【読書メモ】冒険する組織のつくりかた 安斎勇樹 (著) Part.10
第8章 冒険する「組織変革」のカギ
組織のレンズ
事業戦略のための手段から人と事業の可能性を広げる土壌
組織の基本原則
毎日が変革!変えることを楽しむ
KEY15 変革は課題設定が9割。自社の「もったいない」を探す
「問題解決」と「組織変革」は、似ているようで全く違う
ある程度まで局所的・短期的に対応できてしまう現場レベルの問題解決と比べると、
いくつもの部門・部署のさまざまな要因が絡んでくる組織変革のほうがより問題構造が複雑であり、中長期的な取り組みにならざるを得ないのです。

- 問題解決力は「チーム力の指標」
- 組織変革の能力は「組織力・経営力の指標」
「危機感ドリブン」の行動は"続かない"ー変革の動機4パターン

- 危機意識からスタートする変革は、短期的に人を駆り立てる効果はあるが、持続性にはかける
- 冒険的な組織変革には、「ポジティブなモチベーション」が必要
組織内の「もったいない!」を探し、前向きに「リフレーミング」する
現状を否定するような動機づけをしない
「ピンチ/リスク」を「チャンス/ビジョン」に置き換える前向きな課題設定をしたいとき、ぜひとも意識をしてほしいのが「もったいない!」という感情
組織変革にむけた目線合わせにおいては、自分たちがすでに持っている強みや資源に目を向け、どんなところに「もったいなさ」を感じてるかをお互いに共有する
御社の問題は"どこのズレ"から?ー変革のトリガーとなる「3つの不整合」
- 内部要素間のズレ
- 組織の規模や構成員、部門構造が変わり、従来の制度がうまく機能しなくなったり、文化に違和感を持つメンバーが出てきたりと、組織内部で不整合が生まれている
- 外部環境とのズレ
- 組織の外にある環境や前提、ルールを大きく変わり、組織内部との不整合が生まれている
- 「理想と現実」のズレ
- 事業フェーズの移り変わりとともに、当初思い描いていたビジョン(あるべき姿)と現状の方向性とが乖離したりアップデートが必要になったりしている

- 見落とされがちなのは「理想と現実のズレ」
- 自分たちなりの未来像を言語化する機会が大事
理想と現実のズレを見やすくするポイント
不整合が起きている箇所は1つとは限らない。このズレを埋めていくために「終わりなき日常的な働きかけ」が必要
うちの会社の「悪いクセ」は?ー無意識の「ルーティン」に目を向ける
組織のズレを埋め、新しい整合をつくっていくポイントは日々のルーティンに目を向けること
問題の表面だけに目を向け、点の施策でお茶を濁すではなく、「一連の不整合がどのようなルーティンから生まれているか?」を考察する
KEY16 トップダウンの変革は「構造」と「文化」をセットで変える
MVVが定着しない会社は、なにをやり残しているのか?
- 構造だけを変える、文化だけを変えるはNG
KEY17 ボトムアップの「勉強会」から変革のうねるを全社に広げる
非公式にスタートしながら、「経営陣の巻き込み」を目指す
- 組織変革の2つのアプローチ

