アウトプットを頑張る

初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

【読書メモ】図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる 岡田 幸士 (著) Part3

第2章 あらゆる人を惹きつける「人・組織のビジョン」と「人事戦略」を作成しよう

ビジョン・戦略作成の流れとアウトプットイメージ

  • どのような流れで進めるのかの全体感

領域1 ありたい人と組織の姿はどのようなものか?

問い01 戦略実現には、どのような人材が必要か?

  • プロのスポーツチームのような「人材ポートフォリオ」をつくる

  • この問いで必要な人の量と質が見えてくる。しかし、それだけでは戦略は実現されない。

  • 一人ひとりが望ましい行動をとるからこそ物事が前に進む

問い02 そのような行動を体現してもらいたいか?(どのような組織文化をつくるか?)

問い03 ありたい人・組織(文化)を生み出すために何を重視するか?

  • 一貫性をモチ、人材マネジメント方針を言語化する
  • 人事戦略の検討に向けた全体の方針を「人材マネジメント」と呼ぶ
  • 全体方針を決める際には、絶対的な性格がなくジレンマが生じるポイントについて「何を重視するか」「何をあきらめるか」議論し整理する
    • 人の調達(直接雇用 or 外部委託 / 長期的な関係・育成 or 短期的な関係)
    • 人の育成 (専門性・能力の広さ or 深さ / 組織主体 or 個人主体)
    • 人の活躍(適材適所 or 適所適材 / 組織 or 個人 /能力・行動 or 結果・成果/ 安定的な報酬 or メリハリをつけた報酬)
    • 人の維持(非金銭 or 金銭 / 働き方の公平性 or 個別柔軟性 / 人のつなぎとめ or 積極的に人を外部に送り出す /一度雇った人は長く面倒みる or 活躍が難しい人は厳しい対応もやむなし)

領域2 どのように人を調達するか?

問い04 何をあなたの会社の魅力に据えるか?

  • 「我が社に入社すれば〇〇できる」「〇〇と約束できます」と人材への約束をEVP(Employee Value Proposition)と呼ぶ。

6つの「人材への約束」

  • 仕事…仕事の内容や目的、裁量や権限、やりがいや達成感など
  • キャリア…キャリア形成の機会や成長、教育・研修、サポートの仕組みなど
  • 報酬…給与、賞与、福利厚生、インセンティブなど
  • 人…上司のサポート、適正な評価、同僚との協力関係など
  • 環境…働き方の柔軟性、ワークライフバランス、人員・リソースの拡充、多様性の尊重、組織文化など
  • 会社…会社のビジョン、社会への貢献や影響度、会社の安定性、リーダーの魅力など
  • ポイントは「自分の会社に必要な人材」に刺さりそうなEVPを整理していくこと

  • 例:南極探検隊の募集広告、「世界で最も偉大な求人広告」とも評された文章

    求む男子
    至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の続く日々。絶えざる危険。生還の保証なし。
    ただし、成功の暁には名誉と賞賛を得る。

EVP作成時には2つの方法で整理する

05 どんなメッセージを候補者に向けて発信するか?

  • 4つのブランド価値を磨き上げてメッセージをつくる
    • 機能的価値
    • 情緒的価値
    • 社会的価値
    • 自己実現価値
  • 選ばれるためには「人の5大欲求」を満たすこと

06 どのようにメッセージを候補者に伝えるか?

  • 人材の体験を5つのAで整理し、社員に広告塔となってもらう
    • 認知(Awareness)
    • 訴求(Appeal
    • 調査(Ask)
    • 行動(Act)
    • 推奨(Adovocate)
  • 社員に広告塔となってもらうためにすべきこと

07 どのような手段で人材を調達するか?

領域3 どのように人を育成するか?

問い08 必要な人材スペックをどう定義するか?

  • 人材スペックを定義する3つのメリット
  • 組織の戦略実現に必要な人材が明確となり、採用や異動のマッチング率が高まる
  • どういう能力を持った人を育てなければならないかがわかる
  • 会社からの「期待する人材像やスペック」を明確に社員へ伝えることができる
  • 定義の方法は、部門の戦略・戦術に基づき「それを実現する役割はどのようなものか(職務要件)」→「その役割にはどのようなスペックが必要か(人材要件)」

  • 職務要件

    • 何を定義するか…ミッション、職務、成果責任、KGI/KPI、業務上の関係者
    • どの単位で定義するか…部ごと、課ごと、職務グループごと、ポストごとまたは等級(や役職)ごと
  • 人材要件

    • 何を定義するか…知識、スキル(資格)、経験、行動(行動特性)
    • どの単位で定義するか…部ごと、課ごと、職務グループごと、ポストごとまたは等級(や役職)ごと
  • スペックの定義の方向性を「ガッチリ固める」か「曖昧さを残す」かはミドルマネジメント層次第で決める

  • ドルマネジメントに「要件を具体化して適切に言葉にする力」があるかどうか

問い09 どのような人の情報をどう「見える化」するか?

