最強Appleフレームワーク 松村太郎 (著), 德本昌大 (著) 読書メモ Part.6
第5章 組織を加速させるフレームワーク
「パーパス」を示し、気候変動対策を「KGI」と「KPI」で着実に前進させる
「パーパス」のある企業は、組織、顧客、そして社会をまとめる
パーパスとは文字通り、企業の目的を示します。多くの企業が将来のある時点におけるあるべき姿を「ビジョン」と示しますが、パーパスは更にその先にある、企業が存在している理由を示す上位概念といえます。
「その企業が社会に対して、どのような貢献を果たす存在なのか。その企業に対してなぜ協力し、なぜ支持し、何を期待するのか」という根本的な問いへの答え。そし社員やパートナーだけでなく、製品やサービスの顧客を含む、企業に関わるあらゆる人々にとって共有される絶対に裏切れない約束のようなもの
ティム・クックCEOの現在のアップルのパーパスは、「より環境にやさしく公平や経済環境を築き上げる、全く新しい産業界の創出」
- これはアップルが社内の努力だけでは実現できない
社会全体が環境負荷を限りなく低下させなければ達成できず、顧客にも環境負荷が少ないテクノロジービジネスこそ価値があり、持続していくべきたという考え方を広がらなければならない
社会全体を巻き込む壮大な変革目標を、シンギュラリティ大学の創立エグゼクティブ・ディレクターのサリム・イスマイルは、「Massive Transformative Purpose(MTP)」と呼ぶ
- アップルはMTPを「環境にやさしい経済への転換」を掲げた
2013年、女性役員から始まった「グリーンアップル計画」
なぜ、アップルはコストをかけて環境問題、気候変動に対処をするのか
- わかりやすいのは、iPhoneにまつわる資源問題
企業活動で、地球環境は守れるのか?
- 「ESG」という言葉も普及し、企業が長期的に成長していくために必要な要素として考えられている
- 社会に良い影響を与える壮大な目標を設定し、その実現に向けて全社員が一丸となって取り組むことが大切
- MTPに具体的なKGIとKPIを組み込むことで、目標の実現に向けて道のりを示すことができる
「KGI」と「KPI」を設定して、目標達成へと近づく

「KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)」は、企業の業績の結果に相当する「売上高」、「成約数」、「利益率」などを指します。そのビジネス活動における「最終目標」
「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」は、最終目標に対する中間目標
一つの大きな目標が構成されている場合、目標を区切りながら進捗管理や達成をしなければ、効率的な配置や分担を行うことが難しくなるのです。
2030年のカーボンフットプリント実質ゼロをKGIに掲げ、KPIを設定する
- アップルの事業をカーボンフリー化したうえで「Apple 2030」というKGI

「集合天才」とリーダーシップ
秘密主義のアップルで唯一未来を語るプロジェクト
役員へのインタビューでも公式コメントは「アップルは未来の製品に関してのコメントはしない」
そうした中で、未来の目標としている「Apple 2030」というKGIは「世界中の企業にアップルの取り組みを知ってもらいたいし、できることなら真似してほしい」とリサ・ジャクソンは喧伝している
「私のところに、世界中からアイデアが集まってくる」
- 世界中の社員から、地球環境がより良くなるようなアイデアが書かれたメールが届く
この現象が起きている理由は、「Apple 2030の実現」というビジョンに向けて、強い共同体意識をつくり出すことに成功している
共同体意識の3つの構成要素
ゴール
アップルが「自分たちが生まれたときより、良い環境を子孫に残す」という目的のために存在しているという目的を共有している
ルール
アイデアを購躇なくシェアし、対立する問題やジレンマを解決することによって、ゴールに近づくというルールの設定
シェア
ゴールとルールについて、アップルの誰もが共感し、そうあるべきだと納得してシェアいる価値観
イノベーションを繰り返し起こす、「集合天才」とは?
- 組織を飛躍的に成長させるビジネスフレームワーク「集合天才」
単に優秀な人を集めるだけでなく、個々の才能と蓄積された情報が有機的に結びつくことによって、集合天才としてイノベーションを起こす組織へと進化する。
- 集合天才の組織におけるイノベーションは「創造的対立」が不可欠
- ただ単に対立をするわけではなく、問題の解決イノベーションに結びつかない
- 異なるアイデア同士を結びつける意思決定やスピーディに取り組む、実現にむけて行動することも重要な要素
創造的対立から生まれた、強力な差別化価値
- アップルの近年のイノベーション、「アップルシリコン」
- それまではインテル製のチップの採用をやめ、自社で設計、製造したアップルシリコンを採用
- 「消費電力を少なくしたい」と「より高い性能の実現」というPCの常識ではあり得ない、創造的対立が存在していた
- アップルシリコンはそれを実現し、登場から4年経った今も、その性能と省電力性のバランスから個人向けコンピュータカテゴリにおいて、他者の追随を許していない
「心理的安全性」がある組織によるイノベーション
「心理的安全性」がある組織
何でも言い合える環境がチームと人材を成長させる理由
- メンバーはたとえネガティブな内容であっても、「自分の貢献がチームにとって重要であると感じ、発言はチームのためになる」と考えるようになる
- メンバー同士のミスの指摘や申告は、「なぜミスが起きたのか」「ミスが起きないようにするにはどうしたらよいのか」という検証のきっかけになる
- メンバー同士の情報共有、学びを得ていくことができる、チームそのものが継続的な学習と改善のある組織へと進化する
心理的安全性の高い組織は、単にメンバーにとって居心地のよい場所、と言うわけではありません。また、優しく接することもまた、心理的安全性とは異なる気配りです。
「自分が組織に貢献している」という共通の認識を持ち、より高いゴールを目指して行動をおこしていく、そんな学びの多い環境こそが、心理的安全性の高い、成長する組織
MTPのある組織は、目標を実現するために社員やパートナーのちからを引き出す仕組みを作っている
