イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 安宅和人 (著) 【読書メモ】Part.2
Chapter 1 イシュードリブン「解く」前に「見極める」
イシューを見極める
色々な検討をはじめるのではなく、いきなり「イシュー(の見極め)からはじめる」ことが極意だ。
何に答えを出す必要があるのか → そのためには何を明らかにする必要があるのかという流れで分析を設計する
「これは何に答えを出すためのものなのか」とイシューを明確にしてから問題に取り組む
- プロジェクトの途中でも立ち返れる場所を作っておく
相談する相手をもつ
仕事や研究の経験が浅い段階では、このイシューの見極めを1人でやることはお勧めできない
- 一般のビジネスパーソンは「この人は」という人を論文・記事・書籍、あるいはブログなど見つけたら思い切って面会や相談を申し込む
仮説を立てる
「スタンスをとる」ことが肝要
- 1.イシューに答えを出す
- 2.必要な情報・分析すべきことがわかる
- 3.分析結果の解釈が明確になる
何はともあれ「言葉」にする
- 「これがイシューかな?」「ここが見極めどころかな?」と思ったら、すぐにそれを言葉にして表現する
イシューと仮説は紙や電子ファイルに言葉として表現することを徹底する
言葉で表現するときのポイント
- 「主語」と「動詞」を入れる
言葉はシンプルであるほどよい。「主語と動詞を含む文章で表現する」- 「Why」より「Where」「What」「How」
よいイシューの表現は、「~はなぜか?」という、いわゆる「WHY」ではなく、「WHERE」「WHAT」「HOW」のいずれかのかたちをとることが多い。
- 「WHERE」…「どちらか?」「どこを目指すべきか?」
- 「WHAT」·「何を行うべきか?」「何を避けるべきか?」
- 「HOW」•··••••・「どう行うべきか?」「どう進めるべきか?」
- 「WHY=〜はなぜか?」という表現には仮説がなく、何について白黒をはっきりさせようとしているのかが明確になっていない。「答えを出す」という視点で課題を整理すると、「WHERE」「WHAT」「HOW」のかたちになることが多いことは理解してもらえるだろう。
- 比較表現を入れる
よいイシューの3条件
- 1.本質的な選択肢である
- 2.深い仮説がある
- 3.答えを出せる

条件① 本質的な選択肢である
インパクトがあるイシューは、何らかの本質的な選択肢に関わっている。「右なのか左なのか」というその結論によって大きく意味合いが変わるものでなければイシューとは言えない。すなわち、「本質的な選択肢=カギとなる質問」なのだ。
- 本質的な選択肢を見極めるために「イシューの落とし穴」に注意する
なんちゃってイシュー
- 世の中で問題だと言われているもの、調べてみようと思うことの大多数が今は本当のところ答えを出す必要がないもの
イシューは動く標的
- イシュー、答えを出すべき問題は同じ事業、テーマを扱っていても、会社ごとに、部署ごとに、日ごとに、ミーティングごと、あるいは話している相手ごとに異なる
条件② 深い仮説がある
常識を否定する
- 一般的に信じられていることを並べて、その中で否定できるあるいは異なる視点で説明できるものがないか考える
- 直感に反したものを探す
- その分野に詳しい人にインタビューをする
「新しい構造」で説明する
- 構造的な理解は4つのパターンが存在する
- 共通性の発見
- 2つ以上のものに、何らかの共通なことが見える
- 関係性の発見
- 完全な全体像がわからなくとも、複数の現象間に関係があることがわかれば人は何か理解したと感じる
- グルーピングの発見
- 検討対象を何らかのグループに分ける方法を発見する
- ルールの発見
- 2つ以上のものに何らかの普遍的なしくみ・数量的な関係があることがわかると、人は理解したと感じる
条件③ 答えを出せる
「本質的な選択肢」であり、十分に「深い仮説がある」問題でありながら、よいイシューではない、というものが存在する。それは、明確な答えを出せない問題だ。そんなものがあるのか、と言われるかもしれないが、どのようにアプローチをしようとも既存のやり方・技術では答えを出すことはほぼ不可能という問題は多い。
本当に既存の手法、現在着手し得るアプローチで答えをだせるかどうかを見極める

イシュー見極めにおける理想は、誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手はつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「視覚的なイシュー」を発見すること
- 自分だけがもつ視点で答えを出せる可能性がないか、そういう気持ちを常に持っておくべき
イシュー特定のための情報収集
考えるための材料を入手する
- イシューを明確化し、肝となる検証をスピーディに進め、仮説を刷新してこそ、真に生産性の高い毎日が実現する
- 検証までの1サイクルは1週間から長くても10日程度、最初の仮説の材料を集める作業は2~3日程度で終える
コツ① 一次情報に触れる
- 誰のフィルターも通っていない情報
- 現場で何が起こっているのか見る
- 社内はともかく外部の専門家に直接話しを聞く
コツ② 基本情報をスキャンする
一次情報から得た感覚を持ちつつ、世の中の常識・基本的なことをある程度の固まりとしてダブりもモレもなく、そして素早くスキャンする(調べる)こと
ビジネスの事業環境を検討する場合

押さえどころとなるのは、「数字」「問題意識」「フレームワーク」の3つ
- 数字
- この数字を知らずして議論をしても仕方ないということを大局的に押さえる
- 問題意識
- 問題意識とは、歴史的背景を踏まえた分野・業界・事業の常識、そして課題領域にまつわる一般的な通念、これまでの検討の有無、内容とその結果など
- これらを知らないとその分野の人と会話が成り立たないことを一通りカバーする
- フレームワーク
- これまで課題がどのように整理されてきたか、とりまくものがどのように位置づけられるか
- 以下のようなものを活用して全体観をつかむ
- 総説・レビュー
- 雑誌・専門誌の特集記事
- アナリストレポート/アニュアルレポート
- テーマに関連する書籍
- 教科書的な書籍の該当ページ
コツ③ 集めすぎない・知り過ぎない
- 意図的にざっくりとやる。「やり過ぎない」
イシュー特定の5つのアプローチ
通常のやり方ではイシューが見つからない場合
一番簡単なのは一度頭を休めて、もう一度、ここまで述べてきた基本作業を繰り返すこと
- 再度一次情報に触れ、見識のある人と議論する
- 情報は十分、もしくは集めすぎてイシューを引き出すための知恵が足りないという場合は以下の5つのアプローチを活用する

Column 課題解決の2つの型
- 本書は知的生産の本であり、課題解決の本ではない。課題解決の視点で読む方が多かったため改訂版で2点補足
2つの課題解決の話
- 課題解決は大きく2つの型がある
- あるべき姿が明確な場合の課題解決 → あるべき姿とギャップとその原因をはっきりさせる(世の中の課題解決の8~9割)
- そもそもどういう姿が望ましいかを見極める場合がある課題解決 → ビジョン設定型(世の中の課題解決の1割)
その課題の設定の際に見極めるべき広がりの話
- 最初に整理しておくべき6つのポイント
- 基本課題
- 課題の背景
- *成功の要件
- 解の検討範囲
- 制約条件
- 意思決定者
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