  • Will(志向)・Can(能力) ÷ Style(特性)を可視化する

    • Will(志向):中長期・短期のキャリア目標:自己申告(キャリアシート)
    • Can(能力):
      • 知識:テスト・保有資格・教育歴
      • スキル:テスト・保有資格・能力評価
      • 経験:異動履歴・入社前の職務経歴
      • 行動:行動評価・360度評価・研修での姿勢
    • Style(特性):
      • 動機・性格:テスト、アセスメント
      • 働き方の価値観:自己申告(キャリアシート)
  • 上記のような人の情報の収集は、「自動化」と「自発化」を行うことが肝

  • こうした人の情報は、人の育成、活躍、維持などにいろんな場面(レベル)で活用することができる

    • 個人レベル:個人のキャリア形成意識・成長意欲の向上
    • 職場レベル:上司部下の相互理解・上司からの指導・個人育成計画の作成
    • 組織レベル:異動・配置・抜擢・チーム形成
    • 企業レベル:経営人材育成・後継者の選抜

問い10 人材にどのように学んで成長してもらうか?

  • まず「何を、なぜ学ぶべきか」を学んでもらう
  • 会社は学校ではなく、何かの目的を達成するための組織
  • 人の成長とは何か、「成人発達理論」による人の成長の2つの方向
    • 水平的成長…知識の拡大やスキルの拡大(わかること・できることが増える)
    • 垂直的成長… 人間としての「器」が深まり、認知の枠組み(物事の見方や考え方)が変化する
  • 会社が人の育成を率先してすべき理由
    • ①人は規格が揃っておらず、採用しても理想のスペックを備えていることが少ない
    • ②戦略や環境の変化に従って、知識・スキル(アプリケーション)を変更する必要がある
    • ③組織の方向性や文化とある程度、物事の見方(向き)を合わせてもらう必要がある
    • ④成長できる会社であることが、強力な「会社の魅力づけ」となる
  • 大人はWhatよりも、Whyで学びを導く
  • 「今の職務をうまくこなすうえでの課題は何か?」「今後課題になりそうなことは何か」を意識してもらい、健全な危機意識を社員にもってもらうこと
  • こうした意識づけを上司との対話を通じて行う
  • もう一つは学ぶ機会の提供「職務上の経験」、「他者からの助言」、「研修や自己学習」の機会などを提供

問い11 どのようにリスキリングを行うか?

領域04 どのように人の活躍を促すか?

問い12 人材のパフォーマンスをどのように高めるか?

  • 個人のパフォーマンスは何で決まるか
  • スター社員の高いパフォーマンスを、故・稲森和夫は次の方程式を提唱
    • 人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力
  • スタープレイヤーを支えるチームと環境
  • パフォーマンスを高めるための4つの要素にアプローチ
    • 個人、仕事、同僚(チーム)、環境

人事として個人のパフォーマンスを高める方法

  • 個人のパフォーマンス向上には、考え方 × 熱意 × 能力

「小さなことを多く積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道」 (野球のイチロー選手の言葉)

  • ものごとをやり抜く力「GRIT(グリット)
    • Guts(度胸):困難なことに立ち向かう力
    • Resilience(復元力):失敗してもあきらめずに継続する力
    • Initiative(自発性):自分自信で目標を見つける力
    • Tenacity(執念):最後までやり遂げる力

GRIT(やり抜く力)の伸ばし方

  • 関心・興味を持った仕事に就いてもらう
  • 仕事の意義や目的を感じてもらう
  • 自分のスキルを少し上回る目標や挑戦的な目標を設定してもらう
  • 小さな成功体験を積み重ねてもらう
  • 困難が生じてもその先の希望を見せる(「やりぬく力」が強い人がサポートする)
  • パフォーマンスに影響する要素を整理すると、「個人」以外の要素が非常に多い
  • 良い仕事、良い同僚、良い環境に恵まれていることを優秀な各人に認識してもらう

問い13 人材と仕事をどのようにマッチングするか?

  • 会社と個人、それぞれにとっての「適職」とは何か?

問い14 良いチームをどのようにつくるか?

