第3章 仕事の初速を上げる26のテクニック
やる気がなくてもすぐやる仕組みの作り方
- 仕事を効率的に進めるために、やる気に頼らない仕組みを手に入れて、次の三つの効果を引き寄せる
- 1.脳の動きを「活性化」させる
- 2.集中力を高めて「継続」させる
- 3.時間とエネルギーの消費を「最適化」する
- そのために、「脳の働きを引き出す習慣」と「適切な休憩を取る習慣」の身につける
テクニック01 とりあえず「2分」だけ作業してみる
- 仕事が遅くなる一番の原因は「最初の一歩」を踏み出せないこと
- 「たった2分だけ」と考えて、ちょっとやってみるという気軽さが、心理的なハードルを下げてくれ、「作業興奮」が始まって、エンジンがかかりやすくなる
- 人間の脳は「小さな数字」で示されると「その作業は行動ハードルが低い」とイメージする
テクニック02 朝起きてから9時間以内に終える
- 人間の脳は、朝起きてから9時間までしかパフォーマンスを高められない
- マイクロソフトでは、「重要な会議を夕方4時以降に開催するのは禁止」というルールが徹底
- 仕事の効率を維持するために、午前10時と午後3時にピーナッツとか、ドライフルーツを軽くつまんだり、有酸素運動の時間を組み込んだりする
テクニック03 苦手な作業の前に、得意な作業をやる
- 得意な作業を始めると作業興奮によって「自己肯定感」が高まる
- エンジンがかかりやすい状態を作ってから重要度の高い仕事を始めれば、スムーズに作業を進めることができる
- 簡単なこと、好きなこと、得意なことを少しだけやって、やる気スイッチを入れる
テクニック04 嫌な仕事をする際は「ゴール」を変える
- 成果を出している人のほとんどが、何らかの「自分ご褒美」を設定して、嫌な仕事を乗り越えている
- 人の評価を期待するのではなく、自分がポジティブな気持ちになれる独自の価値基準を持つ
テクニック05 作業が20%進んだら方向性を再確認する
- 仕事の進捗が20%くらいになったら、一度立ち止まって、方向性があっているかを冷静に確認する
- 仕事の方向性を確認するためには、疑いの目を持って「クリティカル・シンキング」をするのがポイント
- クリティカル・シンキングとは、物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、さまざまなアングルから検討して、論理的で客観的な判断をすること
- そのタスクが上司から依頼されたものであれば、進捗20%の段階で上司のチェックを受け、すり合わせをする
テクニック06 重要度の高い仕事は、明日に先送りしない
- 先送りして事態が好転することはない
- 今日できる仕事は、今日中にやる方が、圧倒的に効率よく進みます
- 無理して残業や徹夜してするのではなく、決められた時間内に作業ができる状況なら「今日やってしまったほうが、明日楽になる」という考え方をする
- 急いで今日中にやるのは、あくまで重要度の高い仕事
先送りを決める際の「三つの条件」
- 【条件①】仕事の「期限」はいつか?
- 【条件②】作業をする「時間」と「場所」は決まっているか?
- 【条件③】作業の「段取り」は組まれているか?
テクニック07 「休憩時間」と「休憩の仕方」を決めておく
- 成果を出し続けている人は、「集中すること」ではなく、「集中を継続する」ことを意識して、効率的な休憩時間の取り方を工夫している -作業を中断し、デスクから離れることで「なんのためにこの作業をしていたんだっけ?」と仕事を振り返る機会ができ、その作業をやめることもできる
- 疲れる前に休憩することを重視する
テクニック08 休憩は中途半端な時間の方がいい
- 成果を出し続けている人は、「45分に一度のペースで小休憩を取っている」
- 中途半端さがよいのは、脳内麻薬と呼ばれる脳内伝達物質「βエンドルフィン」のサイクル
- 成果の出し続けている人は作業が進むに連れ休憩時間を微妙に変化させている
- 休憩時間の設定のポイントは、「①キリの良い時間設定をして、無理をしない」、「②疲れが出るまで、作業を続けない」
テクニック09 「休憩」と「再開」をセットにする
- 集中力が高まった状態で休憩を取ることに不安を感じる人も多くいる
- 気分が乗っているときに、休憩を取るのは意外に難しい
- 成果を出し続ける人は、休憩を取ることと仕事を再開することを一つのセットにしている
- 予定の時間になったら、「席を立つ」→「気分をリフレッシュ」→「席に戻る」→「作業を再開する」
- 大事なポイントは、一度席から立ち上がったら、脳を使わずに戻ってきて素早く作業を始める
テクニック10 スケジュールは2割くらい空けておく
- 仕事には想定外の出来事、突然のアクシデントが付き物
- 上記対応のために、2割くらいスケジュールを空けておく
- 不測の事態が起こらなければ、その時間を次のタスク準備に当てたり、自分の勉強に使うことができる
