第3章 言葉に矢印を込めよう
世界で最も偉大な発明をした人
- 開高健さんは「ライオンという言葉を発明した人」と答えている。
開高さんの講演録「経験・言葉・虚構/地球を歩く」(新潮社)から、そのエピソードを紹介する。
強力な脚を持ち、鋭い爪を持ち、
ものすごい牙を持っている、混沌とした恐怖の塊り。
速くて、痛くて、鋭い、恐ろしい混沌の塊りなんですね。
ライオンじゃなかったわけです。 ところが一度これに「ライオン」という言葉をつくって、
当てはめてしまいますと、
ライオンはどうなるかというと、
人間の意識の中で変わってしまう。
やっぱり依然として、鋭くて、速くて、
恐ろしい牙を持っているけれども、
ただの四つ足の獣に変わってしまうわけですね。
ここで克服できたわけです。
言葉 ⇒ 概念 ⇒ 行動
- 混沌の塊り ⇒ ライオン ⇒ 戦える
- 混沌の塊り ⇒ ライオン ⇒ 逃げる
- どう行動すればよいか、恐ろしさを克服できる
言葉を企画するということ
コピーを書くとは、言葉を「企画」すると言えるのではないか
企画の意味
実現すべき物事の内容を考え、その実現に向けての計画を立てること。立案すること。また、その計画や案。(類義の語に「計画」があるが、「計画」は行うべき物事の内容がおおむね決まっていて、その実現・手順などを前もって考える意。それに対して「企画」は目新しく好ましい物事の内容を具体的に考え、その実現に向けて手はずを整える意を表す。)
企画とは「幸福に向かう意志」である。 「⇒(矢印)」
DJポリス
「ものは言いよう」という魔法
- どうすれば「A⇒B」の矢印をつくることが出来るのだろうか?
- 「ものは言いよう」
- ピンチ ⇒ チャンス
- 雨が降る ⇒ 虹が見られる
- 好きな人にフラれた ⇒ 心の痛みがわかる人になる
- 人の少ない街 ⇒ 閑静な住宅街
ポジティブ眼を持とう
- 世界は変換の対象なのだ、と思ってみる。
- 世界はそう簡単に変えられない。受け取り方は、自分の見方次第で変えられる
3つの接続詞で企画はできる
- 自分の「経験」から「本質」を見つけ出し、そこから「企画」を生み出す
- 思考のフレームワークは3つの接続詞を使うことで劇的に考えやすくなる
「そもそも」「たとえば」「つまり」
- まず問いを立てる「そもそも」からはじめる、「そもそもそれは何なのか?」を考えてみる
枕詞を疑おう
- 当たり前の中にこそ出発点がある。そのためにも「枕詞」を疑ってみたい
- たとえば「愛」の枕詞は、永遠の愛、無償の愛、かけがえのない愛・・など
- 永遠の愛なんて本当にあるのだろうか?
「〇〇的」を思い浮かべてみよう
- 次に「たとえば」
- 考えたいことに「的」をつけて考えてみると考えやすくなる
- 「〇〇的」から感じる経験をとにかく思い出していけば良い
自分なりの本質を定める
- 最後に「つまり」。広げた円から覚悟を決めて絞り込んでいく
- そもそもで問いをたて、たとえばで無責任に考え、つまりで覚悟を持って決める
「言外の情報」があるかどうか
- 選ばれるコピーは、コピーを読んで意識の引き出しを開けてそこからあふれてくる思いを味わっている。
- 「情景が思い浮かぶ文章」
愛と書かずに
愛を伝える、
言葉を探そう