第4章 効果的なサーベイ・フィードバックのプロセス:後編〜フィードバックミーティングの実施〜
サーベイ・FBの第2フェイズ:フィードバック・ミーティングの実施
「ガチ対話」‥見える化した組織的課題に、チーム・関係者全員で向き合い、その問題の解決・解消を目指して話し合う
「未来づくり」‥これから自分たちの組織・チームをどうしていくのか「未来」を当事者たちが「自分ごと」として決め、アクションプランをつくる
サーベイ・フィードバックの主催者・主導者の4つパターン
本部の経営企画や人事、組織開発舞台
事業部の部門人事(営業企画や営業推進部)
意識の高いマネジャー
外部のコンサルタント会社
ほとんどのケースで、「現場マネジャー」がファシリテーターを努める。
フィードバックミーティングの6つのステップ
目的説明
- 職場やチームのステークホルダーを同じタイミングで1つのテーブルにつかせる。
- 誰にフィードバックするかとは重要。誰と語るかがクリティカル
- やり書かたとしては、定例ミーティングの一部を割いて、フィードバック・ミーティングを行う。
フィードバック・ミーティングが効果を発揮するには以下の条件が必要
- 同じ目標を共有している
- 日常的にやり取りがある
- 仕事に相互依存関係がある これらを満たせる人数は5〜10人程度
人数が多い場合の2つの方法
- 複数回に分けて行う
- ワーキンググループをつくって段階的に行う
目的説明の流れ
- ねぎらいと感謝
- 目的の説明
- スケジュールの説明
- 各人へのメリットの説明
- ねぎらいと感謝(再)
グランドルールの提示
会議の前に確認し、全員が守るべきルール(例)
- 積極的に聴く
- いったん受容する
- 批判現金
- わからないことは質問する
- 肩書厳禁
- 時間厳守
- 悪者探しをしない
- 発言はここに置いておく
日本における心理的安全性の誤解
「チームが全員ゆったり働ける環境をつくること」
「成果ばかりを追い求めない環境をつくること」
「できるだけ仲良くすること」
ではない
チームのメンバーがリスクを取った発言や言動をしても対人関係上の亀裂が生じない
データの提示
シンプルに、かつ焦点を絞って提示する
具体的な手法の前にデータの提示とは「心理戦」である
サーベイ・フィードバックをうけるメンバーは次のような感情を抱く。
- 不安
- 恐れ
- 自己防衛
- 希望
やりがちなミス
フィードバックシートに書いてあることを、何の工夫もせずにそのまま全部読んでしまうこと
大切なことは以下の4つ
- フォーカスをあてて、ストーリーづくりをする
- ベンチマークをつくる
- 自己を呈示する
- データをけなして人事させる
データに対する解釈
データを見て心に湧いた「感情」を共有する
データが、それぞれのメンバーにとってはどのように「見える」のか?
データを通じて、職場にはどのような課題があるように「感じている」のか?
メンバーから意見を出しやすくする工夫
- シンキングタイムをつくり、紙に意見を書いてもらう
- 付箋紙を同時に題して、そのまま読ませる
- キーマンを最後にしゃべらせる
「未来」に向けた話し合い
現在地を踏まえたうえで、「理想の未来」を話し合う
- 顕在化してきた、データの解釈の違いをいったん受け止めたうえで、
- 自分たちの職場やチームが、近い将来、何をめざして、どのようにあればいいのかを、前向きに話し合うこと
対話とは
お互いの「違い」をいったん受け入れ
そのうえで
その「違い」を乗り越えて、お互いの「未来」をさぐること
性急にことを進めない
アクションプランづくり
現場の未来に向けて、「明日からできること」は何か?
アクションプランとは、「自分ごと」「行為」「翌週月曜から実行できる目標をつくること」
アクションプラン「具体的な行動」をつくる5つのポイント
- 全員がかかわるアクションプランをつくる
- アーリーウィンを目指す。中長期的なステップを決める
- 悪者探しをしない
- アクションプランはフォローこそ重要
- 最後はねぎらいで終える
サーベイ・フィードバックは「定期健康診断」である
組織レベルのリフレクション(内省)なのではないか