はじめに スタンフォード大学で到達した理論より大切な「感覚」
- 牧場研修(ホースローグ。旧ホースコーチング)は著者が数字、論理に追い求められていたときに、感覚的な要素の大切さに気づけた県有
アップル、フェイスブック(現メタ)、ナイキ、アウデイ、ヒューレット・パッカード、セールスフォースなど、名だたるグローバル起業でも研修として取り入れた実績があります。
他の方々が牧場研修の効能を証明しようとする試みを否定するつもりはありませんが、私自身はやらないことにしています。医学部は事実と論理の世界です。それが得意な人たちが多くいますし、私もその一人です。ですが、理詰めで馬(牧場研修)の効能を証明しようとすると、こぼれ落ちてしまうものがたくさんあります。それらを無理に証明しようとして、この研修の価値を矮小化してしまうことは避けたいのです。
- 自分の思い込みや理屈に縛られず、自分の感覚を信じて周囲と接するー。それこそがリーダーシップの本質、牧場研修で得られる気付きの本質
Chapter 1 人、チームの可能性を広げる「しなやか」で「柔軟」なナチュラル・リーダーシップ
気づかないうちに「リーダーらしいリーダー像」にとらわれている
リーダーと言われて、あなたが思いつく人は誰ですか?
- 日本の大企業向けの幹部候補のリーダーシップ研修で多く挙がったのは、オバマ元大統領、クリントン元大統領、スティーブ・ジョブスなど
- リーダーになれると思いますか?という問いにはほとんどの人が手を挙げれなかった
- 多くの方が、無意識のうちに既存のリーダー像を理想と思い込み、そのようなリーダーにならねばと、自分で自分を縛ってしまう
- 優秀なリーダー像、強いリーダー像から脱却し、これからの時代に目指すのが、「ナチュラル・リーダーシップ」組織の進化と転機となる
自然が教えてくれる激動の時代に求められるリーダー像
- 著者は、リーダーとしての在り方には「自然」にある
ナチュラル・リーダーシップは新世代リーダーの必須スキル
- これからの時代に求められるのは、状況の変化に臨機応変に対応すること
- そのためには、自らの「埋もれている力」を引き出す、その埋もれている力が「感覚」の中にある
- 社会に適応するのに、私は「どう感じるか」ではなく、「私はどうすべきか」と思考ばかりがフル回転している
- 「感覚」を呼び戻すために「雄大な自然の力」を借りる
「ありのままの私が、自然や他者の一部であるという感覚に基づいて発揮するリーダーシップ」
私は、ナチュラル・リーダーシップをこのように定義しています。
P.26 引用
ナチュラル・リーダーシップで起きる4つの効果
- 上から、自分の内面の変化、他者の捉え方の変化、ビジネスシーンでの自分の在り方の変化、結果として、プライベートの関係性も劇的によくなるという変化
効果1 いつもナチュラルでいられる
- 相手や環境に合わせて自分を偽ることがなくなり、本来望んでいない姿やことをやらなくてすむ。
自分の感覚に忠実に、相手と向き合うことで、相手の気持ちも的確に受け取ることができ、自分もナチュラルなままでいることができる。
効果2 自分以外の存在に関心を寄せることができる
- 部下にこうあってほしい、こう変わって欲しいという自分の想いを一旦脇に置く
相手のことは予測ができず、コントロールもできません。それでも相手に関心を寄せ、相手を信じる感覚です。
- 関心が自分に向いていると、自己評価をあげることや評価が下がることへの不安がつきまとっているが、関心が他者に向くことでの恩恵を受け取れる
効果3 今の時代に求められる「ニュータイプ」になることができる
- これまでは「問題解決力」の高い人が評価されてきたが、今の時代は「問題発見力」と「ビジョンを描く力」が必要 (ニュータイプの時代 山口氏)
- ニュータイプは、ルールにとらわれず、自らの感覚を信じて他者と共に生き残るといった世界観
効果4 プライベートにもポジティブな変化が起こる
- ナチュラル・リーダーシップを学ぶ途中で、プライベートにおける課題感も発見し改善アクションを取る
- 自分らしさを取り戻し、他者に関心を寄せるプロセスは家族や友人との関係にもポジティブな影響を及ぼす
ナチュラル・リーダーシップは3ステップで身につける
- 私たちは日々の生活の中で、さまざまな「ルール」や「常識」にとらわれている
ナチュラル・リーダーシップを身につける3つのステップ - ステップ1 個人の内部が変容 - ステップ2 二者間の関係性が変容 - ステップ3 組織での関係性が変容
人間は誰しも社会の中で「2つの檻」に閉じ込められている
- ナチュラル・リーダーシップはこれまでの手法が適用しなくなってきたと感じている方に、特に役立つ
人間社会の2つの檻
- 1つ目の檻・・他者との争いを強いる「競争の檻」
- 就職活動、社内での出世争い、企業同士など
2つ目の檻・・言葉の檻
- 常に言葉に縛られている
- 自分の発した言葉、他者から発せられた言葉、社会から発せられた言葉
社会に生まれたと同時に上記2つの檻に放り込まれる
- 親かそれに変わる人の庇護のもと
- 地域の文化、幼稚園、保育園、小学校などの組織の型
- 会社の風土、業界の慣習
- 日本という国の価値観、資本主義という経済システムの価値観
- 歳を重ねるごと、多くの情報を得て「思考」が強化されていrく
- 自分の根っこを育てることなく社会の型が刻まれていき、自分の内側の感覚に鈍感になってしまう
しかし、今の時代、人間はより感覚に忠実に生き、自分らしさを取り戻すこと、他者とも自然界にみられるようなフラットな関係性を築くことが求められている
2つの檻から出るには、自らにこびりついた「固定観念」を剥がしていく必要がある
その方策がCHAPTER2 の内容