第3章 効果的なサーベイ・フィードバックのプロセス:前編〜サーベイの実施と職場の見える化〜
サーベイ・FBの第1フェイズ:サーベイの実施と「見える化」
氷山モデルで理解する「コンテントとプロセス」
- 前段の「見える化」とはチームや組織の課題の本質を「目に見える形」にする。
- その際に用いられるのが「氷山モデル」。その中で「コンテント」と「プロセス」の2つの専門用語が使われる。
- コンテントとは 、目に見えているもの。
- プロセスとは目に見えないもの。
本当に大切なものは「どこにある」のか?
たいせつなことは、目に見えないんだ
What is essential is invisible to the eye.
サン=テグジュペリ 小説「星の王子様」
サーベイ・フィードバックとは「目に見えないものとの対峙」
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1.組織にフィットしたサーベイを選ぶ
2.相手本位の立場で、データの室にこだわる
3.回答を求めるときに、データの取得の目的を伝える
4.タイムリーに見える化する
5.サーベイ慣れに注意する
あなたの組織にフィットする「サーベイの選び方」
サーベイの種類と特徴を把握しよう
「サーベイ」とは「メッセージ」。どのようなサーベイを選ぶか、質問項目をそこに込めるかで組織においての何が「重要」か従業員に伝えている。
サーベイには「会社独自に作成」と「市販されている」の2種類に分かれる。
相手本位の立場で、データの質にこだわれ!
サーベイの質を左右する「7つの視点」
- サーベイを選択するときは「相手本位で考える」
1.組織に「関係があるデータ」を含むサーベイを選ぶ(Relevant)
2.理解できる分析結果を返すサーベイにする(Understandable)
3.イメージしやすい質問項目が並んだサーベイにする(Summarized)
4.要点がまとまっているサーベイ(Summarized)
5.信頼できるサーベイとする(Verifiable)
6.短くシンプルなサーベイにする(Short and Simple)
7.比較群のあるサーベイにする(Comparative)
1.組織に「関係があるデータ」を含むサーベイを選ぶ(Relevant)
自分が答えることで、今いる職場や仕事が改善すると思えるような質問項目を選ぶ。
2.理解できる分析結果を返すサーベイにする(Understandable)
サーベイの内容を相手本位で考え、「いかにわかりやすく見えるか」
3.イメージしやすい質問項目が並んだサーベイにする(Summarized)
質問項目は、それを読んだ人が「具体的な行動」を想起しやすい項目にし、 フィードバックを行ったときに、行動を変えやすくする。
4.要点がまとまっているサーベイ(Summarized)
データが多すぎるとサーベイへの拒否反応が高まる。そのため要点を絞る。
5.信頼できるサーベイとする(Verifiable)
調査結果が信頼できるか、「現場に返すデータにミスがないかどうか」は細心の注意が必要
6.短くシンプルなサーベイにする(Short and Simple)
具体的な目安は「10分〜20分以内」(パルス・サーベイの場合、10問以内が望ましい)
7.比較群のあるサーベイにする(Comparative)
組織の良し悪しは、他との「差異」によって認識される。
あなたはデータを取得する「目的」を伝えていますか?
サーベイを「突然の御触書」にしないための方法
上記のようにならないために、サーベイを行う目的・理由・必要性の説明責任をしっかり果たす。
1.なぜ、何の目的で、サーベイを実施するのか?
2.なぜ、今、サーベイを行うか?
3.サーベイには、どのような負荷が生じるのか?
4.サーベイをやった先に、どんなメリットがあるのか?
5.サーベイで取得したデータは、どのように用いられるのか?
データはタイムリーにフィードバックせよ!
フィードバックの原則は「なるべく早く」
- データ収集後は、ただちに集計・分析し、すぐにフィードバックをする
データの効果が半減する「サーベイ慣れ」に要注意!
長く効率的にサーベイを行うために
「サーベイ慣れ」とは、社員や職場メンバーが何度もサーベイを行ううちに、同じ質問項目への回答に過剰適応してしまい、正確な測定が行えなくなっってしまうこと
防ぐためには、調査をする目的やメリットを、毎回初回ぐらいのつもりで説明すること
マネジャーが次の3つの観点からサーベイをやる「目的」や「意義」を伝える。
1.「Why now?(なぜ今なのか?)」
2.「Why do?(なぜやるのか?)」
3.「Why us? (なぜ私たちなのか?)」