2時間目 ブランディングデザインの考え方
ブランディングディレクション
「狭義のデザイン」と「広義のデザイン」
- 色や曲線など、外形的なフォルム、「かたち」を「狭義のデザイン」
- 「かたち」をつくるときの背景、それはどのような思想や哲学に基づいてつくるのかといった「広義のデザイン」
「か・かた・かたち」とディレクション
>- 「か」・・・本質論的段階(思考や原理、高層) - 「かた」・・・実態論的段階(理解や法則性、技術) - 「かたち」・・・現象論的段階(感覚や現象、形態)
- デザインの実践プロセスは、「か→かた→かたち」、認識プロセスは「かたち→かた→か」
経営者とデザイナーをつなぐ、「かた」のディレクション
本当のデザインとは、広義のデザイン「か」がディレクション「かた」を通して狭義のデザイン「かたち」へとなめらかにつながる具体化のプロセス全体のこと
ブランディングディレクションは経営をかたちにする
デザインを統合する難しさ
- 今デザインの分野は専門分野ごとに細かくジャンルが分かれている
- 誰に頼んだらいいかよくわかない、と同時に複数のデザイナーを「きちんとコントロールするのが難しい」
- これを解決するために行うのが「デザインディレクション」
ディレクションは制作スタッフを指揮すること
- 細分化されていたデザインをとりまとめる
- 一定の方向性をつくりだす
例えば、「カフェをつくる」となった場合、以下の下のイメージにする
ブランディングディレクションで経営の強みをデザインで形にしていき、その上でデザインディレクションで様々なデザインの統合を行い、ブランドとして差異化された「ある一定の方向性をつくり出す」
ブランディングデザインの3階層©という思考フレーム
コミュニケーションのデザイン
ロゴ、パッケージ、ウェブ、広告など。お客様がそのブランドに触れるときに、タッチポイントとなるデザインすべてになります。
コンテンツのデザイン
お客様がそのブランドに対して、期待する中身そのものです。
- コンテンツはブランドの中核、最も大事
マネジメントのデザイン
ここではCコンテンツを生み出す背景として考えてください。
コンテンツを世に送り出すための「つくり方」や「売り方」などビジネスの仕組み、すなわち経営戦略
大きくブランドを変えたい場合は、コミュニケーションやコンテンツのデザインよりもビジネスの仕組みを変えていくほうが、効果が出やすくなる
MCCの一貫性をデザインすることの重要性
- ブランドにおける「か(思考や原理、構想)」は経営そのもの、これを「かたち」にすることがブランディングデザイン
- ブランディングディレクションこそ、最も重要な仕事
- 横串のデザインディレクションには、あらゆる方向のデザインリテラシーの高さが求められ、縦串のブランディングディレクションでは、経営リテラシーとデザインリテラシーの療法を兼ね備えることが要求される
差異化の強さは持続性の長さ
- 強い差異化を要因をつくり出すのがMCCの縦串、つまりビジネスの一貫性に表れる
ブランディング差異化の強さは次のようになる
Mマネジメント > Cコンテンツ > Cコミュニケーション
正確には、「差異化の持続性の長さ」
- 本書の中で紹介されてたのは「COEDO」のMマネジメントの強さやamazonなど
伝言ゲームを早くするCコミュニケーションのデザイン
Cコミュニケーション > Cコンテンツ > Mマネジメント
- コミュニケーションのデザインをしっかり行うと、世の中への伝播スピードが圧倒的にあがる
グラフィックだけでなくプロダクトや空間までトータルにブランドのデザインを行うと、見て、触って、聞いてと五感をフル活用する「感じる伝言ゲーム」を行うことができる
「い・ろ・は・す」のCコミュニケーションの強さ
- Mマネジメントレベルの差異化ではエコの訴求、ペットボトルをエコボトルに
- Cコミュニケーションの「キャップの色」のデザイン、広告も水の入っていないエコボトルをぎゅっと絞って、そこに緑の葉っぱを一輪挿しのように生けている
ブランディングにおける経営者とデザイナーの関係
- 分業という縦割りの組織構造がブランドとしてMCCの連携を阻害する
- ブランディングデザイナーは上記図の下のような働き方をする