第二章 充実した体験をつくる4つのエンゲージメント(WPCL)
ワークエンゲージメント 仕事を通じた喜び
エンゲージメントとは「深いつながりを持った関係性」
4つの要素で社員がつながりを実感する「体験」こそが個々の社員の幸福感や充実感を創り出す。
4つのエンゲージメント
- 金銭的報酬は外的報酬。足りないと感じて不満足を引き起こすが、心理的な充足感や動機づけにはつながりにくい
- 仕事、人、共同体とのつながりは内的報酬であり、より根源的なものと捉えられる
社会心理学者エドワード・デシとリチャード・ダイアンが提唱した「自己決定理論(SDT)」においてもこれらの重要性が示されている。人には元来、能力を達成したいという「有能感」、自分でやりたいという「自立性」、人々と関連を持ちたいという「関係性」の3つの心理的欲求が備わっている。 この欲求が満たされているとき、人は動機づけられ、生産的になり、幸福を感じる。
ワークエンゲージメント
高める4つの要素
- 仕事の意味・意義を見いだせている
- 自己の重要性が認識できる
- 自分の能力が活かせている
- 成長実感を持つことができる
1. 仕事の意味・意義を見いだせている
- 自分のしごとの成果が社会や他者に確かな価値を提供しているという感覚は、仕事の意味・意義を喚起する。
2. 自己の重要性が認識できる
- 自分らしい仕事ができる、組織にとって重要なものであると「認知」
3. 自分の能力が生かされている
- 「得意が活きる」ことが、仕事への強い満足感
4. 成長実感を持つことができる
- コンフォート・ゾーン:挑戦のない快適状態
- ストレッチ・ゾーン:未知のものと出会い、背伸びの挑戦を要する状態
- パニック・ゾーン:対象者に対処しきれない複雑な状態。カオス
- 挑戦ができる状態が成長実感につながる
- 時間を忘れて没入(フロー状態)する体験こそが仕事における「良い体験」
- 社員が目の前のしごとに「没入」する環境を整えるのも、企業の大きな責任
ピープル・エンゲージメント
「誰」をバスに乗せるのか
- 「何を」するかも重要であるが、「誰と」するかも重要
人との関係性において重要な3つの要素 信頼:公正で尊重されていることが実感できる関係 成長:相互に刺激を与え合い、成長子和える関係 親和:親しみと調和の取れた良好な関係
経営幹部としてリーダーシップをうまく発揮できている人たちがどのような出来事が成長に役に立ったか、 「70%経験、20%薫陶(くんとう)、10%研修」
コミュニティ・エンゲージメント
- 自己の存在を肯定的に捉えることができる場所
- 「会社全体との結びつき」と「多様な社内コミュニティとの結びつき」
ライフ・エンゲージメント
- 人は得られることよりも、失うことに対して、大きな抵抗感を持つ
- 一度味わった「ライフの充実」
- 仕事とはなんのために行うのか?というのが
シリコンバレーでは当たり前になった不妊治療のサポート
- 福利厚生が優秀な人材を惹き付ける
- 企業が社員のキャリアやライフの充実を後押しする
- 会社は「働きがい」を提供する場所ではあるが、「生きがい」を奪うものであってはならない。
- テレワークの普及は社員に新たな「生きがい」を生み出す大きなキッカケになった。