はじめに
心配事の97%は起こらない
- 私たちが抱く悩みや心配の大半は取り越し苦労というデータでも確認された事実である。
- ワイルコーネル医科大学のロバート・L・リーヒらが行った調査。
不安症に悩む男女をあつめ全員に日々の心配の内容と、その心配事が実際におこったかを2週間にわたって記録。
◎不安症の人が抱いた心配事の85%は実際には起きなかった
◎不安が現実になった場合でも、そのうち79%は予想より良い結果が出た
◎心配事が予想より悪く終わるケースは全体の3%だった
- 現代人の苦しみが絶えないのはいったいなぜか。
- 個別に対処ではなく、より包括的なアプローチを試みている。
次の2ステップ
- ①人生において「苦しい」とはどのような現象なのかを考える
- ②あらゆる「苦しみ」の共通項を見極めて普遍的な対策を立てる
最高の状態に導く
- 最高の状態とは、生まれながらにもつ判断力や共感力、好奇心といった能力を存分に発揮できるようになった姿
序章 苦
人類はみな生まれつきネガティブである
- ネガティビティバイアス 人間はポジティブな情報よりもネガティブな情報の影響を受けやすい。マイナスなことほど記憶に残る。
脳には、感情に関しての2つのシステムがある
- 嫌なことはあとまで残る
- 良いことはすぐに忘れる
第1章 自己
ニーズが満たされない状態
- チンパンジーやクジラなども「苦」の感情を持っているが、人間との違いは苦しみをこじらせない。
- 人間がネガティブな感情に襲われる時は「ニーズが満たされない状態」である。
私たちの感情の機能
- 怒り・・自分にとって重要なきょうかいが破れたことを知らせる
- 嫉妬・・重要な資源を他人が持っていることを知らせる
- 恐怖・・すぐそばに危険が存在する可能性を知らせる
- 不安・・良くないものが近づいていることを知らせる
- 悲しみ・・大事なものが失われたことを知らせる
- 恥・・自己イメージが壊されたことを知らせる
二の矢が刺さるか
- すべての生物は生存にともなう根本の苦難からは逃れられなず、最初の苦しみだけは受け入れるしかない。
- 最初の悩みがまた別の悩みを呼び込み、同じ悩みが脳内で反復される状態を「反芻思考」と呼びます
自己とは
自己は消せるのか
- 自己は日常的に生成と消滅を繰り返し、「わたし」がなくても問題ない状況が多く存在する
- 自己は人間が持つ多くの生存ツールのひとつであり、感情や思考といった他の機能と変わりはしない