第5章 それでも「任せられない」人に
「任せられる人がいない」誤解
- どうしても任せられないという方の共通点、プレーヤーとして活躍してきた人
- マネージャー本人のほうが能力や経験があれば、任せることを躊躇するのは当然
- マインドを変えることで「任せる」ことができるようなる
- まずは任せられない理由から考えていく、理由としては大きく2つ
メンバー(部下)を信じて一度任せてみる
- 1つ目。「任せられる優秀なメンバーがいない」
任せることで、メンバーが成長し、また任せられるようになっていく
任せないからいつまで経っても任せられるようにならない
メンバーの力を信じる
- 多少の失敗は成長に必要と考える
- 大きな事故だけは起きないように、そっと見守る
メンバー(部下)を今の自分と比較しない
任せて責任を持たせれば、自分で考えて判断し、自分の力で進むことで必ず成長していきます。
失敗は投資です。長い目で見れば、例え小さな失敗があったとしても、その何倍も成果をもたらしてくれます。
- 取り返しのつかない大きな事故(損失)は、任せた側、任された側ともに不幸になるため、最低限のフォローをする
「自分でやったほうが早い」の限界
- 2つ目。「自分でやったほうが早い」
- ただ、これには限界がある
- 長いスパンで見れば、メンバーの成長の機会を奪い、組織としての総力を高めていないことになる
足し算ではなく掛け算で考える
- マネージャーの仕事は、1+1=2 ではダメ
「1」だった若手が「2」にも「3」にもなり、その掛け算で高いパフォーマンスを生み出すことが、マネージャーの使命でもあり醍醐味でもあります
- 「自分でやったほうが早い」は今だけの話
成長していく実感を経験する
厳しい言い方をすると、「チームに任せられる人がいない」というのは、私はマネージャーとして無能ですと言っているのと同義です。
**「自分でやったほうが早い」というのは育成を無視し、組織を弱体化させる罪です。
- 人は成長すると信じて任せてみる
もっとも危険な「中途半端な丸投げ」
- 任せてみようと思っても、次に陥るのが「中途半端な丸投げ」、「任せきれない」という悩み
- 自分とは違う進め方に気になったり、優先順位が違っている、遠回りしているのを「正してあげないと」と思い、チェックをしてしまう
- 任された側は、主体性を奪われ やる気を削がれてしまう。結果的に指示待ち人間の出来上がりになってしまう
失敗させるマネジメントを目指す
indeedのCEOの出木場久征さんの言葉
「僕がよく言っていることの一つは、"マネジメントの仕事は何か"といえば、”こんなことをやったら失敗する”とか”失敗させないマネジメントはマネジメントではない”という話をしている。失敗させるマネジメントが一番だ」
任せるのも難しいが、「任せきる」のはさらに勇気がいる
- 多少自分の考えと違っても、目をつぶりましょう
- 積極的に失敗をさせる
- 取り返しのつかない大事故(損失)にならないよう気をつける
任せた人のやり方に口を出さない
- そもそも、成功と失敗を分けるような決定的な瞬間は、ビジネスの話ではほんの一部
- 仕事の9割は準備運動のようなもの
- 準備運動は大切だが、そこが完璧である必要はない
- 任せた人のやり方で進行をさせる
- 任せるなら、最後まで任せる
はじめて丸投げする際はスモールスタートから
はじめて丸投げのポイント
- よく知っている身近なメンバーにお願いする
- 新人ではなく、ある程度軽々のある信頼おけるメンバーにお願いする
- 規模の小さなプロジェクトから始める
丸投げのメリット/デメリット
丸投げのメリット
- 成長を促すことができる
- 主体性が高まり自分で考えて動くようになる
- モチベーションが上がる
- この成長の積み重ねで組織全体を強化することができる
- 丸投げをした側に時間ができて、マネジメント業務に集中できる
丸投げのデメリット
「正しい丸投げ」「間違った丸投げ」まとめ
- 正しい丸投げは「相手に達成感を与え、人を育てる」
- 間違った丸投げは「配慮のない自分本位な、人をつぶす」
- すべての項目をチェックして完璧に行わないといけないというものでもない
- 組織・ポジション、メンバーの状態によって優先度、重要度も変わるため自分が納得したものからトライしていく
丸投げするのは社内のみ
- 本書で推奨している「丸投げ」はビジネスの場合においての社内の話
- 正しい丸投げは正しい育成と組み合わせることで最大限の効果を発揮する