プロローグ
グーグル、アマゾン、ネットフリックス…。世界企業が「行動経済学チーム」を設けている
アメリカの求人で高まる「行動経済学"熱"」
- グーグル検索"Behavioral Economics job(行動経済学 仕事)"と検索。2012年と2022年で比較すると、この10年で1147倍
- 2012年 ⇒2万38000件
- 2022年 ⇒2730万件
ハーバード、ペンシルベニア、カーネギー…。「行動経済学部」が次々新設
- ハーバード、イェール、ペンシルベニア、コーネル、コロンビア、シカゴ、カーネギーメロン、スタンフォードなどで、行動経済学を学べるようになった。
- 社会に出てキャリアを積んでから大学に戻り、行動経済学を学ぶ人達が多い。
なぜ行動経済学が「最強の学問」なのか?
「経済(活動)」とは「人間の行動」の積み重ねであり、「人間の行動」を理解することこそキモになるからです。
人間の行動のメカニズム、「なぜ人はそう行動するのか?」が「実験で証明された人間のセオリー」として、理論化したのが「行動経済学」
ビジネスの中心は「人間の行動を変えること」
「主要理論」を初めて体系化した入門書
- これまでは理論どうしのつながりがなく、断片的な丸暗記するしかなく、本質がつかめなかった。
本書の「行動経済学」の学び方
序章 本書といわゆる「行動経済学入門」の違い
そもそも行動経済学は「なぜ生まれた」のか?
人間とは「非合理な行動(意思決定)」ばかりしてしまう生き物 - これを理解するのが、行動経済学
「経済学」と「心理学」の素晴らしき結婚
- 「経済学」と「心理学」の融合した学問が「行動経済学」
- 「経済学」とは「経済活動における『人間の行動』を解明する学問」
- 経済学は人が常に「合理的に行動する」としているため、「人は非合理な生き物である」という大前提が欠けていた。
- 結果、経済学に足りなかった「心理面」を加える必要があり、「心理学」を融合して、「行動経済学」が生まれた。
行動経済学が花開いたいくつかの事例
- アメリカの年金⇒ 明日のために積み立てようSave More Tomorrowプラン」、「スマート(SMarT)プラン」
- イナーシャ(Inertia)惰性
- 損失回避
- 現在志向バイアス
- オバマ大統領の再選
- ナッジ
- ネットフリックスの「第2話」自動再生
- スタバのポイント制度"スター"に隠れた「目標勾配効果」
「従来の行動経済学」は体系化されていない
従来の行動経済学はカテゴリーわけがされておらず、理論の羅列したもの。
新しい学問であるがゆえに体系化されていない
行動経済学を「初めて整理・体系化」した入門書
P.69図表6引用
- 人間の行動 = 「意思決定の連鎖」
- なぜ人はそのように行動するのかがわかる。行動の一歩手前の意思決定の原理を明らかにする
人が非合理な意思決定をする3つの要因
認知のクセ
認知のクセは「人の脳が、インプットした情報をどう処理するか」、つまり「脳の情報の処理の仕方」
状況
「認知のクセ」は人間の「脳の中」で起こっていることでした。〜中略〜しかし人間が非合理な判断をしてしまう要因は「脳の外」にもあります。人間の判断は周りの「状況」の影響を強く受けるのです。
- 伝統的な経済学は「人間はどんな状況にも左右されず、常に合理的な意思決定をする」という前提、しかし行動経済学はそれを覆した。
私たちは「自分で主体的に判断しているのではなく、周りの状況に判断させられている。
感情
この2つに加えて、人間の「非合理な意思決定」に影響を与えるのが、最後の要因である「感情」です。