アウトプットを頑張る

初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

【読書メモ】はじめての課長の教科書 第3版 Part.1

はじめに

  • 変化が多い時代「変わらなければならないこと」と「変わってはいけないこと」を整理することが大事
  • 本書は「変わってはいけないこと」をまとめてロングセラーになった

    土台となる管理職の哲学を身に着けよう

  • 課長(管理職)に求められる要件について、大多数が指示する「意見」をヒントとして、自分だけの考え方を「構築しつづける」

まずは、課長の壁を超えられるか

  • 課長になってからがキャリアの本番

第1章 課長とは何か?

課長は微妙な立場の管理職

  • 重要な特徴としては、「予算管理に実質的な責任を持つ管理職」という枠の中では最下位のポジション

モチベーション管理が一番大切な仕事

  • 予算管理や、人事評価などの新しい仕事を学ぶ必要があるが、極端に言い切ってしまうなら、課長として最も大切なのは「部下のモチベーションを管理する

モチベーション管理で業績を向上させる

  • 成果主義によって、外側から外発的動機づけではなく、部下の内側から湧き上がるモチベーション(内発的動機づけ)を刺激する

  • 課長以上の人材には、自分のモチベーションは自分で管理することが求められる

  • 部下が「自分は会社に大切にされている」という実感を持って仕事に取り組めるかどうかが最も重要

中管理職はナレッジ・エンジニアリング

  • 「ミドル・アップダウン」というコンセプト
  • 中間管理職は、知識を創造するプロセスにおいて、最も重要な役割を果たす人々、企業活動における知識創造の中心(一橋大学 野中郁次郎名誉教授)

  • 中間管理職は、現場から「重要な現場情報」を引き上げ、それを「経営者が描いた大きなビジョン」をつなぐために知恵を絞る「ミドル・アップダウン」な活動をする

組織にいながら、自由に働く。仲山進也 (著) Part.2

STAGE 2 減 強みを磨く

これまで「常識」だと思っていたことを手放そう

「減」のステージは、「加」で培ったものを強みとして徹底的に磨くために、いらないものは捨てていきましょう

  • 捨てていくのは「仕事の常識」。加で仕事が楽しくなったけど、キャパオーバーになったら、勇気をもって「捨てる」

「積みへらし」の作法

  • 切り捨てるものの基準になるものは「夢中3条件」

  • やりたくて、得意で、喜んでもらえる仕事だけに集中する

「安定」から自由になる

  • 変化を恐れず、変化しないことのリスクを恐れる
  • レールから自由になる
  • 迷ったら、正しいほうよりワクワクするほうを選ぶ、そして自分の能力が発揮できないポジションには居続けないこと

「ルール」から自由になる

  • 他人が決めたルールの範囲内で自分ルールをつくる

「評価」から自由になる

  • 誰に評価されたいかを考え、自分のすべきことをする
  • 上司に評価されるためにではなく、お客さんに喜んでもらう

組織にいながら、自由に働く。仲山進也 (著) Part.1

はじめに

  • 働き方は、「加減乗除」の4ステージで進化する
  • 自由に働くには?という問いへの答え「加減乗除の法則」

+「加」自由な働き方のOSをインストールする

今、感じている「モヤモヤ」の正体を突き止める

  • 仕事でモヤモヤを感じるときは「不安」か「退屈」を感じている
  • 挑戦と能力のバランスが取れているとき、人は「夢中」になりやすい
  • 今自分がどのポジションにいるかを考え、次は「どうすれば夢中ゾーンに近づけそうか」を考える

よくあるモヤモヤ 頑張りすぎて燃え尽き症候群

  • 働き方を考えるのに、「人生の中で夢中ゾーンに入っている時間の割合をいかに増やせるか」が重要
  • やったことのない目標を背負うと「不安」になる
  • 高すぎる目標を「必死」で追っている場合、やる気を出せば不安ゾーン、やる気をなくせば退屈ゾーン
  • 必死 ≠ 夢中、必死は「不安」か「退屈」に向かうモード
  • 目標が高いときは、基本的には「能力」を高めることを考える
    • 上司、同僚に話を聞く
    • 本を読む
    • 勉強会に参加する
    • 繰り返しチャレンジする
  • 自分で小さなチャレンジを考え、「難易度のチューニング」をする
  • 常に夢中ゾーンにいられることを考える

