Part1 時間を直視する
第3章 「時間がある」という前提を疑う
死へと向かっていく存在
ハイデガー風にいうなら「世界が世界化している4」という事実、つまり物事がそもそも存在することへの驚きを忘れている。何かが存在するという事実は、作家サラ・ベイクウェルのすばらしい言葉を借りるなら、「誰もがつねに爪先をぶつけているべき残酷な現実5」なのだ
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (pp.62-63). Kindle 版.
- 「今日が人生最後の日のつもりで過ごす」ではなく、実際に今この瞬間が人生最後であるかもしれない。未来が一瞬でも残されていると確信することはできない。
- 自分の有限性を直視して初めて、本当の意味で人生を生き始めることができる
⇒ ここまで自分の人生が常に終わりを意識出来るか。目を背けたくなりそう。
メニューから何かひとつしか選べないことは、けっして敗北なんかじゃない。決められた時間のなかで「あれ」ではなく「これ」をする、という前向きなコミットメントだ。自分にとって大事なことを、主体的に選びとる行為だ。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (p.73). Kindle 版.
第4章 可能性を狭めると自由になれる
タスクを上手に減らす3つの原則
- まず自分の取り分をとっておく
- 「進行中」の仕事を制限する
- 「進行中」の仕事を3つまで制限
- 優先度「中」を捨てる
完璧主義者は身動きできない
- 僕たちのつくるものはけっして完璧ではない。
- 肩の力を抜いて、まず始めてみたほうがいい。
選択肢は少ないほうがいい
- 人は後戻りできない状況に置かれたほうが、選択肢があるときよりも幸せになれるというデータがある。「これしかない」という状況のほうが満足度が高まる
ハーバード大学の社会心理学者ダニエル・ギルバートらは、数百人の被験者にポスターを選んでもらう実験をおこなった13。いくつかのアート柄のなかから、好きなポスターを選んで持ち帰ってもらう。参加者は2つのグループに分けられ、一方のグループには「1カ月以内に他のポスターと交換可能である」と伝えた。もう一方のグループには「これが最終決定であり、一度選んだポスターはけっして交換できない」と伝えた。その後の両者の満足度を調べたところ、後者のグループのほうがはるかにポスターを気に入っていることがわかった。もっといい選択ができるかもしれないという可能性を残されたグループよりも、後戻りできない選択をしたグループのほうが、自分の選択に満足できたというわけだ。
オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (Japanese Edition) (pp.91-92). Kindle 版.