Chapter 5 メッセージドリブン「伝えるもの」をまとめる
「本質的」「シンプル」を実現する
一気に仕上げる
- これまでの手法に沿って検討を進めていれば、解はかなりの質にまで到達している
- これを一気に仕上げ、完成品にする
- まとめ作業の前に、「どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか」という具体的なイメージを描く
- 聞き手、読み手、受け手に次のようになってもらう必要がある
- 意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
- 最終的なメッセージを理解してもらう
- メッセージに納得して、行動に移してもらう
ストーリーラインを磨き込む
3つの確認プロセス
ストーリーラインの構造を磨き込む。具体的には3つのプロセスがある。
1. 論理構造を確認する
2. 流れを磨く
3. エレベータテストに備える
プロセス①論理構造を確認する
- イシューとそれを支えるサブイシューが明確か
- 話の構造はピラミッド型になっているか
- ストーリーは「WHYの並べ立て」か「空・雨・傘」のどちらかをとっているか?
プロセス②流れを磨く
優れたプレゼンテーションとは、「混乱のなかからひとつの絵が浮かび上がってくる」ものではなく、「ひとつのテーマから次々とカギになるサブイシューが広がり、流れを見失うことなく思考が広がっていく」ものだ。
- 流れの磨き込みのためにリハーサルを行う、最初は「紙芝居形式の荒磨き」、次が「人を相手にした細かい仕上げ」
プロセス③エレベーターテストに備える
エレベータテストとは「仮にCEO(最高経営責任者)とエレベータに乗り合わせたとして、エレベータを降りるまでの時間で自分のプロジェクトの概要を簡潔に説明できるか」というものだ。時間にすれば20~30秒程度で複雑なプロジェクトの概要をまとめて伝える、
チャートを磨き込む
優れたチャートと磨き込みのコツ
- 優れたチャートを満たすべき条件というのは以下の3つに収斂する
1.イシューに沿ったメッセージがある
2.(サポート部分の)タテとヨコの広がりに意味がある
3.サポートがメッセージを支えている
- チャートを磨き込むために、満たすべき3条件に対応した次の3つの作業を行う
1.1チャート・1メッセージを徹底する
2. タテとヨコの比較軸を磨く
3. メッセージと分析表現を揃える
コツ①1チャート・1メッセージを徹底する
- 何をいうかとともに「何を言わないか」も大切
人がチャートを見て「わかる」「意味がある」と判断するまでの時間は、経験的に長くて15秒、多くの場合は10秒程度だ。僕はこれを「15秒ルール」と呼んでいるが、人はこの程度の時間で「その資料をきちんと見るかどうか」を判断している。つまり「最初のつかみ」が悪ければ、そのチャートは存在しなかったことと同じになってしまうのだ
コツ②タテとヨコの比較軸を磨く
- 軸の選択をフェアにする
- 軸の順序に意味をもたせる
- 軸を統合・合成する
- 軸の切り口を見直す
コツ③メッセージと分析表現を揃える
- 本当に今の表現が適切化、もっとも理解しやすいかたちを目指してさまざまな表現方法をためす
「コンプリートワーク」をしよう
すべての仕事は結果がすべてであり、この結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事はいかなる価値ももたず、多くの場合マイナスになる。この厳しさを骨の髄まで叩き込んでくれたという意味で、マッキンゼーには本当に感謝している。 「コンプリートワーク」をするためには命を削るような思いをするだろうが、命を削ることそれ自体には何の意味もない。その酷薄なまでの真実が、僕らを時間から解放し、本当の意味で自由にしてくれる。 「人からほめられること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。
- この価値を生み出す根っこにあるのが「イシューからはじめる」という思想であり、脱・犬の道