よくあるモヤモヤ 「退屈ゾーン」にどっぷり

  • 仕事に飽きないことが大事
  • 解像度を高く意識することで、細かいところの違いがわかる
  • やればやるほど深みを感じておもしろさがます分野を見つける

仕事を遊ぼう 難易度をチューニングする

  • 挑戦の難易度が高すぎてつまらなかったら、楽しくできるところまで難易度を下げて遊ぶ。できるようになってきたら、難易度を上げて遊ぶ

そもそも「楽しい仕事」なんてあるのだろうか

  • 仕事を因数分解すると「仕事 = 作業 × 意味」
  • 仕事をするにあたって、好みでない作業を減らす、好みの作業を増やす
  • まず、自分の好みの作業を把握する
  • 好みでない作業からは全力で逃げる

働く「意味」を深堀りしよう

  • 動機(メリット)が6種類

  • 前者3つを動機に仕事をしているとパフォーマンスがあがり、後者3つだと下がる

  • どうしたら、前者3つすべてを仕事の原動力にできるかを考えて、仕事に「意味づけ」をしていく

「加」のステージのゴールは、「お客さんのプロ」

お客さんとともに生きよう
お客さんから聞いた情報を発信しよう

落ちている仕事は「気付いた者負け」で拾う

  • 気づく、気になるというのは自分の「強み」
  • 気づくということは「視点を持っている」

「歯車仕事」から自由になる

全体が見えると「つながり」がわかるようになります。
つながりがわかると「工夫」ができるようになります。
工夫ができると「責任」を持てるようになります。
責任をもてると「成長スピード」が速くなります。

  • 歯車仕事から自由になるために、まず「全体像が見える小さな仕事」にありつく
  • 今目の前にある業務を一人プロジェクトとして位置づけ、一人で全部やるプロジェクトを手掛ける

「やりたいことがわからない問題」への対処法

  • 人には、目標達成型と展開型の②タイプがある
  • 展開型はゴールやプロセスをあらかじめ計画せずにながれに任せて進んでいくタイプ
  • 展開型にとっては、「今、ここ」を夢中で過ごす
  • 目の前の仕事を夢中でやって「加」のステージを楽しむことができれば、自ずと道があけていく

仕事で「やりたいことがわからない」と悩むのは時間のムダなので、やめよう

【読書メモ】図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる 岡田 幸士 (著) Part4

第3章 人的資本経営を進化させる「人的資本の開示」をしよう

人的資本の可視化・開示の「なぜ?」と「なに?」

人的資本の可視化・開示は、上場会社以外でも必要

「人的資本の可視化・開示とは何か」を改めて振り返ると、次の2つを行うことでした
- 人と組織がありたい姿(ビジョン)に近づいているか、取り組み(人事戦略)がうまくいっているか確認する
- その結果を他者に説明・対話するとともに、フィードバックを受ける
前者が人的資本の「可視化」、後者が「開示」

  • 目的は2つに整理
    • 人・組織のビジョンや人事戦略の改善を行う(効果的な人への投資を行う)
  • 株主・投資家、社内外の人材といった関係者に説明責任を果たして、取り組みや投資の賛同を得る

  • 人的資本の「開示」は上場会社のみ、2023年3月期決算以降義務化

  • 可視化・開示は上場企業意外にも深く関係がある。
  • 人事戦略の改善や取り組みの賛同を得る取り組みはどんな企業も必要だから
  • 2016年施行された「若者雇用促進法」はすべての企業が対象

人的資本の可視化・開示の5つのレベル

人的資本開示における本来の姿とは

  • 人的資本の可視化や回jは「人事戦略の改善」「投資家等への説明責任を果たし、賛同を得る」というのが目的
  • そのために第2章と第3章の問いにすべて答えて、開示していくことが開示レベル5であり、最終ゴール
  • 2022年8月に発表された「人的資本可視化指針」の内容をポイントをギュッと凝縮

可視化・開示の流れとアウトプットイメージ

可視化・開示は2ステップで進める

  • ステップ1|領域0で企業の使命(パーパス)や「経営戦略」を整理、その後、経営戦略と人事戦略を紐づける
  • ステップ2|領域1~7で人事戦略の「実現度」を確認

  • 注意点、「測りすぎ(測定執着)」問題には気をつける

    • 数値化にこだわるあまり、視点が狭くなったり、誤った判断を導いたり、運用コストが上がりすぎたりする問題

領域0 人的資本は、何に、どう貢献しているか?

問い27 あなたの会社の存在意義は何か?

パーパスはなぜ重要で、どのようなものなのか?

