第18章 たどり着いた答えはマーケティング・オーケストレーション
マーケティング・オーケストレーションは経営戦略
- マーケティングは戦略であり思想であり企業文化
- マーケティングを企業の中心に柱として据え直し、全社最適の「マーケティング・オーケストレーション」を取り組むことが日本企業が今やるべきこと
マーケティング・オーケストレーションの定義
ビジネスのアイデアを、市場が最も価値を感じる形で製品・サービス化し、あらゆるリソース・ナレッジ・データ・テクノロジーを組み合わせ、全体最適で調和させながら顧客を創造し、維持・拡大する経営戦略
P.455 引用
CEOは作曲家、編曲と指揮はCMO
プラットフォーム戦略はマーケティング・オーケストレーションだから展開できる
- どんなに優れた製品やデバイスを作ってもプラットフォーム戦略には歯が立たない
- それが精緻に設計されたプラットフォーム戦略ならあっという間に市場を奪われてしまう
- 例としては、ノキアとApple
- ものづくり分野で、ダッソー・システムズとシーメンス、BASF、オートデスクのCADシステムからプラットフォームの戦いへ
- トータルプラットフォーム戦略はマーケティングそのもの
終章 オーケストレーションで未来を切り開け
「天城ホームステッド」に見る日本IBMのオーケストレーション
- 日本市場で大成功した事例
- IBMは「日本の大手企業のメインフレーム市場を獲得する」という経営戦略を実現するためのマーケティング戦略
- 「天城ホームステッド」にて、エグゼクティブ研修センターを開設し、業界ごとの経営幹部を集めて宿泊研修を行い、参加者は近未来のIT投資、情報システムという組織の構築やその位置づけを、当日の一流講師から学んだ
- IBMはここで、コンピューターやメインフレームの商談はせず、顧客と語り合ったのは世界経済、経営戦略、近未来の組織であり、世界の先進企業の組織や戦略。
- コンピューターの話をしなくても、そこに至るためにはIT投資が不可欠なことは自明
参加者はこの体験を通して、コンピューターメーカーではなく"未来への水先案内品としてIBMの存在"を再認識
IBMの凄さは「顧客が何を買っているのか」を深く理解している点
コンピューターではなく、コンピューターの活用によっって、得られる成果であることを深く理解
「機械は作業をしなければならない、人間は考えなければならない」IBMはこの「標語」を具体的に戦術に落とし込んだのが「天城ホームステッド」