第1章 模倣 まねる
「まねる」ときに大切なのは 小さな違いまで観察すること、それが自分の感性のセンサーを働かせる ことになります。感性のセンサーが働くようになると、自分のなかで、自分が「美しい!」「いいな!」などと思ったいろいろな感覚のデータベースがつくられ、自分のなかにたまっていくようになります。
観察「まねる」プロセスで何が起こっているのか?
大切なのは 目の前のものを正しく認知すること、すなわち「観察する技術」
ありのままを見るのは意外と難しい
私たちは、普段考え事をするときは論理を使ってシンプルに物事を理解しようとしている。
「ありのままをそのままとらえる」、こんな単純なことがいかに難しいか、それを知ることが第一歩
ギリシャ時代の哲学者、アリストテレスは、「再現=模倣することは、子どものころから人間に備わった自然な傾向である。しかも、人間はもっとも再現を好み、再現によって最初にものを学ぶという意味で、他の動物と異なる。すべてのものが再現されたものを喜ぶ」と言いました。
感性 「センス」を決める三つの軸
センスとは「感じる」こと
自分の好きを感じる「感性のセンサー」が働いていないと、自分のセンスは発動しない
- いま自分はどんな心地なのか?
自分の身体の感覚に問いかける言葉を、常日頃から意識してみることが「センス」を磨くスタート
「自分」「時代」「品質」の三つの軸
X軸=自分の軸。自分が好きかどうか。
Y軸=時代の軸。感度が高い人が面白いと感じるものに早く目をつけられるか。
Z軸=品質の軸。上質かどうか。専門家の厳しい評価にも耐えうる
オンライン生活でも感性を刺激するためには?
- ありふれた日常のなかにある刺激をみつける
- 美術館にいって好きな作品のポストカードを購入し、自分でまねて書いてみる
習慣 「まねる」を1週間だけ続けてみる
「好き」から始めるアマチュアリズム
「まねる」という視点を通じて、ものの見方が変わっていくと、さまざまなものから「感性のセンサー」を働かすことができます。そんな視点をもって、自分の感性が喜んだ体験は、写真や動画で記録してデータベースをつくっておくのがおすすめ
お題は「自分が好きなもの」をとりあえず、何か表現してみる。
それが面白そうと思ったら、どうやったらよくできるか勉強する。
ハーバード大学教育学大学院教授のハワード・ガートナー教授は、人間には 8 種類の知能があるといいます。言語、論理的・数学的、音感、空間、身体・運動、人とのコミュニケーション、自分とのコミュニケーション、自然との共生です。
大学までに求められていたのは、「言語」、「論理的・数学的」、「人とのコミュニケーション」に偏っている。
この三つ知能が得意な人が成績が良いとされ、それ以外が尖っている人は落ちこぼれと判定されてしまう偏った成績評価をされている。
そのような人も別の知能が優れている可能性が高いため、自分がなんとなくやりたい、やれそうと思える表現フォーマットを決めて、とりあえず試してみる。