「自分の価値観やミッションと一致する仕事をできるなら、職位や報酬の譲歩をしてもよい」
日本の若手従業員(18~34歳)の86%がこのように考えているようです。

  • パーパスや経営理念策定の第一人者である佐宗邦威氏の整理に基づくと次の定義
    • ミッション/パーパス = 組織の存在意義「私たちは何のために存在しているのか?」
  • ビジョン = 組織が目指す理想の状態「私たちは将来どんな景色をつくりたいか?」

  • ミッション/パーパスは「Why」に答える。ビジョンは「What」に答える

問い28 価値を提供するための戦略があるか?

経営戦略整理のための「7×7 Factors」フレームワーク

問い29 経営戦略と人事戦略はどのように連動しているか?(連動させるか)

7×7の要素から人事戦略の要件定義を行う
  • 人事システムの導入を考えている会社のヒアリングから、「いろんなデータを管理して、いろいろ分析できる人事システムがほしい」という話がよくある
  • 実現したいことが曖昧だとプロジェクトはうまくいかない
  • システム導入の最大の失敗原因は「要件定義の不十分さ
  • まず行うべきは「経営戦略と人事戦略の紐づけ」
  • 7×7 の要素に対して、どのように人事戦略の要件を定義する
人事戦略の要件定義を行う3つの観点

(ア)経営戦略を実現するためには、どのような意識や力を持つ人が必要か?
(イ)どのような行動が促進されると、実現されやすくなるか?
(ウ)人の調達・育成・活躍・維持(人材マネジメント)において押さえておくべき点があるか?

問い30 人的資本は戦略実現にどう貢献したか?

投資に対するリターンを3つのレベルで考える
  • レベル1:「投じた人件費に呈してどの程度の利益を生んだか」を測る
  • レベル2:リターン(分子)と投資(分母)を拡張して測る
  • レベル3:「経営戦略実現の確からしさがどの程度高まるか」を説明できる状態をつくる

【読書メモ】図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる 岡田 幸士 (著) Part3

第2章 あらゆる人を惹きつける「人・組織のビジョン」と「人事戦略」を作成しよう

ビジョン・戦略作成の流れとアウトプットイメージ

  • どのような流れで進めるのかの全体感

領域1 ありたい人と組織の姿はどのようなものか?

問い01 戦略実現には、どのような人材が必要か?

  • プロのスポーツチームのような「人材ポートフォリオ」をつくる

  • この問いで必要な人の量と質が見えてくる。しかし、それだけでは戦略は実現されない。

  • 一人ひとりが望ましい行動をとるからこそ物事が前に進む

問い02 そのような行動を体現してもらいたいか?(どのような組織文化をつくるか?)

問い03 ありたい人・組織(文化)を生み出すために何を重視するか?

  • 一貫性をモチ、人材マネジメント方針を言語化する
  • 人事戦略の検討に向けた全体の方針を「人材マネジメント」と呼ぶ
  • 全体方針を決める際には、絶対的な性格がなくジレンマが生じるポイントについて「何を重視するか」「何をあきらめるか」議論し整理する
    • 人の調達(直接雇用 or 外部委託 / 長期的な関係・育成 or 短期的な関係)
    • 人の育成 (専門性・能力の広さ or 深さ / 組織主体 or 個人主体)
    • 人の活躍(適材適所 or 適所適材 / 組織 or 個人 /能力・行動 or 結果・成果/ 安定的な報酬 or メリハリをつけた報酬)
    • 人の維持(非金銭 or 金銭 / 働き方の公平性 or 個別柔軟性 / 人のつなぎとめ or 積極的に人を外部に送り出す /一度雇った人は長く面倒みる or 活躍が難しい人は厳しい対応もやむなし)

領域2 どのように人を調達するか?

問い04 何をあなたの会社の魅力に据えるか?

  • 「我が社に入社すれば〇〇できる」「〇〇と約束できます」と人材への約束をEVP(Employee Value Proposition)と呼ぶ。

6つの「人材への約束」

  • 仕事…仕事の内容や目的、裁量や権限、やりがいや達成感など
  • キャリア…キャリア形成の機会や成長、教育・研修、サポートの仕組みなど
  • 報酬…給与、賞与、福利厚生、インセンティブなど
  • 人…上司のサポート、適正な評価、同僚との協力関係など
  • 環境…働き方の柔軟性、ワークライフバランス、人員・リソースの拡充、多様性の尊重、組織文化など
  • 会社…会社のビジョン、社会への貢献や影響度、会社の安定性、リーダーの魅力など
  • ポイントは「自分の会社に必要な人材」に刺さりそうなEVPを整理していくこと

  • 例:南極探検隊の募集広告、「世界で最も偉大な求人広告」とも評された文章

    求む男子
    至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の続く日々。絶えざる危険。生還の保証なし。
    ただし、成功の暁には名誉と賞賛を得る。

EVP作成時には2つの方法で整理する

05 どんなメッセージを候補者に向けて発信するか?

