はじめに
限られた時間の中で、いかに成果を出していくか?
仕事が早いひとは、動く前にどんな準備をしているのか?
成果を出し続けている人は、「すぐに仕事をはじめる割合が1.8倍から2.3倍も高い」
本書では、さまざまなデータや、その後の行動実験による初速が早いことの「意味」と「意義」を解説
- 仕事を効率よく進めるための実践的なノウハウを詳しく伝える
AI分析でわかった「仕事ができる人は初速が早い」という事実
- 著者の会社クロスリバーは「世界中の企業に週休3日制を導入する」という目標を掲げている
- 自社でも上記を実現するために実践し、現在も毎年増益を継続
- 2万人を対象に、クラウドサービス、対面ヒアリング、デスク周辺の定点カメラの設置、ICレコーダーやセンサーの装着してもらったデータをAIと専門家によって分析
- 成果を出している人に共通する「成功ルール」を抽出し、「再現性」をさまざまな角度から検証
「初速を早める」と「次のタスクの初速が早まる」という視点を持つ
- ビジネス領域では「初速」はあまり意識されてこなかった
- コンテンツが整い、締切に間に合ってさえいれば、作業に費やした時間が問題にされることはなかった
- これまでのビジネスでは、「残業アピール」や「徹夜アピール」は高評価の対象とされてきた ⇒ 別名、「同情評価」
- 現代のビジネスでは、時間をかけずに多くの成果を出し続けることが要求されている
それを実現するためにの第一歩が「いかに仕事の初速を上げるか?」という視点を持つこと
「初速を早める」⇒「次のタスクの初速が早まる」という好循環を作り出す
日本のビジネスパーソンの初速が遅い理由とは?
- 日本の「空気を読む」という習慣が、その場の雰囲気に配慮して、他の人よりも早く動くことに躊躇したり、敬遠する人が多い
初速を上げると、どんなメリットがあるのか?
メリットは大きく2つ
初速を早くすることによって、「時間」や「エネルギー」の配分が最適化され、現代のビジネスに不可欠な「行動実験」を繰り返すが可能になります
メリット① 大事なところに「時間」と「エネルギー」を集中できる
- 仕事ができる人は、締切より少し前に自分なりの締切を設定し、間際に最も力を注ぎ込んでいる
- 最も大事なところに限りある時間とエネルギーを集中させるためには、早めにスタートを切ることが欠かせない
メリット② 「行動実験」が可能になり、多くの修正ポイントを発見できる
- 現代のビジネスには「こうすれば必ずうまく行く」という最適解が存在しない
- 正解がない時代のため、いきなり成功を目指すのではなく、たくさんの失敗の先に成功があると考えて動く必要がある
- 「成功 or 失敗」の二元論ではなく、いくつもの失敗を積み重ねた 先に成功があることを理解し、小さな「行動実験」を何度も繰り返しては、失敗によって得た学びをもとに行動を修正することで、最終的に成功にたどり着く
自分の能力と工夫によって問題点を見つけ出し、それをクリアしながら成功への道筋を組み立てていく…という働き方が、現代の多くの企業が切望している「自律型人材」と言われるものです。
- 初速を上げることで、行動実験を繰り返すことができれば、それだけ早く成果を出すことができる
初速スピードを上げることは「目的」ではなく「手段」
- 本書でお伝えする「初速を早める」という考え方や手法は、目的はなく手段
早く成果にたどり着くことができれば、次のタスクに取り組む時間を生み出せるだけでなく、スキルアップや新たなチャレンジの時間を作り出すことができるます。
初速を上げることは、あくまで手段ですから、「現在の難しい局面を楽しむ」くらいのリラックスした気持ちで取り組むことが大切です。