エピローグ
僕たちに希望は必要ない
問題がのこっていることを告白しなくてはならない。
世界がめちゃくちゃに壊れているという問題だ
- 北極圏で気温33度を記録
- 新型コロナウイルスの世界中の流行
- 大規模な山火事
- 危険なゴムボートでの海を渡る難民があとを絶たない
こんな時代にある、従来のタイムマネジメントは近視眼的なアドバイスだ。
視野を少し拡げ、時間の使い方という新たな緊急性を帯びていることがわかる。直面している危機を解決できるかどうかは、1日の時間を一人ひとりがどう使うかにかかっている。
希望を捨てたとき、あなたは自分の力で歩みだすことができる。自分の限界を認めるとは、すなわち希望を捨てることだ。
世界を完璧なものにしようとする無駄な努力をやめれば、自分にできることを始められる。何もかもをやるという幻想を手放せば、本当に大事なことだけに集中できる。
付録
有限性を受け入れるための10のツール
1.「開放」と「固定」のリストをつくる
やることリストを「開放」と「固定」の2種類に分ける。
「固定」のリストの量は最大「10個」のように上限を決めておく。
2.先延ばし状態に耐える。
1度に取り組むのは一つのプロジェクトに限定しよう。
3. 失敗すべきことを決める。
人と時間とエネルギーには限りがある。そのため失敗は避けられないと思ったほうがいい。
大事なのは、戦略的に失敗することだ。
人生のどの場面で失敗を許容するか、あらかじめ決めておく。
4.できなかったことではなく、できたことを意識する
「やったことリスト」を活用する。
毎朝リストが空っぽの状態からはじめ、1日のうちに達成したことを少しづつ記入していく。(「歯磨き」「コーヒーを淹れた」など簡単なことも追加してもかまわない)
5.配慮の対象を絞り込む
SNSなどは情報が多すぎる。SNSに惑わされず、自分が配慮すべき問題を意識的に選ぶ。
6.退屈で、機能の少ないデバイスを使う
SNSアプリを削除、可能ならばメールアプリも削除。
画面表示もカラーからグレースケールに。
機能がなるべく少ないデバイスを使うのも賢い選択。
単一機能のKindleなど
7.ありふれたものに新しさを見出す。
人生の残りの週が少なくなるほどに、その減少速度も加速していくように感じる。
理由は諸説ある。
もっとも説得力ある説明は、脳が一定期間に処理する情報量の減少だ。脳波情報量の多さで年月の経過を図っているため、新しい情報が入ってこないと、あっという間に時間が過ぎたように感じられる。
中略
よくあるアドバイスは、人生に新しい経験を詰め込むことだ。しかしこれは難しい。
解決策は、ありふれた一瞬一瞬にもっと注意を払う。
いつもと違う行動ではなく、いまある人生に深く潜り込み、日常の内側に新しさを見つける。
瞑想や、気まぐれに散歩、いつもと違うルートで通勤。
写真を撮ったり、日記をつけたり、子供と真剣に遊ぶのもいい。
8.人間関係に好奇心を取り入れる
相手を思い通りにしようとか、自分の言い分を通そうなどとは考えずに、「目の前の人は誰だろう、どんな人だろう」と考えてみること。
「次に何が起こるだろう」とわくわくしながら生きてみよう
9 .親切の反射神経を身につける
他人に親切をしたいと思ったとき、即座に実行してしまうこと。
10.何もしない練習をする
人生の4000週間を有意義に過ごすためには、「何もしない」能力が欠かせない。
- 「何もしない瞑想」
- タイマーセットし、椅子に座る(最初5分,10分)
- そのまま何もしないように努める
- 考え事しない、呼吸に集中することもしない、自分が何かをしているなと気づいたら、落ち着いてそれをやめる
- タイマーがなるまでただ座っている