  • 4つのブランド価値を磨き上げてメッセージをつくる
    • 機能的価値
    • 情緒的価値
    • 社会的価値
    • 自己実現価値
  • 選ばれるためには「人の5大欲求」を満たすこと

06 どのようにメッセージを候補者に伝えるか?

  • 人材の体験を5つのAで整理し、社員に広告塔となってもらう
    • 認知(Awareness)
    • 訴求(Appeal
    • 調査(Ask)
    • 行動(Act)
    • 推奨(Adovocate)
  • 社員に広告塔となってもらうためにすべきこと

07 どのような手段で人材を調達するか?

領域3 どのように人を育成するか?

問い08 必要な人材スペックをどう定義するか?

  • 人材スペックを定義する3つのメリット
  • 組織の戦略実現に必要な人材が明確となり、採用や異動のマッチング率が高まる
  • どういう能力を持った人を育てなければならないかがわかる
  • 会社からの「期待する人材像やスペック」を明確に社員へ伝えることができる
  • 定義の方法は、部門の戦略・戦術に基づき「それを実現する役割はどのようなものか(職務要件)」→「その役割にはどのようなスペックが必要か(人材要件)」

  • 職務要件

    • 何を定義するか…ミッション、職務、成果責任、KGI/KPI、業務上の関係者
    • どの単位で定義するか…部ごと、課ごと、職務グループごと、ポストごとまたは等級(や役職)ごと
  • 人材要件

    • 何を定義するか…知識、スキル(資格)、経験、行動(行動特性)
    • どの単位で定義するか…部ごと、課ごと、職務グループごと、ポストごとまたは等級(や役職)ごと
  • スペックの定義の方向性を「ガッチリ固める」か「曖昧さを残す」かはミドルマネジメント層次第で決める

  • ドルマネジメントに「要件を具体化して適切に言葉にする力」があるかどうか

問い09 どのような人の情報をどう「見える化」するか?

  • Will(志向)・Can(能力) ÷ Style(特性)を可視化する

    • Will(志向):中長期・短期のキャリア目標:自己申告(キャリアシート)
    • Can(能力):
      • 知識:テスト・保有資格・教育歴
      • スキル:テスト・保有資格・能力評価
      • 経験:異動履歴・入社前の職務経歴
      • 行動:行動評価・360度評価・研修での姿勢
    • Style(特性):
      • 動機・性格:テスト、アセスメント
      • 働き方の価値観:自己申告(キャリアシート)
  • 上記のような人の情報の収集は、「自動化」と「自発化」を行うことが肝

  • こうした人の情報は、人の育成、活躍、維持などにいろんな場面(レベル)で活用することができる

    • 個人レベル:個人のキャリア形成意識・成長意欲の向上
    • 職場レベル:上司部下の相互理解・上司からの指導・個人育成計画の作成
    • 組織レベル:異動・配置・抜擢・チーム形成
    • 企業レベル:経営人材育成・後継者の選抜

問い10 人材にどのように学んで成長してもらうか?

  • まず「何を、なぜ学ぶべきか」を学んでもらう
  • 会社は学校ではなく、何かの目的を達成するための組織
  • 人の成長とは何か、「成人発達理論」による人の成長の2つの方向
    • 水平的成長…知識の拡大やスキルの拡大(わかること・できることが増える)
    • 垂直的成長… 人間としての「器」が深まり、認知の枠組み(物事の見方や考え方)が変化する
  • 会社が人の育成を率先してすべき理由
    • ①人は規格が揃っておらず、採用しても理想のスペックを備えていることが少ない
    • ②戦略や環境の変化に従って、知識・スキル(アプリケーション)を変更する必要がある
    • ③組織の方向性や文化とある程度、物事の見方(向き)を合わせてもらう必要がある
    • ④成長できる会社であることが、強力な「会社の魅力づけ」となる
  • 大人はWhatよりも、Whyで学びを導く
  • 「今の職務をうまくこなすうえでの課題は何か?」「今後課題になりそうなことは何か」を意識してもらい、健全な危機意識を社員にもってもらうこと
  • こうした意識づけを上司との対話を通じて行う
  • もう一つは学ぶ機会の提供「職務上の経験」、「他者からの助言」、「研修や自己学習」の機会などを提供

問い11 どのようにリスキリングを行うか?

