## 第2章 スピード感を生む仕事のルール
「質の高い仕事を迅速に、というのはわかるが、両者がトレードオフになっているから難しいのだ」という声をあちこちで聞くのです。しかし、その発想は古い時代の遺物となりつつあります。というのも、スピードこそが質を高める要因だからです。
ビジネスのアウトプットの価値は、最終的な「スピード×質」の大きさ
- 最初のアウトプットを出し、即座に相手のFBを受けること。
ルール6 どんな仕事でも、すぐに「ちょっとだけ」やってみる
爆速で仕事を進める人の必殺技
複数の仕事を抱えているとき、今の仕事がひと段落してからと新しい依頼を横におくのはNG
どんなに忙しくても、新しく来た仕事を「ちょっとだけやってみる」
ちょっとだけやってみることの理由
- ①難易度を把握する
- ②内容を正確に理解する
- ③できる準備を進める
- ④受信感度が高まる
ルール7 会議の「オーナーシップ」を発揮する
- オーナーは会議の冒頭でゴール宣言をして、自ら進行をする
- 議論を打ち切り結論を出す
- 多数決で決めるは絶対NG
- チームの意思決定に関する管理職の役割は「自分で決める」か「決める人をきめる」のどちらか
ルール8 会議の参加者自身に次のアクションを宣言させる
本人が自分の言葉で行動を宣言する
- 誰が、いつまでに、何を、どのようにやるかを本人が宣言する
- 参加メンバーに主体的に案件に関わって欲しい
- 全員の前で話すことで、自分勝手な解釈と曖昧さをなくすため
ルール9 「即断・即返信」で常に相手側に仕事を渡しておく
基本は「保留メール・ゼロ運動」
- こまめなメールチェックは集中力を低下させ、仕事のペースを乱してしまうという主張もあるが、自己完結する仕事をしている人に当てはまる
- 管理職が考えるべきは自分のペースではなく、チーム・メンバーのしごとのペースを落とさないこと
「受信トレイを眺めながら、どのメールから返信しようか悩んでいたりしないか。(中略)(そんなことを)考えるのは完全な時間のムダだ」
エリック・シュミット氏
相手の時間を大切にするからこそ待たせない
- できるだけ早く返信するという行動の根底には、相手の時間を無駄にしないという気持ちがある
ルール10 報告書は事前に半分書いてしまう
「空欄効果」で論点整理を行う
- 文書としての報告書作成は面倒な仕事
- 報告書は仕事のスピードを上げ、生産性を高められるためのツールとして効果的に活用することができる
- 打ち合わせなども事前に、なんの案件なのか、背景は何か、議論のポイントや現時点でわかっていること、関連する情報など事前にかけることを書いておく
「空欄効果」で論点を明確にする
- 事前にわかっていること、自分の考えを文字にすることで、何を目的にして、何を期待して、何を手にしようとしているか、どのような方針で臨むのかがクリアになる
- イベント⇒報告書といった順番で、報告書はあとで書くものという思いこみを捨て、「報告書(1/2)⇒イベント ⇒ 報告書(1/2)」と順番を変えるだけで仕事の質が高まり、準備にかけた時間以上の効果が得られる
ルール 11 やり方ではなく考え方を伝える
- A4一枚ルールというやり方を伝えると、A3で資料を作成して、A4に縮小コピーをするということが起こる
- A4一枚ルールの背景にある、「要点を端的に整理することによって短時間で伝えたいことを伝える」こちらを伝える。
「考え方」を伝えて「やり方」は任せる
一般的なルールに関して重要なことは「やり方」を指示することではなく「考え方」を正しく伝えること
当たり前のルールを見直しを
- 社内ルールには、いつのまにか背後にあった「考え方」から離れて独り歩きし、無駄な作業を増やしたりスピード感を低下させているものがある
- すでにあるルールや新たなルールに対して、次のような視点で見直してみる
- そのルールの背後にある本来の考え方は何か?
- ルールの厳格な適用によって弊害が出ていないか?
- 本来の考え方から外れずにルールを弾力的に運用できないか?
- 本来の考え方を徹底することでルールを廃止することはできないか?