • 感情価 どれだけポジティブなのか、ネガティブなのか
    • 活性度 それがどれだけ強いか
  • 人間の6つの基本感情①幸福感、②驚き、③恐れ、④嫌悪、⑤怒り、⑥悲しみ
  • 体の状態がわかれば、前向きに生きる傾向がある。そのための手段の一つが瞑想
  • 今の自分の体の状態に注意を集中させること。
  • 人間が感情を持っている理由
    • いま自分が良い状態にあるのか、そうでないのかを自覚する
    • 自分の状態を他者に知らせる必要がある
  • 他者の感情の状態を知ることができれば、「コミュニケーション」が取れる
  • コミュニケーションには2つ
  • 他者の感情の理解するためには自他を同一視する「ミラーシステム」によって理解する
    • 感情や運動もふくめて自分が経験したことであれば、ミラーシステムが働きやすく相手に共感する。