領域04 どのように人の活躍を促すか?

問い12 人材のパフォーマンスをどのように高めるか?

  • 個人のパフォーマンスは何で決まるか
  • スター社員の高いパフォーマンスを、故・稲森和夫は次の方程式を提唱
    • 人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力
  • スタープレイヤーを支えるチームと環境
  • パフォーマンスを高めるための4つの要素にアプローチ
    • 個人、仕事、同僚(チーム)、環境

人事として個人のパフォーマンスを高める方法

  • 個人のパフォーマンス向上には、考え方 × 熱意 × 能力

「小さなことを多く積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道」 (野球のイチロー選手の言葉)

  • ものごとをやり抜く力「GRIT(グリット)
    • Guts(度胸):困難なことに立ち向かう力
    • Resilience(復元力):失敗してもあきらめずに継続する力
    • Initiative(自発性):自分自信で目標を見つける力
    • Tenacity(執念):最後までやり遂げる力

GRIT(やり抜く力)の伸ばし方

  • 関心・興味を持った仕事に就いてもらう
  • 仕事の意義や目的を感じてもらう
  • 自分のスキルを少し上回る目標や挑戦的な目標を設定してもらう
  • 小さな成功体験を積み重ねてもらう
  • 困難が生じてもその先の希望を見せる(「やりぬく力」が強い人がサポートする)
  • パフォーマンスに影響する要素を整理すると、「個人」以外の要素が非常に多い
  • 良い仕事、良い同僚、良い環境に恵まれていることを優秀な各人に認識してもらう

問い13 人材と仕事をどのようにマッチングするか?

  • 会社と個人、それぞれにとっての「適職」とは何か?

問い14 良いチームをどのようにつくるか?

生産性の高いチームには5つの特徴がある
  • 心理的安全性が高い
  • 相互の信頼が高い
  • チームの目標が明確である
  • 仕事が自身の働く目的や意義とつながっている
  • 仕事の意義やインパクトを感じている
    Google 社2012年から4年かけて「生産性の高いチームの特性」を調査したプロジェクト
  • 心理的安全性を向上させるには、マネージャー(上司)の姿勢や行動が大きな影響を与えている
心理的安全性を子委譲させる方法
  • 積極的にメンバーに意見を求める(率直な意見を求める)
  • 発言に感謝し、謙虚に受け止め理解する
  • マネージャー自身の考えを積極的に開示する
  • 自分の非や失敗を認める
  • 失敗があっても非難せず、未来に目を向ける
  • メンバーにサポートを申し出る
  • セクショナリズム」と呼ばれる縦割り意識や内向き意識をなくすため、組織をまたいだコミュニケーションを強化していく
  • 組織横断のチームを形成したり、社内副業を奨励することも有効

問い15 多様性とその効果をどのように実伝するか

ダイバーシティの目的
  • 倫理(Good)・・ これまで社会的に抑圧されていた層の人権を尊重する
  • リスク低減・・同質的な人ばかりが集まると、視野が狭くなり、危険な判断をする可能性を高まるため、そのリスクを抑制する
  • 競争力・・業績の向上やイノベーションを生み出す
変革的ダイバーシティに必要な要素
  • 深層的なダイバーシティの実現
  • 心理的安全性の確保
  • メンバー間を仲介し、より高次な目的達成に導くリーダーシップ
  • 知識・意見の共有やアイデア創出の促進
  • イデアの創出と実行の担当者の棲み分け

領域05 どのように人の維持を行うか?

問い16 人材のエンゲージメントをどのように高めるか?

「かかわり」と「熱意」の両面が大切
  • かかわり・・組織や仲間に対して、帰属意識や愛着の気持ちを持っている
  • 熱意・・組織のために、進んで貢献しようとする意欲がある
  • 会社にあったエンゲージメントを高めるツボを見つけることが大切
  • そのために、科学的・定量的に分析するアンケートが大事

問い17 個々人のパフォーマンスをどのように評価するか?

