第1章 できる人ほど仕事の初速にこだわる理由
追い込まれないと仕事を始めない「メカニズム」を知る
- 明確な期限が設定されていると人間には二つの心理的なバイアス(偏り)が働く
バイアス1 締め切り直前になると一気に集中力が高まる「締め切り効果」
- 締め切りに直前になると一気に集中力が高まり、猛スピードで作業できるという心理現象が「締め切り効果」
- これを一度でも経験すると、「まだ大丈夫だな」と時間を逆算する習慣が生まれる
バイアス2 期限ギリギリまで仕事を膨張させてしまう「パーキンソンの法則」
英国の歴史政治学者パーキンソンが提唱した「仕事の量は与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」という心理作用
時間があれば、あるだけ使おうと考えてしまう
「成果を出す人」と「成果を出し続ける人」の違い
- 締め切り間際に気合と根性で猛スパートを掛け、思った以上に仕事が上手くいったという成功体験は、誰もがある
- しかし、上記の喜びは長続きしない
気力と体力を使い果たした状態では、どうしても次のタスクの初動が遅くなってしまう
成果を出し続ける人は、与えられた締め切りの少し前に独自の期限を設定し、リミット前にタスクを終えている
アウトプットが評価基準の現代のビジネスでは成果を継続的にだす「継続性」が大事
初速を上げて「PDCA」を高速で循環させる
常に成果を出している人は、精度「70%」くらいで「P」をスタートさせ、制限時間内にPDCAを2~3サイクルは回すことを想定している
検証と改善の回数を圧倒的に増やす
- 成果を出し続ける人は、「数多くの修正点を見つけだすために、初速を早くしている」
コト消費の時代は、「拙速」がプラス要素になる
古代中国の軍事思想家・孫武が著したとされる兵法書『孫子』には、「環境の変化にいかに応じていくかが、一番の戦力である」と記されています。
- 今も昔も「早く動き」→「早く修正する」ことが戦いを制する
- 過去のモノ消費に変わって、現代は体験などの精神的な満足感に価値を置く「コト消費」の時代に変わっている
- これまでに蓄積してきたビジネスの「ノウハウ」が通用せず 、誰にも正解の出し方がわからない難しい局面に直面している
「早い失敗」→「早い成功」というアプローチが主流
- 価値観の多様化が進んだ現代のビジネスでは、「成功or失敗」の二者択一ではなく、失敗の積み重ねの先に成功があると考え行動する
- 仕事のできる人は最初から成功を目指さない
- 「P」ばかりが大きくなって、動きが鈍化してしまう
- 成功は最初から目指すものではなく、最後に引き寄せればいい
やる気に左右されず、仕事を始めるための仕組みを作る
- 成果を出し続ける人は、締め切り効果や「やる気」に他良さ図、素早く行動を始めるための仕組みを作っている
- 「時間」と「やる気」という二つのアプローチから継続的に成果を出す「仕組みづくり」をしている
時間 | 独自の締め切りを設定して「パーキンソンの法則」を上手に活用する
- 与えられた締め切りの少し前に独自の締め切りを設定する
やる気 | モチベーションに頼らない「ルーティン」を持つ
- やる気があろうとなからおうと、やる気に頼らずに仕事を進めるためのルーティン(行動習慣)を作っているからです
「モチベーション」は大きく三つに分けれられる
- 「やる気」とは、行動を起こす前の段階で、自分の欲求を満たしたいと思う瞬間的な感覚
- 「モチベーション」とは、行動を起こしてから継続的に自分の欲求を満たそうする気持ち
- モチベーションとは、「やる気」の延長線上に存在する
- モチベーションは大きく三つに分類できる
- 自分がどのタイプかによって、モチベーションの高め方や対処法がわかる
分類1 | 仕事を始める前からやる気満々の「前モチ」
仕事に対する意欲に溢れて、作業を始める前からモチベーションが高いのが「前モチ」です
分類2 |「目標設定」によって、モチベーションが高まる「差モチ」
自分の目標とか理想に向かって、現実とのギャップを埋めるために動くのが「差モチ」です。
分類3 | 「作業興奮」でモチベーションが高まる「後モチ」
いざ仕事に手をつけたら**「作業興奮」によってモチベーションが高まってくる「後モチ」です
- モチベーションは、作業興奮によって最も高まりやすい
- モチベーションが高まってから仕事を始めるとか、モチベーションが降りてくるのを待つのではなく、 どんな小さなことでもいいから、とにかくなにかを始めることによって、モチベーションが高まる
- きっかけを作ってくれるのが、「ルーティン」を持つこと