第4章「聴く」と「伝える」の黄金比
両立のためのヒント
テーマによる使い分け① PIマトリクスをベースに考える
多様性が重視される時代において、感情・価値観は、評価・判断の対象ではなく、withoutジャッジメントでの関わり方が適している
タスクレベルの言動、思考は伝える・聞くのほうが向いている
テーマによる使い分け② こだわりがある時は、まず聴く
- 相手が多くの意識、時間を割いていることに、なにか主張をしている場合は、まず聴くことがおすすめ
- 相手のこだわりに向き合い際に注意ポイント
- 1つ目、自分にもこだわりがある場合 ⇒ お互いにこだわりがあり、意見のぶつけ合いになってしまうケースがある
- 2つめ、自分が過去に似た状況や仕事を経験したことがある場合 ⇒ 自分が経験している時とは時代・背景・状況が違うのに、自分の経験が邪魔をし、相手の話を聴けなくなってしまう
- こんな状況にこそ、まず、ちゃんと聴くことが大事
- 一番厄介なのは、感情的になっているのに、自分はそれに気づいていないこと
テーマによる使い分け③ 最初の5秒は聴く
- ほとんどの場面において、「最初の5秒間は聴く」ことが有効
- 相手が自分と違う選択・意見を持っていても、「聴く」
- ポイントは信念と非言語スキル
テーマによる使い分け④ 時期を見極める
- 長い時間軸でも使い分けも大切
- 3ヶ月のプロジェクトのなかで、相手の状況に合わせるなど
- 相手の時期と状況を見極め、自分自身の肯定的意図を信じて聴くと伝えるを使い分ける
人による使い分け 1人でやろうとしない
- 聴くと伝えるを、全て1人でやろうとしない
相手に応じた使い分け① 相手に確認する
- 自分で使い分けを判断せず、相手に確認してしまうという方法
- 「聴く」と「伝える」に絶対的な正解はない
相手に応じた使い分け② 相手の興味・関心があるテーマを話題にする
反応が薄いメンバーとの1on1をするときに役に立つのが次のフレームワーク
成長志向型とトラブル型は1on1しやすい
- 平静型と自信過剰型は難易度が高い
- この型は人ごとではなく、テーマごとに決まる
- 平静型と自信過剰型とは、メニューを見ながら「この中で、あえて話したいことを一つ選ぶとすると、何かある?」と尋ねて、1つぐらい成長志向型・トラブル型のテーマを見つかる
「聴く」と「伝える」に共通する「観察力」
聴く技術、伝える技術を活かす「観察力」
- 今の場において、「聴く」か「伝える」なのか、判断するのは「観察力」
観察力を定義するのではあれば「相手や場を五感で感じ取り、自分でどう振る舞うことが相手の場にとってよいことが起きるかを決める力」
- 観察力は、過去の体験をもとにつくられている
- そのためアンラーンやリスキリングする必要があるかもしれない
これらの8つのスキルを聴く・伝える・両立する技術で分ける
使い分ける技術の土台が観察力
聴くと伝えるの選択に影響を与える3つの要素
観察力に基づく聴くと伝えるの選択には、相手・自分・関係性の3つの要素が強く影響を与える
- 相手・・相手への理解が深まっていくと、確認をしなくても相手の嬉しいと感じられる選択が自然とできるようになる
- 自分・・年数や経験を重ねるほど、選ぶ技術・スキルが固定化しやすい。そのため観察において自分自身がどのような癖を持っているか知っておくと、その場に応じた使い分けができる
- 関係性・・相手との信頼関係があるか。自分と相手との知識・経験レベルの差。そのテーマにおける関係性。
自分の観察力に、建設的な懐疑心を持とう
「自分の観察力に対して、自覚的になること」しか方法はない
- 自分はどんな判断をする癖があるのか、その癖を生み出している自分の価値観や信念がどんなものなのか
- 観察力は無意識につかわれることがほとんどのため、自分自身では意識をむけづらい
- 終身雇用、年控序列時代とは異なるコミュニケーションが求められる時代には、観察力をアップデートしようという意識は、自身を助けることになる