社員のやる気を削ぐ人事評価にある3つの原因
  • 制度の目的が誤っている
  • 制度設計が誤っている
  • 上司のことが好きではない
評価制度の目的を広く捉える5つの項目
  • 会社(上司)と本人の間の相互理解を進め、方向性をすり合わせる
  • 会社や組織の目標達成に向けた動機づけを行う
  • 成長に向けた課題把握や行動改善を促す
  • も億票達成や成長に向けて必要なサポート(上司や同僚のサポート、人の補充、必要な権限など)を明らかにする
  • 処遇(給与・賞与・昇格など)を決める
マネージャーのレベルが高ければ、給与・昇給はアバウトに決める
  • 「処遇決定にばかり意識が向く」弊害を解決する方法として、評価と処遇の距離を離す「ノーレイティング」という制度がある
  • 評価や処遇は、最終的に上司のあり方やコミュニケーションが最も重要
マネージャー(評価者)に求められる能力
  • 部下のことを一人ひとり見ることができる
  • 部下とお互いのことを理解して、信頼関係を築くことができる
  • 会社(組織)としての目標や、必要な役割・能力が何かを理解している
  • 期待値を自分の言葉にしてわかりやすく部下に伝えることができる
  • 適切なフィードバックやコーチング、動機づけができる

問い18 活躍・成果に見合った対価をどのように与えるか?

4つの承認からエンゲージメントを高める
  • 結果承認・・行ったことや出した成果を認める
  • 行動承認・・望ましい行動について認める
  • 成長承認・・以前と比べてどの程度成長できたかを認める
  • 存在承認・・その人の存在自体を認める
報酬はトータル・リワード(金銭・非金銭の両方)で支払う
  • 金銭的な報酬だけでなく"非金銭的な報酬"、ソフト面での承認(ねぎらい、フィードバック)以外にもやりがいのある仕事の提供、成長の促進、働きやすい環境の提供など

問い19 柔軟な働き方をどのように提供するか?

生産性向上のためにリモートワークは週何日がベストか?
  • アメリカの調査では、リモートワークができない場合転職する人の割合は47%
  • しかし、リモートワークの導入によってもコミュニケーションなどの問題が起きる
働く場所や時間の柔軟性を判断する方法
  • 仕事の特性・・「個人で集中する」「協働する」のどちらが重要か
  • メンバーの希望・・柔軟な働き方を希望する人が多いか、そうではないか
  • アウトプットの明確さ・・アウトプットが明確か、流動的か
  • メンバーの規律性・・自律的・成熟したメンバーが多いか、そうではないか
  • メンバーの帰属意識・熱量・・エンゲージメントが高いか、そうではないか

問い20 新陳代謝をどのように促していくか?

  • 組織変革を邪魔する、「自分を守りたい」「変わりたくない」といった人間の脳や心の仕組み
組織をかき混ぜ、新陳代謝を促す
  • 採用・・異質な人を入れる
  • 育成・・社外勉強会などの"越境学習"の促進、教える立場に立たせる
  • 異動・・仕事内容や場所・立場(職位)を変える、公募や社内FA制度を活用する
  • 評価・・率直なフィードバックを与える、360度評価を行う
  • 体制・・組織変更を行う、組織横断プロジェクトを立ち上げる
  • 働き方・・副業や起業支援を行う

領域06 どのように人の抱えるリスクを低減するか?

問い21 健康をどのように維持・向上するか?

健康増進のための基礎となる取り組み
  • 健康状態をチェックする
  • 健康の促進と啓発をする
  • 健康を害する行為を禁止する

問い22 職場の安全をどのように担保するか?

  • 人の起こすミスやエラーに対して、5つのEと4つのMで対応する
安全確認の基本の5つのE
  • Education(教育・訓練・啓発)
  • Engineering(安全性を高める技術的対応)
  • Enforcement(作業の標準化やマニュアル化・罰則の強化)
  • Example(業務上の模範・事例の提示)
  • Environment(作業環境)
ヒューマンエラーに対応する4M
  • Minimum Encounter(危険を伴う作業数を減らす)
  • Minimum Probability(各作業においてエラー確率を低減する)
  • Multiple detection(多重のエラー検出策を設ける)
  • Minimum damage(被害を最小にするために備える)

問い23 人に関するトラブルをどのようになくすか?

トラブルを引き寄せる3つの要素とは
  • 動機(本人が抱える問題や会社からのプレッシャーがある)
  • 機会(不正をするチャンスや権限がある)
  • 正当化(不正を正当化できる状況や本人の特性がある)
  • トラブルや不正を防ぐために、「北風」と「太陽」で防ぐ
内部統制フレームワーク(北風)
  • 統制環境・・経営方針や組織風土、権限設定や人材管理の方法
  • リスク評価・・リスクを識別して、評価して、対応する仕組み
  • 統制活動・・分掌・管理規定や業務マニュアル、現場でのチェック方法
  • モニタリング・・管理者や第三者などによるチェックの仕組み
  • ITへの対応・・ITの効率的活用や、運用・安全性の仕組み
人間らしさを尊重した取り組み(太陽)
  • 動機・・本人が抱える問題や会社からのプレッシャーをソフト面で解消する
  • 機会・・不正をするチャンスや権限をソフトの面で解消する
  • 正当化・・不正を正当化できる状況や本人の特性を把握し、解消する

領域07 どのように人事体制を整備するか?

