第3章 伝えるを分解する
通用しなくなった、愛のムチ
「相手の中に答えがある」は本当か?
- コーチングは傾聴が大事ときくと、教育、指導、叱責、評価など伝えることをしてはいけないのではないかと思ってしまう
- 聴くも指導も叱責も何かの目的のための表現手段の一つ
- 聴くよりも伝えるを選択したほうがよい時はたくさんある
- 伝え方を見直さなければいけないと感じている人も多い
聴くが適した領域、伝えるが適した領域
- 価値観や感情など、その人が何を大切と思うのかという領域は聴く
- タスクレベルの言動レイヤーのことは聞く(伝える)
昔は、聴いてもらえる環境があった
- 昔は、厳しいことを言われたその日の夕方「飲みに行く」職場の身近な人が自分の考えや気持ちを聴いてくれる場があった
- PIマトリクスの左下が聴かれていればいるほど、右上(タスク)に対する言動が厳しくとも受け取れることが多い
- 経済成長が止まり、終身雇用や年功序列により社会や会社によってのPIマトリクスの左下(人生・キャリアの価値観・感情)の安心感がなくなった
- 聴くも伝えるも目的に対しての手段の一つ
- 目的は、事業推進、課題解決、組織の活性化、相手の成長・幸せなど
フィードバックマトリクス
各象限へのフィードバックのポイント
- ゾーン①
- きちんと言葉にして伝えることが大切
- 仕事の成果はもちろん、相手の強みや良い点についての感謝や「助かった」と貢献を伝える
- ゾーン②
- 不足を伝えるか、理想を伝えるか、
- 伝え方を優しく伝えるか、厳しく伝えるか
- ゾーン③
- 「貢献の瞬間を見逃さないこと」
ゾーン①:きちんと言葉にして伝える
きちんと言葉にすると、貢献度と発生頻度がさらに高まる
ゾーン② 4つの伝え方を使いこなす
4つの伝え方とは
- 不足を伝えるか、理想を伝えるか、
- 伝え方を優しく伝えるか、厳しく伝えるか
- 例えば、悪い報告を隠しがちな部下がいた場合
「不足を伝えると」と「理想を伝える」の違い
- ①,③のメリットは、悪いところ、直してほしいところがシンプルにわかりやすい
- ①,③のデメリットは、「脳内にイメージしたものを実現しようとする」という習性が働いてしまう、つまり不足を指摘するとその発生頻度が高まりやすくなる
- 理想を伝えることのメリットはその逆になる
「厳しく伝える」が機能する2つの条件
- 「動機×信頼」の2つの条件
厳しく伝えても、優しく伝えてもダメな時がある
- ゾーン2のしごとが直らないばかりか、図に乗られることさえある
- こうしたときに有効なのが「注目する切り口」を工夫する
ゾーン3:「貢献の瞬間」を見逃さない
ゾーン2の例外を探す
- ゾーン2ではなく、ゾーン3に注目してポジティブフィードバックをするということ
- ゾーン3の仕事は見つけづらい
- 見つけ方としては、多くの場合、ゾーン2の裏側にいることが多いため、ゾーン2の例外を探す
- ゾーン3に対してポジティブフィードバックをすることで、ゾーン3の発生頻度が増え、結果的にゾーン2の発生頻度が下がる
10回に1回を見つけ、感謝・貢献を伝える
- ゾーン3の仕事は見つけることも、ポジティブにフィードバックすることも根気が必要
FBマトリクスを応用する
- ゾーン3に注目するというのは、B、C、Dのそれぞれの仕事に対して、「いつもより貢献度の高い仕事に注目する」
伝える時に大切にしたい、2つの聴く姿勢
相手の肯定的意図を、まず、ちゃんと聴く
- 相手の肯定的意図を「まず、ちゃんと聴く」
自分の肯定的意図を、「まず、ちゃんと聴く」
- 自分は何を大切にしているから相手に伝えようとしているのか。伝える行為の背後にある肯定的意図は何か
【読書メモ】まず、ちゃんと聴く。 コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比 櫻井 将 (著) Part 1 - アウトプットを頑張る