第1章 収益拡大を実現するRevOpsの価値
01コラボレーションを強化し収益成長を実現
RevOpsの4つの役割
- RevOpsの構成する役割
オペレーションマネジメント
- レベニューのプロセスを最適化し、効率的なリソース配分を通じて最大の成果を引き出します。KPIを設定し、定期的に評価・フィードバックを行い、パフォーマンスを管理・改善します。
レベニューイネーブルメント
RevTechマネジメント
データマネジメント・インサイト
- データを収集・整理し、定量・定性的に分析します。CROやフィールド組織に向けて、分析結果をレポートで共有し、データに基づく戦略的な意思決定を支援します。
02 共通の目標達成を目指すレベニュー組織間の連携強化
レベニュー組織と機能別組織
THE MODELの誤解
THE MODELとは、マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスといった各役割を分業する組織体制や中間指標の管理のことだ」という誤解が生じていた
責任範囲を明確化し役割を分けた分業型の組織モデルはレベニュー組織ではなく、ただの機能別組織
サイロ化された機能別部門の1つであるマーケティングや営業だけでは、持続的な成長を実現することは到底できないのです。
機能別組織による問題
- バラバラのゴールを見据えた活動
- 人は組織が分けられた時点で敵対意識や見えない壁を持ってしまう性質があり、それを加速させてしまうのが共通化されていないゴールの設定
オペレーションモデルの欠落による問題
- 共通のゴールに向けた指標を設けることは取り組みの第一歩
- しかし、オペレーションモデルが欠落しているとうまく共通のゴールを追いかけられない問題も発生
各レベニュー部門で売上をゴールに設定し、単純に逆算した指標で考えてしまうことも多いのではないでしょうか。
- 本来は、戦術(オペレーションモデル)の設計に時間をかけ、密に議論をしていく
- レベニュー組織それぞれの役割と責任の明確化、レベニュープロセスマネジメント、リード獲得から受注に至るまでのリードの受け渡しプロセスの設計、測定モデルの決定など
RevOpsが生み出す組織間の連携強化
レベニュー組織の第一歩は、オペレーションモデルを理解したうえで共通のゴールを意識した組織設計とする
ゴールは「売上目標」「売上総利益」[ 新規の受注金額」などの収益に寄与する指標をレベニュー組織全体で意識し、各部門がゴール達成のために目指すべき目標の数値を合意します。
一連の受注までのステップで行うリードの受け渡しプロセスは、環境の変化に柔軟に調整できるようフィードバックと改善を回していく
03 ファイナンスにも影響を与えるデータドリブンな戦略的意思決定プロセスの構築
サイロ化されたXOps組織
- RevOps組織が確立される前の欧米では、MOps、SalesOps、CSOpsがそれぞれ設置されていた
- 所属する各部門に忖度しているデータを提示していることがあおく、バイアスにかかったデータを正としての経営判断はできない
- 各部門の主張は正しく見えてもレベニュープロセス全体を通して見ると正しいかわからない
フィールド部門とは別にオペレーション機能を持つRevOpsがあることで、データを扱う側の意図や解釈に左右されず、経営判断にとって頼性が担保された価値あるデータになるのです。
RevOpsとファイナンスの関係
- RevOps組織はファイナンス部門とも関連
RevOpsは収益成長を促進し、ファイナンス部門はその結果として収益を管理 します
戦略的意思決定を支援するRevOps
RevOpsではデータそのものを単に提示するのではなく、データをどのように解釈しどのような仮説が立てられるのかを示すことが重要です。
04 シームレスかつ一貫性のある顧客体験の構築
進化する顧客の購買プロセス
- 顧客の購買行動は変化している中で、組織的に一貫性のある質の高い顧客体験の提供が求められる
分断された組織で起こる残念な顧客体験
- データが引き継がれないと対応部門が変わるたびに、自分の状況を説明しストレスを感じることがある
RevOpsの中心は顧客
RevOpsが担うレベニューイネーブルメントも、顧客を中心に設計すべき
05 データ・テクノロジーの一元管理による生産性向上
テクノロジーを導入しても生産性が上がらない理由
レベニュープロセスや組織を踏まえたテクロノジースタックのデザインになっておらず、現行の業務にそのまま当てはめる活用になってしまっている。
- 結果属人的な運用になり生産性向上に繋がらない
つながらないデータと労働集約型のインサイドセールス
MAとSFAを導入しているケースでも、MAはマーケティング部門、SFAは営業部門のそれぞれの管掌システムとして連携されていないのは典型的パターン
- 上記の場合はデータがエクセルやスプレッドシートなどを活用しながらテキストや主観的な情報でセグメントに有効活用出来るデータではない
- データを活用した優先順位を立てる営業ができないと、インサイドセールスの人員を増やし続けないと売上があげられない労働集客型の組織になってしまう
生産性向上のためのテクノロジー活用
自社の収益成長のために必要なものを組み合わせて活用できるか、標準的なオペレーションモデルと自社の独自性のバランスをとれるかが、激しい競争において優位性を確立するために不可欠な考え方です。
06 新しい技術への適用、AI活用の促進
AI機能を最大限活用するために
- グローバル企業のSaaS製品はAI機能は標準的な活用を想定してアップデートされていく
- 製品の設計思想を無視して活用すると恩恵を享受できない可能性がある
期待されるAI活用の分析
- レベニュー組織において期待されるAI活用の紹介
ブリディクティブAI (Predictive AI)
- 過去のデータを分析して将来のトレンドや結果を予測するAI。レベニュー組織では、マーケティング投資の目標設定、売上予測、顧客の解約リスク予測などに使われます。
生成AI (Generative AI)
- コンテンツ生成や業務の効率化を目的としたAI。レベニュー組織では、マーケティングコンテンツや営業メールの自動作成、顧客ミーティングの要約やアクションアイテムの提示などに活用されます。
コンバセーショナルAI (Conversational AI)
- 顧客対応の拡大を支援するAI。使用例には、Web上でのチャットボット、顧客問い合わせの初期対応、バーチャルエージェントによる問い合わせ処理などが含まれます。
ディスクリプティブAI (Descriptive AI)
- 構造化されていないデータから示唆を引き出すAI。マーケティングキャンペーンの分析や顧客感情の分析、カスタマーサポートの緊急度判断などで役立ちます。
プリスクリプティブAI (Prescriptive AI)
- 最適な行動やレコメンデーションを提供するAI。リードのセグメンテーション、顧客体験のパーソナライズ、営業活動での受注率向上などのアクションを推奨します。
エクスプレイナブルAI (Explainable AI)
- AIの結果や意思決定の根拠を説明できるAI。データの透明性や個人情報の扱いについて説明可能にし、特にセンシティブな業界で重要視されます。
いずれもデータの健全性があって初めて有効活用できるもの