問い24 人事組織をどのようにつくるか?

  • 「経営陣」に影響力を行使できる人事のトップが必要
  • 事業の数が多い場合や、事業に権限移譲している場合は、HRビジネスパートナー(HRBP)を設置
HRBP導入に向けた成功要因
  • あるべき人事戦略や施策がそれぞれ異なるような事業・部門別組織で導入する
  • HRBPが戦略業務に集中できる環境を整える
  • HRBPとしてのコンサルティングスキルを高める仕組みをつくる

問い25 人事パーソンの力をどのように高めていくか?

問い26 人と組織のデータをどのように活用するか?

「何をどう集めてどう分析するか」以上に、「使ってもらい方」を考える
  • 領域1(ありたい人・組織の姿)|組織文化の定着状況確認、人員過不足の予測
  • 領域2(人の調達)|人の見極め、採用・応募までの離脱防止
  • 領域3(人の育成)|推奨研修や学習の提示、研修効果の測定
  • 領域4(人の活躍)|人と仕事のマッチング、個人やチームのパフォーマンス分析
  • 領域5(人の維持)|エンゲージメントや職場の状況把握、退職リスク予測
  • 領域6(人のリスク低減)|安全・健康上・コンプライアンス上のリスク検知
  • ピープル・アナリティクスが進まない原因の調査結果(リクルートマネジメントソリューションズ「人事データ活用に関する実態 (2023)」)
    • 1位「人事スタッフのスキル不足」
    • 2位「経営陣の関心が低い
    • 3位「経験と勘が重視され、で^たは軽視される」

【読書メモ】図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる 岡田 幸士 (著) Part2

第1章 人的資本経営の「なぜ?」と「なに?」

なぜ、今になって人的資本(人)が重要視されているのか?

人とは、企業の「勝ち(競争力)」を決め、企業が「価値」を提供すべき存在

  • 日本だけでなく世界的に人の重要性が集まっている理由
    • 企業の競争力(勝ち)を生み出す源泉が、人を含む無形資産に移っている
    • 企業が生み出す社会的価値(社会の一員としての義務)も重視されている

企業の競争力(勝ち)を生み出す源泉が、人を含む無形資産に移っている

  • 企業にとって人が重要なのは、なんとなく理解はできるけれども、数値的な根拠はあるの?という疑問に対しての、調査結果

  • 1991年以降の66の先行研究を統合的に分析した結果、「人的資本のレベルの高さと業績は正の相関がある」という統計的な結果

  • この分析の人的資本のレベルとは、人材スキルの高さ、経験値の多さなどを定量化したもの

  • 人的資本のレベルが高いと事業運営上の数値がよくなり、最終的に企業全体の売上・収益の伸びをもたらしていると同時に競争力を高め、「勝ち」を得るための重要な武器になっている
  • この研究でもう一つの興味深い発見「独自の人的資本を形成するこのが重要」
    • 労働市場で簡単に手に入れられない、真似することが難しいスキルや知識を蓄積していくほど、業績がプラスに働く
    • 例としてキーエンスの営業パーソンの話。「他社での10年選手を3年でつくりあげる」といわれるような成長への投資

企業が生み出す社会的価値(社会の一員としての義務)も重視されている

  • 企業は誰のものか?の答え「株主のもの」からの変化
  • 2019年のビジネス・ラウンドテーブル

これまでの株主第一主義から脱却し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会を含むすべてのステークホルダーを重視する

人的資本経営・開示は「4方良しサイクル」を回す

  • 人的資本経営・開示があるとき、ないときの比較をしてみる
  • 登場人物は、経営者、株主(投資家)、人材、顧客
  • 人的資本経営・開示のメリット
    • 経営者…人材確保・業績の向上
    • 株主(投資家)…安心して投資ができる、株価・企業価値の向上
    • 人材…働く環境が良くなる
    • 顧客…価値・満足度が向上する

人的資本経営・開示が「あるとき」のグッド・シナリオ

人的資本経営・開示が「ないとき」のバッド・シナリオ

人的資本経営とは何か?「人を大切にする経営」との違いは何か?

