第7章 活躍する課長が備えている5つの機能
機能1 組織長としての正当性 = 個の力
- 課長は個人として(1)人望があり(2)知識と経験を有していないと組織長としての正当性を周囲に示せない
課長の条件(1)高い人望
- 1.現状(is)ばかりでなく、どうあるべきか(Should)についてのビジョンを持っている
- 2.自分の責任範囲を超えて、全体のために「善いこと」をする気力に充実している
- 3.他の皆があきらめるような最悪の状況でも、ポジティブに笑顔で前進することができる
課長の条件(2)知識と経験
- 問題が発生したら、いきなり我流でこなそうとせず、まずは先人の知恵を参照する
- 目にしている問題は、人類史上はじめて発生していることはまずない、先人たちが残してきた数多くの対処方法が「書籍」という形で残されている
5.少なくとも2つの分野において、組織内では専門家と言えるレベルにある
- 6.数多くの挫折や修羅場を乗り越え、他人に認められる成功体験を経てきた
機能2 指示を受け、指示を出す = 経営情報の翻訳
課長の条件 「指示を正しく理解」
- 7.多種多様な仕事の経験を通して、組織の仕組みに精通している
- 8.ビジネス一般(マーケティング、会計、IT、グローバル)について、十分な教養を持っている
- 9.会社レベルで物事のプライオリティーを理解することができる
課長の条件 部下に「適切な指示を出す」
- 10.目的を達成するためのタスクを、ロジカルに分解することができる
- 11.指示を出す相手に、適切な「粒度」で指示を出すことができる
- 12.押し付けにならず、部下も納得する形で指示を出すことができる
機能3 報告を引き出し、報告する=現場情報の翻訳
課長の条件 部下から「報告を引き出す」
- 13.ホウレンソウの徹底が組織内に浸透している
- 14.報告を待つのではなく、部下のところに情報を取りに行く態度をとる
- 15.部下が報告している事柄が「事実」なのか「意見」なのかを常に気にする
課長の条件 「適切な報告をする」
- いかなる物事も測定し、グラフや図として報告する習慣がある
- 17.経営層が把握すべき指標(KPI)を理解し、最新の数値を記憶し、必要に応じてアラートを出せる
- 18.経営層にエスカレーションすべき問題とそうでない問題の切り分けを間違えない
機能4 社内外の個人や組織との連携
課長の条件 企業理念や目標の達成に必要な「チームワークを作り出す」
- 19.他部門の目標を理解し、その目標達成を積極的にサポートする姿勢がある
- 20.セクショナリズムを嫌い、他部門との意見交換や人材交流を積極的に行う
- 21.部門をまたがる組織横断プロジェクトで、リーダーシップを取ることができる
- 22.組織の代表として、組織外の目から見て恥ずかしくない対応が取れう
- 23.利害が対立する現実から目を背けずに、交渉すべきときはどこまでも交渉する強さがある
- 24.守秘義務やコンプライアンスなど、組織外の人々と連携するときに必要な法務規定を遵守できる
機能5 部下育成と業務効率向上 = 組織力の強化
課長の条件 部下の育成
- 25.部下のキャリア巻を理解しつつ、部下のキャリア形成を積極的にサポートしている
- 26.「雑談」「対話」「議論」の違いを理解し、意識して部下と「対話」の機会を持っている
- 27.自分自身もさらなる高みに向けて常に学習を心がけている