第3章 生産性を高める仕事のルール
- これまで日本で行われてきた生産性向上の取り組みは主に業務手順の見直しによる人員・経費・時間の削減といった業務の効率化
- それらは生産性(=アウトプット÷インプット)の分母を最小化させようとする「量的マネジメント」
効率化による生産性の向上には限界がある
本章では、個人とチームの生産性を「質的マネジメント」の観点から高めていくための方法を紹介
ルール12 「いた方がいいから」で部下を会議に参加させない
「あった方がいい」は正しい選択とは限らない
- 「あった方がいい」で部下の時間を奪っていないかと、時々自問をしてみることが必要
ルール13 「質」とは完成度ではなくニーズへの合致性である
- いくら立派でも使えなければ価値はなく、多少の問題はあっても使えるものの方がはるかに価値がある
- 部下がニーズを把握しているかどうかは次の質問でわかる。「その件で、最も大切なことはなに?」
ルール14 仮説・検証のループで早く正解にたどり着く
「とにかくやってみる」だけでは熱意のカラ回り
- 考えている暇があったら「やったらわかる」と行動することが大切
- ただし、いち早く正解にたどり着いて成果を出し始める人と、なかなか成果を出せない人、出せても時間がかかる人がいます
- このような差は「やってみる」の質が違う
- 仮説・検証のループで仕事をしているかどうか
- やってみることは大切なプロセスだが、部下の「やってみます」に対して「どのような仮説を立てているの?」というひと声をかけるだけで、仮説・検証の内在する質の高い試行錯誤のサイクルになる
ルール15 評価する人ではなく自問する人になる
アイデアを生み出す人の思考習慣
- 仕事の中に発見や気づきを起こすためには、普段から情報に対してどのような姿勢で接しているかが大事
- 「評価者」か「学習者」なのか
「使えるか、使えないか」という評価者の発想
評価者とは
- 人の話を聞いたり、本を読んだときに、その内容が「使えるか、使えないか」と考えるのは「評価者」の思考
- 評価者の発想は生産性の高い学習法とは言えない
学習者とは
- 学習者はどのような情報に対しても、そこに内在している本質的な意味や根底にある真理を抽出し、それを自分に適用できる形に変換しようとする
- 常に何か学べることはないかと自問する
- 管理職はつねに「学習者」としての姿勢で仕事をする
- そして、部下に対しても「どうすれば使えるようになるだろうか?」と問いかける
アイデアを生む「抽象化と具体化」
ルール16 「当たり前」の水準を高めて涼しい顔で仕事をする
無能な人ほど「忙しい」「難しい」「大変だ」とアピールする
- チームの当たり前を高めるためには、上司は「忙しい」「難しい」「大変だ」という3つの言葉を決して口にしない
- どんな状況も当たり前の水準として仕事をこなす
ルール17 情報の共有で劇的に生産性を高める
「車輪の再発明」という無駄を多発させていないか
- いちから調べたことを、実は隣の人がすでに調べていた、苦労してつくった資料が、実はすでにチーム内にあったということを無くす
- 普段からメンバー間で教え合うチーム文化であれば、生産性は大きく高まる
アウトプットの付加価値を高める
- 部下の面倒くさいという圧力に負けず、必要な情報を共有化されているかどうかがチームの生産性を大きく左右する