[作業別]初速を上げるテクニック
- 日常の仕事で大きなウェイトをしめる五つの作業について、初速を上げるポイントを紹介
- ①資料作成 テクニック 11~14
- ②メール テクニック 15~19
- ③会議・チームミーティング テクニック 20~22
- ④企画立案 テクニック23~24
- ⑤情報検索 テクニック25~26
資料作成テクニック11 一気に最後まで作ってはいけない
- 勢いに乗って、最後まで仕上げてしまうと次のような問題が追いかけてくる
- ①「情報が不足しているのでは?」と不安になる
- ②「この内容で大丈夫か?」と自信が持てなくなる
- ③上司からの修正指示が出ると、作業時間が増える
- 進捗状況20%くらいの段階で、「こんな漢字で進めていますが、何か修正すべき問題点はありますか?」と確認を取っていく、「フィードフォワード」が大事
- 上記2割共有をすることで差し戻しが「74%」減少、取引先企業に対しては、営業の成約率が「22%」上がっている
資料作成テクニック12 「1分」のフィードフォワード
- 作業完了後ではなく、途中の段階で相手と「イメージ合わせ」をしておくこと
- ダメな上司やチームリーダーほど、指示の出し方が曖昧
- 大事なポイントは、作業を始める前に「進捗20%くらいの段階で、1分だけチェックしてもらってもよいですか?」と確認を取っておく
資料作成テクニック13 資料の「目的」を明確化する
- 資料は作成が目的ではなく、「相手をどう動かすか?」が一番の目的
- 目的は大きく3つ
- ①「合意」を得る
- ②「決定」を促す
- ③「協力」を得る
- 情報共有の場合は、その情報によって「どうしてほしいのか?」を伝えること
資料作成テクニック14 スライドの枚数は「持ち時間×0.75枚」
- 現代では「1分あたり1スライド」が主流になっている
- 企業の意思決定者826人にヒアリングをしたところ、「スライドの枚数と時間を、もっと減らしてほしい」と回答が78%もあった
- 上記の回答をした人に、理想的な時間を聞いてみたところ平均時間は「持ち時間×0.75枚」であることがわかった
- たとえば、20分の持ち時間に対して、これまでは20枚前後のところ、「15枚」が適正
- 「コンパクトな資料のほうが、人を動かしやすい」ことがわかっている、効果的な資料は3色以内
メールテクニック15 「伝わる」を重視する
メールテクニック16 一度に伝える
メールテクニック17 途中で件名を変えない
メールテクニック18 冒頭に100文字の「概要」を入れる
メールテクニック19 要件は「箇条書き」にして番号をつける
会議テクニック20 事前に「アジェンダ」を送る
- 会議の課題は大きく分けて以下の2つ
- ①ムダな会議をやめる
- ②やるべき会議をコンパクトにする
- 事前にアジェンダが示されていない会議は「ムダな会議」と考える必要がある
- 「なんのための会議なのか?」を明確にしておき、参加者に事前アジェンダ共有し、当事者意識を持ってもらう
会議テクニック21 参加者に役割分担を伝える
- 事前にアジェンダを伝えるだけでなく、会議の冒頭で参加者に役割分担を伝えることが大切
会議テクニック22 アジェンダのない会議はやめる
- アジェンダが明確になっていない会議で情報共有しても会社の業績にはまったく影響がない
企画立案テクニック23 「アイデアを出す」と「企画を決める」を切り離す
- 企画立案には、「アイデアを出す作業」と「提出する企画を決める作業」の2つのプロセスがある
- 上記を同時にやってしまうとうまく機能しなくなる
- アイデアを出すとき
- 提出する企画を決定する会議
- 意思決定権を持っている人だけが参加するというのが大事なポイント
企画立案テクニック24 アイデア出しの秘訣は「慣れる」こと
- 意思決定権を持っている人だけが参加するというのが大事なポイント
- アイデアを生み出すために必要なのは、才能やIQ、学歴ではなく、まずはアイデア出しという作業に「慣れる」こと
- アイデアを出す際には、「実現可能性を考えない」ことと「上司の顔色を見ない」ことが大事なポイント
情報検索テクニック25 作業の前に「制限時間」を決めておく
- 情報検索は、次々と新しい情報が出てきてしまうため際限なく作業ができてしまい、作業をすることが目的化してしまう
- 作業を始める前に制限時間を設定しておく
- ネット検索の実証実験によって、検索時間の長短がキャッチできる情報の精度と比例しないことがわかっている
- 10分で探し出した答えと、1時間かけて探した答えの間には、あまり大きな違いはない
情報検索テクニック26 仮説を立てて複数のキーワードで検索
- 漠然と知りたいことを検索するのではなく、仮説を立てて、仮説に沿って複数のキーワードを打ち込み検索をする