5章 組織を超えて集まる「ヨコの場」のつくりかた
新しく立ち上がる組織を「チーム化」する
一からチームを立ち上げ、一人ひとりメンバーを集める上で参考になるのは、ディスカバリーチャンネルがYoutubeで後悔している動画「覆面ビリオネア」だ。
- もう一つは、既存組織に所属しながら匿名的に横断してプロジェクトを組む
- 部署横断だけでなく、会社同士のプロジェクトだと、そもそも共有している価値観が違うためさらにやっかいになる。
部署横断プロジェクトが「やっかい」な3つの理由
原因1 権限と責任がはっきりしない
原因2 日常的に話すことがないメンバーが集まる
原因3 元々の所属組織の利害関係
まずは、チームとなろう
横断プロジェクトは、結成されたばかりでは「チーム」になっていない。
チームビルディングをし、「共通のゴールに向かって進んでいく集団」にする。
「共通のゴール」つまり、プロジェクトの「目的」をはっきりさせることが最初の仕事
どうにかして消したいのは、原因3の「自組織の利害」
消すために、一番効果的な手段は、自組織のリーダーより仲良くなってしまうこと。その人が自組織で抱えている問題なども、聞き出しながら、その利害を理解しつつ、解決策を一緒に探れるようにすれば良い。
プロジェクトチームはメンバー全員が強くゴールを意識して行動しないとゴールを達成できない。通常の組織のルーティンとは違い、プロジェクトは、結果へのコミットがなければ進捗しない。「達成するか、ゼロか」だ。
忙しいプロジェクトだからこそ、1日5分の1on1
プロジェクトチームにおいては、通常のチーム以上に、1on1ミーティングでの関係構築や、1人ひとりが抱えている課題解決を行うことが、リーダーの重要な役割になる。
基本的なコミュニケーションは通常のチームづくりと同様。「有事はfollow me. 平時はafter you」
明確に期間が決められていないプロジェクトは「平時」
「来年4月までに完成」と時間の制約が厳しいプロジェクトは「有事」
時間の制約によって、1on1ミーティングの時間と頻度は変えたほうがよい
- 平時であれば、通常業務における1on1同様、週1回、または2週に1回の30分程度の時間を取り、ゆっくり話す。
- 有事では、逆に頻度を高め、1回の時間を短くする。
ステークホルダーとの関係を良好に
メンバーだけではなく、そのメンバーの所属組織まではたらきかけ、その組織のリーダーとも人間関係をつくっておくとよい。
最後はみんなでハイタッチ
メンバーが「このプロジェクトに参加してよかったな」と思えるようにすることが大事だ。
プロジェクトが少し進捗したらみんなで集まってハイタッチ、必ずしも現実に手と手をあわせなくてもよい。そんな気分になれればよい。
チームとして「進んだ」「乗り越えた」「ゴールを達成した」と確認したらそれぞれの持場に帰ればよい。
6章 みんなで踏み出す
想定外のことが起こるのは、当たり前
重要かつ難しいのは「実行」フェーズ
仕事は、実行することで成果につながる。すべての準備は実行するためにある。
準備フェーズと実行フェーズでは明らかに難しさが異なる。
- 実行フェーズでは想定外のことが起きる。
しかし、完璧に準備してから始めることはできないし、準備段階の「絵に書いた餅」は、本番ではまずうまくいかない。想定外のことが起きるのだ。
- 新しいことは、試さないとわからない。だから踏み出す。
踏み出すための2つのポイント
①小さく踏み出す
②みんなで踏み出す
踏み出すより、継続するのはもっと大変
- 踏み出したら、成果を生むために行動をし続ける。
継続のために必要なものは2つ
志
- 継続しながら、成長実感を持てることが大切
- 志は「必要条件」
振り返り
- 振り返りは「十分条件」
チームで行う振り返り
チームを成長させるのはリーダーの仕事だ。振り返りは、習慣化しよう。
次のステップで一人ひとり全員が伸びていく
- ① 感想を述べる(楽しかった!とかでよい)
- ② そこからの学びや気づきを考え、述べる(感想を一般化する)
- ③ ②に基づき、今後どうするかについて考え、述べる(未来につなげる)
起きたことを糧にして、一般化していく。それをチームの力にしていくのだ。
軌道修正のタイミングは逃さない
チームで物事を進めていく上で、リーダーが意識しておきたいものがもう一つ。軌道修正のタイミング
リーダーは俯瞰して、「有事」を見極める。
- リーダーはマクロの目を持ちながら、メンバー一人ひとりの状況や動きをミクロの視点で毎日見続けることが求められる。
リーダーはどこまで口を出すのか?
最大のパフォーマンスを目指しながら、メンバーの成長も同時に実現する、ということを考えたときの「最適解」を求めて、言ったり、言わなかったり、柔軟に行き来できればよい。
- ひとつ意識するのは、リーダーとして、常に「自分なりの答え(仮説)」を先回りして考えておくということ。
リーダーとしての信頼は、「指示がどれだけイケてるか」で得るのではなく、メンバー一人ひとりと真摯にどう向き合うか、そしてどれだけチームとしての成長を考え、実行していくかによるのである。
終章 あなたはどうする?
最後には、自分が変わることを決める
- リーダーとして、チームをつくっていくときに大事なのは、決してスキルではない。
◎ヒエラルキーではなく、フラットであれ
◎ 自分ではなく、メンバーを活かそう
◎そのために話を聴こう
- マインド、スタンスの問題
「固定概念」を捨て、フラットになろう
これまでの経験を否定しなければいけない部分も、あるかもしれない。それはつらいことかもしれない。ただ、それができるかできないかは、あなたが何を成し遂げたいか次第だ。
さあ、あなたはどうしますか?