生産性の高いチームには5つの特徴がある
  • 心理的安全性が高い
  • 相互の信頼が高い
  • チームの目標が明確である
  • 仕事が自身の働く目的や意義とつながっている
  • 仕事の意義やインパクトを感じている
    Google 社2012年から4年かけて「生産性の高いチームの特性」を調査したプロジェクト
  • 心理的安全性を向上させるには、マネージャー(上司)の姿勢や行動が大きな影響を与えている
心理的安全性を子委譲させる方法
  • 積極的にメンバーに意見を求める(率直な意見を求める)
  • 発言に感謝し、謙虚に受け止め理解する
  • マネージャー自身の考えを積極的に開示する
  • 自分の非や失敗を認める
  • 失敗があっても非難せず、未来に目を向ける
  • メンバーにサポートを申し出る
  • セクショナリズム」と呼ばれる縦割り意識や内向き意識をなくすため、組織をまたいだコミュニケーションを強化していく
  • 組織横断のチームを形成したり、社内副業を奨励することも有効

問い15 多様性とその効果をどのように実伝するか

ダイバーシティの目的
  • 倫理(Good)・・ これまで社会的に抑圧されていた層の人権を尊重する
  • リスク低減・・同質的な人ばかりが集まると、視野が狭くなり、危険な判断をする可能性を高まるため、そのリスクを抑制する
  • 競争力・・業績の向上やイノベーションを生み出す
変革的ダイバーシティに必要な要素
  • 深層的なダイバーシティの実現
  • 心理的安全性の確保
  • メンバー間を仲介し、より高次な目的達成に導くリーダーシップ
  • 知識・意見の共有やアイデア創出の促進
  • イデアの創出と実行の担当者の棲み分け

領域05 どのように人の維持を行うか?

問い16 人材のエンゲージメントをどのように高めるか?

「かかわり」と「熱意」の両面が大切
  • かかわり・・組織や仲間に対して、帰属意識や愛着の気持ちを持っている
  • 熱意・・組織のために、進んで貢献しようとする意欲がある
  • 会社にあったエンゲージメントを高めるツボを見つけることが大切
  • そのために、科学的・定量的に分析するアンケートが大事

問い17 個々人のパフォーマンスをどのように評価するか?

社員のやる気を削ぐ人事評価にある3つの原因
  • 制度の目的が誤っている
  • 制度設計が誤っている
  • 上司のことが好きではない
評価制度の目的を広く捉える5つの項目
  • 会社(上司)と本人の間の相互理解を進め、方向性をすり合わせる
  • 会社や組織の目標達成に向けた動機づけを行う
  • 成長に向けた課題把握や行動改善を促す
  • も億票達成や成長に向けて必要なサポート(上司や同僚のサポート、人の補充、必要な権限など)を明らかにする
  • 処遇(給与・賞与・昇格など)を決める
マネージャーのレベルが高ければ、給与・昇給はアバウトに決める
  • 「処遇決定にばかり意識が向く」弊害を解決する方法として、評価と処遇の距離を離す「ノーレイティング」という制度がある
  • 評価や処遇は、最終的に上司のあり方やコミュニケーションが最も重要
マネージャー(評価者)に求められる能力
  • 部下のことを一人ひとり見ることができる
  • 部下とお互いのことを理解して、信頼関係を築くことができる
  • 会社(組織)としての目標や、必要な役割・能力が何かを理解している
  • 期待値を自分の言葉にしてわかりやすく部下に伝えることができる
  • 適切なフィードバックやコーチング、動機づけができる

問い18 活躍・成果に見合った対価をどのように与えるか?

4つの承認からエンゲージメントを高める
  • 結果承認・・行ったことや出した成果を認める
  • 行動承認・・望ましい行動について認める
  • 成長承認・・以前と比べてどの程度成長できたかを認める
  • 存在承認・・その人の存在自体を認める
報酬はトータル・リワード(金銭・非金銭の両方)で支払う
  • 金銭的な報酬だけでなく"非金銭的な報酬"、ソフト面での承認(ねぎらい、フィードバック)以外にもやりがいのある仕事の提供、成長の促進、働きやすい環境の提供など

問い19 柔軟な働き方をどのように提供するか?

生産性向上のためにリモートワークは週何日がベストか?
  • アメリカの調査では、リモートワークができない場合転職する人の割合は47%
  • しかし、リモートワークの導入によってもコミュニケーションなどの問題が起きる
働く場所や時間の柔軟性を判断する方法
  • 仕事の特性・・「個人で集中する」「協働する」のどちらが重要か
  • メンバーの希望・・柔軟な働き方を希望する人が多いか、そうではないか
  • アウトプットの明確さ・・アウトプットが明確か、流動的か
  • メンバーの規律性・・自律的・成熟したメンバーが多いか、そうではないか
  • メンバーの帰属意識・熱量・・エンゲージメントが高いか、そうではないか

問い20 新陳代謝をどのように促していくか?

