第2章 困難を乗り越えるチームレジリエンス
チームレジリエンスとは何か?
そもそもレジリエンスとは何か?
- レジリエンスは1970年頃から主に心理学で扱われた言葉。
- 定義としては、多義的
レジリエンスの捉え方は、困難な状況からの回復に役立つ「能力(個人の場合は、特性)」、困難な状況から回復する「プロセス」
能力とプロセスは、回復のプロセスがうまく機能するために、能力が不可欠です。
- さらに、回復のプロセスを経ることで、能力が強化されることもあるため、2つは密接に関連する
本書におけるレジリエンス=危機的な「困難」に直面した際に、立ち直り、回復するための能力やプロセス
レジリエンスは「回復」に留まらず、「成長」も内包する
- レジリエンスの4つのパターン
- 1.挫折:精神的に折れてしまい、仕事に取り組めなくなってしまった状態
- 2.負傷:再び仕事に取り組めるが、精神的・機能的に支障が残った状態
- 3.回復:以前の精神的・機能的レベルまで戻ることができた状態
- 4.成長:以前よりも精神的・機能的に高いレベルまで成長できた状態
チームレジリエンスの定義
- 本書の定義
チームレジリエンス = チームが「困難」から回復したり、成長したりするための能力やプロセス
チームレジリエンス以外のレジリエンス
- 組織レジリエンス|組織を脅かすような出来事から、組織のパフォーマンスを回復させること、それに必要な力のこと
個人レジリエンス|困難や挫折など精神的にショックを受けるような経験から、個人が回復することおよび、それに必要な力のこと
3つのレジリエンスは相互に関係している
チームレジリエンスのよくある誤解
3つのステップでチームレジリエンスを発揮する
ステップ1:課題を定めて対処する
ステップ2:困難から学ぶ
ステップ3:被害を最小化する
守りのチームは「ステップ3:優先」、攻めのチームは「ステップ1:対処」優先
「ステップ2:学習」を怠らないことがチームレジリエンスの肝である
- チームが困難や失敗から学ばなくなると、どんなに優秀で成果をあげていたチームも、次第にレジリエンスが枯渇し、いつか必ず衰退する
チームレジリエンスには土台となる「チーム基礎力」が不可欠
- チームレジリレンすのステップを文、困難を乗り越えるために必要なのは5つのチームの基礎力
【チームの基礎力】
- 1.チームの一体感
- 2.心理的安全性
- 3.適度な自身
- 4.状況に適応する力
- 5.ポジティブな風土
チームの一体感の高め方
- チームの目標をストーリーとして腹落ちさせる
- メンバー間で"個性"や"感情"を共有する
心理的安全性の高め方
- リーダーがメンバーにとって身近な存在であろうとする必要がある
- メンバーにネガティブな意見を求める
適度な自信の高め方
- 自分たちと似た他のチームの成功例を見聞きする
- 自信が高すぎるチームは事前に問題を見つけ出し、対策を怠らない
状況に適応する力の高め方
- 普段から指示待ちメンバーを作らない
- メンバーが主体的に動けるように工夫をすることが大切
- 主体的に動けるようにするために、リーダーが意思決定をする際の判断基準の共有や曖昧なボールを誰が拾うかの共通理解を促す
ポジティブな風土の高め方
- 自分たちができていない部分ではなく、以前より進歩した部分に注目すること
- 前向きな声掛けとユーモアも欠かせない