第5章 リーダー必見!チーム「初速」を上げる方法
初速が「遅い」リーダーと「早い」リーダーの相違点
- チームの初速を早めるために、チームリーダーの役割を解説
初速が遅いリーダーの五つの共通点
- ①タスクの途中で何度も考えがブレる
- ②メンバーの「やる気」をアテにしている
- ③「べき論」で考えるため、明確な指示を出していない
- ④「職責」と「評価」を曖昧にしている
- 初速が遅いリーダーほど、マイクロマネジメントをやりがち
- ⑤行動実験を繰り返さず、ラッキーを待っている
初速が早いリーダーは、成果を出す仕組みを作っている
- 初速が早いリーダーは、遅いリーダー対極の行動を取る
- 継続的に成果を出し続ける「仕組み」を作って、チームメンバーが「自律型(自分で考えて自発的に行動する)」で「自走型(自分のちからで前に進む)」働き方ができる
初速が早いリーダーの五つの共通点
- ①最初に目的や意義を伝える
-【目的】なぜこのタスクをやる必要があるのか?
-【成果】具体的なゴールはどこにあるか?
-【意義】ゴールを達成すると、どんなメリットが生まれるか?
- 目指すべき方向を共有することで、ゴールまでのプロセスをメンバーに任せる状況を整えている
- 困ったときや苦しいときだけ手を差し伸べる「伴走型」のコーチングしている
- ②タスクの優先順位や判断基準の「軸」を示す
- ③チェックポイントを設けて、「見せる化」の習慣を作る
- ④仕事の入れ替えをして、作業が始められる環境を整える
- タスクを頼むときに、その仕事は来週で大丈夫だから、こちらを今週にやってほしいなど、新たな仕事に手を付けやすい環境を整える
- ⑤メンバーの強みと弱みを掛け合わせて、人手不足を乗り切る
- 5人で上げてきた売上をどうすれば3人で挙げられるかを常に探し続ける
どんな目標を設定すれば、チームの初速が上がるのか?
- 次の3つのポイントを意識して、チームの目標を決めている
目標設定①ちょっと背伸びをすれば手が届く「ストレッチゴール」を設定する
人間は実現可能性があって、現在の実力より少しだけハードルが高い課題にチャレンジするときが、最もやる気が出て、モチベーションが高まります。
目標設定②適切な目標は行動実験を繰り返して決める
- チームとして行動実験を繰り返していくことで、チームとしてのレベルを読み解ける
- ポイントは「ちょっとだけ背伸びをする状態」を常に意識し、状況を見つめて、適正な水準を探し続けること
目標設定③目標はできる限り定量化、数量化して伝える
- あと一歩頑張って欲しいという曖昧な目標ではなく、「売り上げを1.3倍にする」など具体的な数字やデータで示す必要がある
- 成果を出し続けるビジネスパーソンは「100」という目標が設定されたら、自分には「110」を課している
チームの初速が上がる「指示」の出し方
- タスクを始める前の段階で、メンバーに指示出す際に、次の三つを確認する
確認①タスクの「3W1H」を明確に伝える
- Who(誰が)、What(何を)、When(いつまでに)、How(どのように)
確認②早い段階での「イメージ合わせ」の重要性を共有する
- 「進捗20%チェック」で下書きレベルでもよいから、「イメージ合わせ」をすることの重要性をリーダーとメンバーが共有しておく
確認③フィードバックするときは「承認サンドイッチ」を使う
- 「ありがとう + 依頼 + ありがとう」と伝える
グローバル企業の上司のメンバーとの向き合い方
- グローバル企業の上司は、マネジメントのプロとして仕事をしているため、チームやメンバーが目標達成しなければ、自分のポジションを失うことになる
- リーダーは上司というよりも、仕事のパートナーとして、「ゴールに到達するためには、どうしたらいいのか? 」をお互いが相談しあい、対話を重ねる
- リーダーとメンバーの関係は、運命共同体の同士という感覚
メンバーの士気を高める上手な「褒め方」とは?
- モチベーションを高めるために「褒める」ことの大切
- 次の三つの視点をもって士気を鼓舞する
視点①メンバーの「能力」や「内面」に目を向ける
- 相手が持っている本質的な能力の高さを褒める
- 成果ばかりではなく、メンバーのスキルや行動力の高さに目を向けることが大切
視点②成果だけではなく「プロセス」を褒める
- 成果を出すまでの取り組み方を褒める
視点③「存在承認」と「行動承認」を心がける
メンバーの「ポジティブサイド」に目を向ける
- 精神科医アルフレッド・アドラーは、「人間はわかり合えない存在だ」
- 上司と部下、リーダーとメンバーも、基本的には「わかり合えないものだ」と考えることが大切
- 欠点ばかりに目がついてしまう場合、それを裏返しにするとすべてが褒める要素になる
優秀なリーダーは、メンバーをどう叱っているのか?
メンバーが何か失敗をしても、それが行動実験によるものであれば、叱るのではなく、「その失敗からどんなことがわかったのか?」を聞いて、メンバー全員とその情報を共有します。
- リーダーが叱るのは次の三つのケース
【ケース①】アクション(行動実験)を起こさない
【ケース②】失敗から得た学びを生かしていない
【ケース③】同じミスを何度も繰り返している
- 失敗を責めず、学びを褒めるという姿勢を貫いている
「ポジティブな未来像」を共有すると初速が早くなる
- 行動した先に得られるイメージをメンバーと話し合い、その未来像を映像化して共有する
成長するチームに根付く「ファン&ラーンの法則」
手が届くギリギリの目標をメンバー全員で共有して、それを達成するために必要な行動実験を、メンバー全員が楽しんでやっていることです。
- 大事なポイントはメンバーが行動実験を楽しんでやっていること
- 成功だけ目指していると、プレッシャーに押されて動き出しが遅くなってしまう
- 行動実験から、学びを得ることが目的という考え方がチームに定着していれば、積極的に行動することがでkる
チームミーティングでは、タスクの成功や失敗だけを問題にするのではなく「失敗によってどんなことがわかった?」「成功によってどんなことを学んだ?」など、そこから学んだインサイト(本質を見抜くこと)をメンバー全員で共有することが大切