第4章 レジリエントなチームは困難から学ぶ
同じ轍を踏まないために困難から学ぶ
レジリエンスの基本戦略のうち「ゆっくり対処する」アプローチ(主に風船型と柳型)は学習が欠かせない
本書の学習は、教材からの知識を獲得するではなく、チームみんなで困難を振り返り、教訓を得ることを「学び」と呼ぶ
困難から学ぶことは、「困難を振り返ること」と「教訓をつくること」の2つから成り立つ
振り返りをしているのに、チームが成長しない理由
- 困難の後のチームの振り返りは3つに分類される
- 「責任者断罪型」「仲良しサークル型」「チームレジリエンス型」
- 責任者断罪型では、誰かのせいにして振り返りを終わりにする
- 仲良しサークル型ではチームで困難を乗り越えたことをきっかけに結束力を高めますが、困難を乗り越えたことに満足し、教訓の獲得が軽視される
- 上記、「責任者断罪型」「仲良しサークル型」パターンから脱却し、教訓づくりのヒントを得られる「チームレジリエンス型」の振り返りが大切
「チームレジリエンス型」の振り返り
チームレジリエンス型の振り返りポイント
- 目的を提示する
- 良かった点を振り返る
- 別のアプローチをしていたらどうなったかを考える
- 前提を疑う
- 振り返りを習慣化する
目的を提示する
- この振り返りは、犯人探しや謝罪を目的としているのではなく、困難の再発防止のために行っていることを明確に伝える
- 何を改善すべきかを冷静に話し合う
良かった点を振り返る
- 「良かった点」についても共に振り返ることで、ネガティブな感情が緩和される
別のアプローチをしていたらどうなったかを考える
- レジリエンスの4つの基本戦略のなかで、別のアプローチをしていたらどうなったかを考える
前提を疑う
- シングル・ループ学習ではなく、『ダブル・ループ学習』
振り返りを習慣化する
- チームについて振り返り、話し合う習慣を意図的に増やすことで、責任者断罪型の振り返りを防ぐ
チームの定例ミーティングで月に一度振り返る
- チームの目的は何だったか?
- チームがより高いパフォーマンスを発揮するためにはどうしたら良いか?
- 各メンバーが仕事を進めるうえで上手くいっていないことはないか?それを他メンバーが手伝うことはできるか?
今後に活きる教訓をつくる
形骸化する再発防止マニュアル
- 活きた教訓をつくるポイント
- 目線のズレをマネジメントし、全体方針を決める
- 役割分担を見直し、困難を乗り越える
- 教訓を日々の習慣に落とし込む
- 教訓を「痛み」とセットで語り継ぐ
- 知識共有の方法にこだわる