「社内勉強会」こそ最強の変革トリガー―全社を巻き込む「3つのワザ」
- ボトムアップ型で効果的なのが「勉強会」の開催
- 大事なのは、参加人数規模の拡大より、部門を超えたつながり(場合によっては会社の垣根を超えたつながり)をじわじわと形成していくこと
- 注意すべきは、会社・職場・上司に対する「愚痴大会」の場にしない
勉強会開催の工夫
- 社外の人材や有識者を巻き込む
- 人事やマネジャーに声をかける
- ある程度参加者が増え、場の質も高まってきたら人事部門のメンバーや管理職、役員クラスにも参加を呼びかけてみる。外部の有識者をゲストに招いた会などは招待しやすい
- 社内メディアを活用する
経営陣を巻き込みやすい勉強会の「2大テーマ」とは?
- 勉強会自体は「メンバーの内的動機に根ざしたもの」で組織内の学習文化づくりに寄与し得ることを考えると、それ自体で十分意義がある
- 組織変革のうねりにまでつなげたいのであれば、「なんの勉強会なのか?」というテーマ設定の部分が重要
テーマ案① 自社の事業ケイパビリティや組織アイデンティティに関する勉強会
- 自社にはこれからどんな事業展開があり得そうか、将来的にどんな会社になっていくべきか?といった内容
- 自分たちの会社の新たな可能性に好奇心を向け、自社のケイパビリティやアイデンティティを変え得る、新たな市場・業界・技術などをテーマにする
- 単なる情報のインプットの場ではなく現場起点の意思とアイデアを磨く場にする
テーマ案② 「組織づくり」に関する勉強会
- 自社の組織をよりよくすることを目的にした勉強会
- 本書「冒険する組織のつくりかた」を課題にした読書会などが、変革のきっかけを生み出せる
「お客さん」で終わらせず、「変革の同志」になってもらう
勉強会の冒頭で、「なにを勉強するのか?」だけでなく、「なぜこの勉強会をやっているのか?」についてもストーリーテリングする
参加者にも少しずつ会の協力をしてもらい、「お客さん」を「変革の仲間」に変えていく
KEY18 ミドルは変革の中枢。マネジャーこそ「自分」を尊重する
結局、変革のカギは「中間」が握っている
トップダウン型の組織変革においては、経営チームの意思決定も欠かせないが、重要なのは「どれだけミドルマネジャーを巻き込めるか」
ただ、現代のマネジメントは複雑で難易度が高いため多くのマネジャーが責任の重みと仕事の負荷に「しんどい」思いをしている
マネジメントの機能を組織的に「分散」させて、ミドルマネジャーたちに「変革の余力」をもたらす
マネジャーがしんどい…の正体ーできる人が自分主語を捨てる瞬間
- アイデンティティ・クライシスというキャリア課題が原因の一つ
「私らしさ」の認識が揺らぎ、自分が何者なのか、なんのために働いているのかがわからなくなる現象
- プレイヤー時代にのびのびと仕事をしていた人が、マネジャーになった途端「会社の駒」として振る舞う
新しい自分への違和感から逃れるために、ひとまず「調整役」に徹していたつもりが、いつのまにかその"仮面"にアイデンティティを乗っとられてしまい、自分なりの探究を完全に捨て去ってしまう
- このようなときは、過去と未来をつなぐ問いを立て、文字通り「新しいアイデンティティ」を粘り強く探究する意識が求められる
冒険型ミドルマネージャーに変わるための「3つのリーダーシップ」とは?
①変革を自分たちの物語に落とし込む「ストーリーテリング」
- 会社主語ではなく、私を主語にして、主観的に語る
- リーダーに欠かせないコミュニケーションは「説得」のコミュニケーションではなく、新しい可能性に向けた探究を"自分たちの物語"として意味づけし、「共感」を生み出していくコミュニケーション
②タテ・ヨコ・ナナメ・社会とつながる「越境力」
- タテの越境|直属の上司・部下を超えて2階層以上離れた上司や部下とつながる
- ヨコの越境|他のチームを任されているミドルマネージャーとのつながり
- ナナメの越境|別チームに所属しているメンバーとの関係性
③矛盾を乗りこなす「ネガティブ・ケイパビリティ」
- これまでは「AかBか」とクリアな問題を立て、すばやく正解を導き出す力が求められてきた
冒険する組織に求められるのは、「AもBも」を成り立たせる答えが見つかるまで、パラドキシカル(逆説的)な状況にじっくり向き合い続ける力
KEY19 企業の「アイデンティティ危機」を変革のチャンスにする
会社にも「キャリアの階段」があるー人・組織に共通する「3つのフェーズ」

KEY20 垣根を超えた仲間へ。健全な「出会いと別れ」をデザインする
- メンバーの新陳代謝には「その組織らしさ」が表れる
- 組織としてどんな新陳代謝のリズムを理想とするのか?を経営チームでよく話し合っておく必要がある
- 冒険する組織における採用は、"波長が合う仲間を探す活動"
- そのために「対話」が大事
入社前からお互いを知り尽くすー「メンバー巻き込み型」の採用面接
- 求職者を一方的にジャッジする側にたたないで、「お互いを理解していくための場」として面接をデザインする
- 面接の場にはできる限り幅広いメンバーに同席してもらい、多様な視点から相互理解を深めることも重要
「辞めます」と言われたとき、「冒険する上司」が真っ先にやること
メンバーからの退職希望は「対話のチャンス」
個人のキャリアにおいて「会社を辞める」という選択は、きわめて大きな主体的決断であり、本人の内面を深く知り得る絶好のチャンスでもあります。
退職や転職を考えるというときは、本人がそれくらい真剣に自身のキャリア探究に向き合っているという証拠
「会社を辞める=仲間をやめる」ではないー「アルムナイ」をつなぐ冒険的ネットワーク
- 会社を辞めて機能的なつながりがなくなったとしても、「共通体験」を持った仲間であることに変わりない
- 組織の新陳代謝をデザインするときには退職者とのつながりをセットで考えるようにする
