2章 指示よりも大切な「聴く」行為
一人ひとり考えは違うから、一人ひとりに聴く
- 1:nで、全員にコミュニケーションを行うと同時に、1:1の時間をとり、「話を聴く」
1on1でメンバーの「もやもや」を解消する
- ほんの少し悩ましいことがあって、どう解決したらいいかわからない。さらに自分の業務に影響もあるかといえばそれほどでもない。そんな「もやもや」を気軽に話し、共有する。
1on1ミーティングの基本
ヤフーでの1on1ミーティングの定義
「マネジャー(リーダー)がメンバーのために定期的に時間を割き、メンバーの話に耳を傾けることを通して、目標達成と成長を支援する場」
1on1ミーティングの基本は以下の3つ
- ①リーダーがメンバーのために、定期的に時間を割く
- ②メンバーの話に耳を傾ける
- ③目標達成と成長を支援する
①リーダーがメンバーのために、定期的に時間を割く
1on1ミーティングは「メンバーのための時間」である
- 頻度としては、毎週、2週間に1回、1ヶ月に1回など。チームにおける1on1の頻度としては、それ以上間が空くのはあまり望ましくないように思える。
メンバーの話に耳を傾ける
基本はメンバーが話し、リーダーは聴く - 適格なアドバイスも必要なく、ただただ、メンバーにたくさん話してもらう
- 話すことで、自分で何が解決すべき課題かを考え、問題になっていることは何かなどが整理されていく
たくさん話してもらうための下準備
- 大前提、そもそもの人間関係をつくっておくことが不可欠
「聞いています」のサインを送る
- 姿勢や表情、うなずきなど、リアクションを使って相手にサインを送る
話を広げる問いかけ、掘り下げる問いかけ
- 返事だけでなく、質問も交える。
5W1H
- いつ
- どこで
- 誰が
- 何を
- なぜ
- どのように
具体と抽象の軸
- 具体と抽象を補完するように問いかける
抽象 ⇒ 具体
具体 ⇒ 抽象
「もう少し詳しく教えて」と深掘りする質問と、「他にある?」と広げる質問
聞き手が相手の思考をサポートしていく
- 話を先に進めるだけでなく、時に立ち止まり、「詳しく教えて?」と深掘りや、「他にある?」と広げる
目標達成と成長を支援する
- 話を聞くだけの環境ではなく、メンバーの成長につなげる
そのためには、メンバーにたくさん話してもらったあと、そこから気づき(教訓)を得てもらうようにしよう。
上記のコルブの「経験学習サイクル」が近いイメージ
メンバーの気づきにしてもらうには、リーダー側から「答え」を伝えてしまっては意味がない。
伊藤羊一さんのコーチング例
- 課題解決サイクルをベースの流れとして、前回の1on1から経験したことを気づきの材料にする。
- ①How? 1週間どうだった、上手くいった?(いかなかった?)
- ②Where? 具体的にはどこがうまくいった?(いかなかった?)
③Why? それはなぜうまくいった?(いかなかった?)
ここまでで、自分の強みなどに気づいてもらう。
④When? What? いつまでに、何をする?
- 行動をコミットしてもらい、1 on 1 を終了する。
ヤフーの1on1の達人 本間浩輔さんがよく使う3つの言葉
- もう1度聞くよ?
- 「・・・」と考えているんだね
- 「〇〇」ってたくさん言っていたけど、大事なんだね。
質問を投げかけたあとも、きちんと「間」をとって、じっくりと考えてもらう。