人的資本経営は「理性」と「人情」の両輪で組織を回す

経済産業省によると、人的資本経営の定義は次の通りです。
人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方

  • 調査によると、経営者の74%が「人的資本経営とは人を大切にすることと同義であり、何か新しいことを行う取り組みではない」と捉えている

  • これまでの「人を大切にする経営」と異なる点は「人材を『資本』として捉え」の一文

  • 人は投資する量によって価値化変わる資産(可変資本)と捉えるべき

  • 投資と同じように、冷静かつ合理的な目で、人に対する投資判断を行うことが求められる
  • ただし、「理性」だけでは良い結果は得られない
  • 必要なのは、理性的でありながら、人情を備えた「両利きの人材マネジメント」を行いこと、この両輪を大切にするのは人的資本経営

人的資本経営を実践するにはどうすればいいか?

人への投資目論見書を作成しよう

  • A)人的資本投資の目的:どのような人と組織をつくって企業価値を高めるか?
  • B)投資方針と仕組み:目指す姿を実現するために何を行うか?
  • C) リスク要素:人的リスクにどう対応するか?
  • D)運用実績・推移:どのような結果になったか(過去と比べどうなったか)?
  • A~Cが第2章、Dが第3章で考える項目

プロのスポーツチームをつくるように考える

  • これまでの日本の企業と人材の関係性は「昭和的」
    • 企業に対する忠誠心、新卒から育成、一生涯付き合うことが前提
  • これからの時代の企業と人材の関係性は、「プロのスポーツチーム

フラットな関係性(業務委託の関係)で、チームの使命の達成、つまり勝利を目的とした集団です。個々人が自律的(プロフェッショナル)で自分のスタイルに合わなければ、他チーム(組織)に移籍することもいとわないような関係

  • これまでの雇用形態と就業者の志向性に大きな変化が生じている

    • ① 「直接雇用される」ことにこだわっていない
    • ②企業の使命(パーパス)を重視している
    • ③キャリアや働き方に関して自律的に決めたいと思っている
    • ④自分(一人ひとり)に合った体験を求めている
    • ⑤転職に対する心理的なハードルが下がっている
  • こうした変化があることを認識して、「企業と人材の関係性はこれまでと同じという前提で考えず、この後の問いを考える。

【読書メモ】図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる 岡田 幸士 (著) Part1

プロローグ

「人的資本経営」とは、結局何をすればいいのか?

  • 人的資本経営の次のような疑問

    • 「人的資本経営」とは何なのか?何をすればいいのか?
    • 自分の会社はどこまで「人的資本経営」ができているのか?
    • 「人的資本の開示」とは、具体的に何をすればいいのか?
  • 人的資本経営の悩み

    • 組織としてより成果を上げるためには、どうすればいいのか?
    • 人の不足や離職にどのように対処すればいいのか?
    • 人の能力や意欲を高めるためには、どうすればいいのか?
  • こうした悩みや課題に対してのヒントが見つかる本

人的資本経営でやるべきことを一言で表すならば、「人と組織を健全(健康)な状態にして、企業の目的実現に最大限貢献してもらうこと

人的資本経営のやるべきこと

  • 自社としての、人と組織としてのありたい姿(健全な状態)を決める
  • ありたい姿を実現するために、自社に適した取り組みを決めて行う

上記2つを行うために必要な思考整理

  • 問い」の活用をする
  • 人と組織としてのありたい姿」「それを実現するための取り組み」を明らかにするために「考えるべき問い」を包括的に、順序立てて示していきます

なぜ「問い」が重要なのか?

理由は3つ

  • ①それぞれの会社に合った「答え」を見つけ出すことができる
  • ②一般論や他社の「答え」や「取り組み」を知るよりも、環境変化に合わせた考え直しができる
  • ③思考を深め固定概念から抜け出しやすくなる
  • 特に重要なのは①それぞれの会社に合った「答え」を見つけ出すことができる

企業の特性や使命・戦略を踏まえて、「当社としてのありたい人と組織の姿は何か?」という大きな問いに答えを出す必要があります。「当社に適した取り組みは何か?」という答えを考える際も同様です。
これらの答えを整理して、「人・組織のビジョン」と「人材戦略」をつくり実行していく。ここまでが人的資本経営で行うべきことです。

本書の構成

  • 第1章 人的資本経営や開示の「なぜ」「なに」
  • 第2章 実践 人・組織のビジョンとして人事戦略を描くための問い
  • 第3章 人的資本経営の開示の準備