  • 組織変革を邪魔する、「自分を守りたい」「変わりたくない」といった人間の脳や心の仕組み
組織をかき混ぜ、新陳代謝を促す
  • 採用・・異質な人を入れる
  • 育成・・社外勉強会などの"越境学習"の促進、教える立場に立たせる
  • 異動・・仕事内容や場所・立場(職位)を変える、公募や社内FA制度を活用する
  • 評価・・率直なフィードバックを与える、360度評価を行う
  • 体制・・組織変更を行う、組織横断プロジェクトを立ち上げる
  • 働き方・・副業や起業支援を行う

領域06 どのように人の抱えるリスクを低減するか?

問い21 健康をどのように維持・向上するか?

健康増進のための基礎となる取り組み
  • 健康状態をチェックする
  • 健康の促進と啓発をする
  • 健康を害する行為を禁止する

問い22 職場の安全をどのように担保するか?

  • 人の起こすミスやエラーに対して、5つのEと4つのMで対応する
安全確認の基本の5つのE
  • Education(教育・訓練・啓発)
  • Engineering(安全性を高める技術的対応)
  • Enforcement(作業の標準化やマニュアル化・罰則の強化)
  • Example(業務上の模範・事例の提示)
  • Environment(作業環境)
ヒューマンエラーに対応する4M
  • Minimum Encounter(危険を伴う作業数を減らす)
  • Minimum Probability(各作業においてエラー確率を低減する)
  • Multiple detection(多重のエラー検出策を設ける)
  • Minimum damage(被害を最小にするために備える)

問い23 人に関するトラブルをどのようになくすか?

トラブルを引き寄せる3つの要素とは
  • 動機(本人が抱える問題や会社からのプレッシャーがある)
  • 機会(不正をするチャンスや権限がある)
  • 正当化(不正を正当化できる状況や本人の特性がある)
  • トラブルや不正を防ぐために、「北風」と「太陽」で防ぐ
内部統制フレームワーク(北風)
  • 統制環境・・経営方針や組織風土、権限設定や人材管理の方法
  • リスク評価・・リスクを識別して、評価して、対応する仕組み
  • 統制活動・・分掌・管理規定や業務マニュアル、現場でのチェック方法
  • モニタリング・・管理者や第三者などによるチェックの仕組み
  • ITへの対応・・ITの効率的活用や、運用・安全性の仕組み
人間らしさを尊重した取り組み(太陽)
  • 動機・・本人が抱える問題や会社からのプレッシャーをソフト面で解消する
  • 機会・・不正をするチャンスや権限をソフトの面で解消する
  • 正当化・・不正を正当化できる状況や本人の特性を把握し、解消する

領域07 どのように人事体制を整備するか?

問い24 人事組織をどのようにつくるか?

  • 「経営陣」に影響力を行使できる人事のトップが必要
  • 事業の数が多い場合や、事業に権限移譲している場合は、HRビジネスパートナー(HRBP)を設置
HRBP導入に向けた成功要因
  • あるべき人事戦略や施策がそれぞれ異なるような事業・部門別組織で導入する
  • HRBPが戦略業務に集中できる環境を整える
  • HRBPとしてのコンサルティングスキルを高める仕組みをつくる

問い25 人事パーソンの力をどのように高めていくか?

問い26 人と組織のデータをどのように活用するか?

「何をどう集めてどう分析するか」以上に、「使ってもらい方」を考える
  • 領域1(ありたい人・組織の姿)|組織文化の定着状況確認、人員過不足の予測
  • 領域2(人の調達)|人の見極め、採用・応募までの離脱防止
  • 領域3(人の育成)|推奨研修や学習の提示、研修効果の測定
  • 領域4(人の活躍)|人と仕事のマッチング、個人やチームのパフォーマンス分析
  • 領域5(人の維持)|エンゲージメントや職場の状況把握、退職リスク予測
  • 領域6(人のリスク低減)|安全・健康上・コンプライアンス上のリスク検知
  • ピープル・アナリティクスが進まない原因の調査結果(リクルートマネジメントソリューションズ「人事データ活用に関する実態 (2023)」)
    • 1位「人事スタッフのスキル不足」
    • 2位「経営陣の関心が低い
    • 3位「経験と勘が重視され、で^たは軽視される」