第6章 育成の真髄
財を遺すのは下、仕事を遺すのは中、人を遺すのは上
「ティーチング」と「コーチング」を使い分ける
- ティーチングからスタートし、経験を積んでいくとコーチングの比重が大きくなっていくのが理想
- ティーチングは、相手のレベルに合わせて話す
- 理解できているか、身についているかを確認しながら進める
- コーチングは、傾聴と質問を繰り返して答えを引き出して、その答えを否定しないことが重要になります
- 別の立場になって考える"ポジションチェンジ"を使って、多角的視点を与える
- ティーチング、コーチングの間にある「ディレクション」を活用する
リミッターを外す「アシステッドスプリント法」
できるわけないという思い込みを解く
日本人選手が100m走で10秒を切れない「10秒の壁」を破るために用いた
走る人をバイクや自転車などで物理的に引っ張り、能力以上で走ることにより、限界値を超える感覚を脳と体に植えつける手法です
できるのにできないと思っている自信を持てないメンバーにリミッターを外す
- マインドチェンジを行う
失敗は買ってでもさせろ
- ビジネスで成功している人は、「チャンスを全速力で駆け抜けた人」
- やり遂げるには2つの能力が必要
- チャンスが見極められるか 本人だけでなく、良いマネージャーと出会えれば教えてもらえる
- チャンスで全力が出せるか こちらは本人次第
- ここぞという機会で全力が出せる人、出せない人の差は、「全力で走って、全力で転んだ経験 つまり、失敗を経験しているか、限界の能力で挑んだことがあるか
失敗しても問題ない環境づくりをする
- マネジメントの責務は、「失敗しても大丈夫と思える環境を用意する」
失敗の経験をたくさんさせる
- 失敗をトラウマにさせてしまうのは、逆効果
- 取り返しのつかない大事故(損失)になる案件で失敗はさせない
- ふさわしい環境、条件、タイミングを見計らって任せる
"「失敗」と書いて「せいちょう」と読む""
これは、野村克也さんの言葉です。
若手が跳ねる瞬間「新4P理論」
- 成長を遂げた人を分析した結果、一つの方程式・条件を見つけた
- 新4P、Person・Place・Prepare・Pressure
ビジネスの場での成長は、正しい人(Person)が、正しい場所(Place)で、十分に準備された状態(Prepare)で、適度なプレッシャー(Pressure)のもとで起こります。
「適度」を見極める
- 少し背伸びして手を伸ばせば届きそう、という挑戦が重要
微調整をその都度繰り返して適度にしていく
- すべてのチームメンバーの基準を完璧に把握、毎回ドンピシャにアサインができるわけではない
- プレッシャーが大きすぎたら、フォローをするし、余裕があるようなら、タスクの重要性を改めてつたえるなと、プレッシャーとモチベーションを足す
育成のNG① 指導と武勇伝を勘違いするおじさん
”歳をとってやっちゃいけないのは説教、昔話、自慢話”
#### マネジメント側が控えるべき行動 -「説教」、「昔話」「自慢話」 - 「答えを教える」
育成のNG② 優秀な人ほど陥る「自分のコピーをつくる」
自分のコピーやクローンをつくろうとしない
- 誰かのコピーを目指して、本人を超えたことはほとんどない
- ただ、先輩に少しでも近づこうとマネする、学ぶ時期というのはある
- 「ルビッチならどうする」という、エンターテイメント業界で有名な思考法
点ではなく、面で育てて個性を伸ばす
- それぞれ自由な動き方を支援し、それぞれの個性を伸ばしていく
- どうしても、自分のやり方を押し付けてしまう場合は、育成係を複数名任命、点ではなく「面」で育てる
最終ゴールは自分が不要になること
育成の最終ゴールは、自分は不要になること
リーダーの成功とは?
持っている知見やスキルを惜しみなくシェアして、願わくば自分を超えていく存在に育て上げること。
また、育てた人がさらに人を育てることで、組織は加速度的に強くなります。
これができると、リーダーが何もしてないように見えて、結果をだすチームができあがります。
- リーダーの成功とは、20世紀最高の経営者ジャック・ウェルチの言葉
"リーダーになると、成功とは「他人を成長させること」になる"